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大好きなのはきっとお互い様


もう全部忘れたいって君の胸で泣きじゃくったあの日、君も一緒に泣いてくれてすごく嬉しかったんだよ。その日を境に、今まで君の前で泣いたことがなかったわたしは君の前でよく泣くようになったね。心配かけたくなかった、弱いところを見せたくなかった、そんな理由でずっと強いふりをしていた。君にはお見通しだったと思うけど。それでも心のダムが崩壊して泣くしかなかったあの日に、君が隣にいてくれたこと、本当に良かったなって思ってる。


わたしが君を傷つけて、泣きたいのは君のほうなはずなのに、君を傷つけてしまったことが悲しくてそんな自分が悔しくて許せなくて、我慢したけど涙が溢れてきた。なんで泣いてるのって君は優しく聞いてくれた。喋ることもできなくて罪悪感で君の目をまっすぐ見ることもできなくて、ただ俯いて泣いていた。どうしたの、泣かなくていいんだよって君は困ったように笑ってて、どうしてこんなに優しいんだろうと思った。酷いことをしたのは私なのに。怒られて当然だった、きつい言葉を投げかけられて当然だった、むしろ、軽蔑や叱責を待っている自分さえいた。大事な君の嫌がることをしてしまったこと、しないと約束したことを忘れてしまっていたこと、君を悲しませたこと、不安にさせたこと、怒らせたこと、全てが嫌でこんな自分が許せなかった。この立場で泣いている自分にも腹が立つし、向き合おうとしてくれてる君とちゃんと向き合えずにいる素直じゃない自分にも腹が立った。申し訳なくて罪悪感で自分の部屋なのにとても居心地が悪かった。1人になりたかった。君のそばにいるのが辛かった。君の目を見ることができないと思った。外は雨が降っていたし真夜中だし、1人になるには外に出るしかなかったけど、外に出たくなくなるような要因が揃っていて、でもこのままでは寝ることもできないし、君に対しても失礼だと思ったから、勇気を出して君に言った。ちょっと外歩いてくるって。危ないからって君は止めたけど、わたしの意思を尊重してすぐ帰ってきてね、待ってるから。と行かせてくれた。外に出ると雨がたくさん降っていて、傘から落ちた雫と水溜まりのせいでスニーカーに雨が滲んで靴下が濡れていく感覚が不快だった。引いていた涙が一気に溢れてきて、いろんな気持ちになって感情がぐちゃぐちゃだった。道の先にある女性の先輩の家に行って話を聞いてもらおうとも思ったけど、SNSが何も更新されてなくてバイト中かもしれなかったからすぐに辞めて道を引き返した。道を引き返してから家にまっすぐ帰ろうか迷ったけど、夜に1人で歩くのはちょっと怖かったし、雨の音が苦手で急に寂しくなって君に会いたくなったからすぐに帰ることにした。玄関の扉を開けるとすぐそこに少し心配そうな顔をした君が立っていた。わたしはできるだけいつも通りの声で、ただいまーって言った。おかえりーって君もいつも通りの声で返してくれた。あーなんかもう大丈夫だって思った。いつも通りに戻れるって思った。濡れた上着をハンガーにかけていると、なんでそんなに濡れてんだ、傘さしてないのかって君はふざけて聞いてきた。さしたわばかってわたしもふざけて言い返して、いつも通りの雰囲気に戻った。私が笑うと、よかった、笑顔になったって安心した顔の君が言って、やっぱりこの人には敵わないなと思った。


私の方が何倍も子供で、至らない部分ばかりで、いつも心配ばかりさせて、振り回してばかりいる。それでも変わらずに好きでいてくれることなんて当たり前のことじゃないのに、現状に満足して君を大事にできてなかったね。大反省してる。


君が手紙に書いてくれた、できるだけ長く一緒にいたいっていう言葉、あれ大好きだよ。ずっとだとか永遠なんて言葉は大嫌いだけど、君のその言葉には君の謙虚さとか真面目さとか現実とか将来をちゃんと考えてる大人なところが詰まってて、君らしいなって思ったよ。眠い目を擦りながらベッドの上で綴ってくれたその言葉に、君は深い意味を持ってないかもしれないけど、私にとっては、少し大袈裟かもしれないけど、生きる意味であり希望なんだよ。


そんなんどうでもいいし早く行こ。君は気づいてないかもしれないけど君がよく言ってるこの言葉、ぶっきらぼうで冷たく聞こえる時もあるけど、その言葉の意味は、すごく暖かくて私を守ってくれるものだって思ってる。わたしがナビを上手にできなくて目的地に着くのが遅れちゃったり、パーキングがなかなか見つけられなかったり、ご飯屋さんが見つからなかったりして落ち込んでるとき、ごめんなさいっていうわたしに君は、そんなんどうでもいいし早くいこ。って言ってくれる。さっぱりしてていいよね。ぐだぐだいつまでも引きずるわたしを、俺はそんなこと気にしてないから大丈夫だよ、それより早く行こうよって意味の言葉でわたしを引っ張ってくれる、そんな君が大好きだよ。


君に出会えてよかったな。いいことも悪いことも全部包み隠さずに話してくれるその誠実さも、私のダメなところや直して欲しいところをきちんと教えてくれて向き合おうとしてくれる優しさも、私が傷つくようなことは絶対に言わないでいてくれる気の利くところも、私のわがままもイライラも全部受け入れて許してくれる器の広さも、全部尊敬してるよ。君じゃなかったら私はとっくにダメになってると思うよ。好きになってくれてありがとう。好きでいさせてくれてありがとう。見えない敵とずっと戦ってる私をずっと支えていてくれてありがとう。君のことをもう傷つけたくないよ。君は傷つかないっていうけど嘘だよ。いつか愛想を尽かされてしまう日が来るかもしれないと思うと怖いよ。そんな日が来ないこともちゃんと分かってるよ。矛盾だらけの毎日で、もがきながら君の手を何度も振り解いても、涙で前が見えなくなっても、君はきっとわたしを抱きしめて笑わせてくれる。それが辛いと思うその日まで、わたしは君を信じるって決めたよ。


毎日不安で眠れないのに、君といるとすぐに寝付けてしまうのが不思議だよ。おかげで、君がいないと眠れない体になってしまったよ。


寝ぼけて朝電話をかけたくせにずっと無言で心配をかけてごめんね。そのあとも何度も不在着信が入ってて、こんなに心配してくれてたんだって思った。誰かが自分のためにこんなに尽くしてくれたり心配してくれるの初めてで、それだけで嬉しくて泣きそうになったんだよ。


君がわたしに、そのままでいてねって言ってくれた言葉の本当の意味を知ったとき、すごく嬉しかったな。いい子でかわいい子のままでいてねっていうプレッシャーに感じてたけど、今なら、君が好きになってくれたわたしの顔も性格も全部、君が好きになってくれたってことだけで自信を持っていい立派な理由なんだって心から思える。そうだよ、私が大好きな君が私のことを大好きなんだ。この顔もこの性格も、どんなわたしでも大好きだって言ってくれたんだ。


ネガティヴになって君の言葉をどんどんマイナスに捉えてしまったこと、自分を大事にできなかったこと、君を困らせたこと、本当にごめんね。


心の中のモヤモヤを言語化したらやっと楽になったよ。


次に会うときは、絶対に笑顔で会える気がする。君の大好きだって言ってくれた笑顔を君に見せることができるのが今からすごく楽しみなの。


大好き。君を喜ばせたいからとか、かわいいって思われたいとか、そんなのどうでもよくて。ただひたすらに今、君が大好きだよ。


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