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初めての春

昨日、恋人とボウリングの投げ放題に行った。2人で行くのは2回目だけど、1回目は温泉の帰りに3ゲームしただけなので、しっかりやるのは今回が初めて。私はボウリングがあんまり好きじゃない、というか苦手意識がある。小学校の時から子供会で行ったり家族で行ったり何回か行った記憶はあるけど、毎回全然上手にできなくてガターばっかりで、負けず嫌いの私はだんだん自分の機嫌が悪くなっていくのが分かっていた。周りの友達はみんな上手で楽しそうで、何がそんなに面白いのか分からなかった。1番最近行ったボウリングの記憶はサークルの同学年だけで行った時で、他の女子も男子にカーブの投げ方を教えてもらってすごく楽しそうだったけど、あそこのグループには入れないなってどっかで線引きしてて、私は混ざらずにあんまり目立たないようにしてた。同じ席の男子が、私が投げた後全然ピンが倒れてないのにナイス!とか褒めてくれたけど、どこがナイスなの?とか思ってしまって多分上手に笑えてなかった。何回も泣きそうになった。だからボウリングにはあまりいい思い出がないし付き合いじゃなかったら行こうと思わないけど、恋人はボウリングが好きで、昨日すごく行きたそうにしてたから行こうよって言った。めっちゃ行きたいわけじゃなかったけど、行きたくないけど恋人が行きたそうだからしょうがなく行くってわけでも全然なくて、単純に久しぶりにボウリング行くのもいいかなって思ってた。結構楽しみだった。でもいざ始まるとやっぱり上手に投げれなくて、あーだめだなって思った。でも投げ放題だし色んな投げ方試してみて自分なりに頑張ろうって思ってた。何回か投げるうちに恋人が私の投げ方の癖に気付いてくれて、正しい投げ方を教えてくれた。初めは難しかったけど、だんだんちゃんと理解できるようになって感覚を掴んできた。恋人はボウリングが得意だし教え方も上手だから私はすぐにカーブの投げ方を習得した。ちゃんとした投げ方が分かるようになったらストレートも狙ったところに上手に投げれるようになった。8ゲームぐらいしたとき、初めてスコアが100を超えた。ストライクもスペアも何回も取れるようになった。今まで全然ピンが倒れなかったのに、1ピン残しとかの惜しいことの方が多くなった。本当に初めて、ボウリングを心から楽しいと思った。何ゲームもして疲れてきてミスが増えてきて、いつもの自分ならここでどんどんだめになってた。でも、疲れてないふりをしてみるって言って、わざと元気な声を出してみたりおちゃらけてみたりしたらほんとに元気になってきて、また投球が元気な時に戻った。そういうの大事だよって恋人は言ってた。結局12ゲームして、2人とも疲れて終わろうかってなった。帰り道、今日はなんかカップルって感じがしたって恋人に言われた。カップルなんだけど、私たちは友達みたいに仲がいいから、空気感とかがよく友達寄りになりやすい。それで悩んだりもしたけど、昨日のボウリングは恋人にはカップルのように感じたらしい。私的には友達みたいに調子に乗ったりふざけたりしながら楽しんでたからちょっと意外だったけど、恋人曰く、私が本当に楽しそうにしてたから、私の楽しそうなところを見れて嬉しくて、その感情がカップルっぽく感じさせたんじゃないかって。それを聞いた時、楽しそうにするのって本当に大事なんだって思った。疲れて不機嫌になったり俯いたりボーってしたりするのが悪いわけじゃないけど、ちょっと頑張って明るくしてみるのも大事だなって思った。結果的に無理して辛かったんじゃなくて本当に元気になったから。バカってこういうとき便利だな。結局気の持ちようだよね、何事も。

この文章で何が言いたいかというと、あんなに苦手で嫌いだったボウリングを大好きにさせる恋人がすごいなってことと、楽しそうにする姿ってやっぱり魅力的に感じさせるんだなってこと。前者に関しては相変わらず恋人には頭が上がらないと思うし、後者に関してはこんなに当たり前で誰でも分かるようなことを改めて実感させられた。ハイキューのぼくとさんが月島に言ってた「それがバレーにハマる瞬間だ。」みたいなことがリアルに起きてた。

恋人はいつも私に新しい刺激を与えてくれる。前向きにさせてくれる。私にない考え方で見方で、筋の通った意見を正直に伝えてくれる。その言葉に何度も救われた。明日を生きるのが楽しみになった。自分のことをもっと好きになった。人を好きになるってこんなに幸せなことなんだなって、わかった。

お風呂上がりすっぴんでぼけーって座ってたら、すっと見つめてきて、ビジュ良って言われた。

髪を乾かす前にタオルであたま巻き巻きにしてピノキオみたいになって洗濯物干してたら、頭をポンポンされて、なんか大事にされてるなって不意に思った。

洗濯物を取り込んで畳もうとしたのに忘れて洗い物をし始めた私にADHDすぎって笑いながら洗濯物を畳んでくれた。

恋人に、大事にされてないなって感じたことなんて一度もない。恋人に言ったらそんなの当たり前って言われると思うけど、私からしたら初めてなんだよ。だから君はすごいんだよ。

自分の発言、行動に責任を持つって意外と簡単じゃない。素直になる、誠意を持って話す、悪いと思ったら謝るなんて当たり前のことも意外と難しかったりする。

恋人に出会ってから、私はどんどん人として成長できてる気がする。まだまだ全然変われてないとこはあるけど、今のところ平和に過ごせてる、と思ってる。

恋人と過ごす初めての春は、あたたかくて穏やかだ。
桜が散って緑が増えて、もっと暖かくなって夏が来たら、2人で過ごす2度目の夏。どんな気持ちになるのか、今からとっても楽しみだよ。


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