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今どきの若い人は…を今どきな視点で考察してみたら…

いつの世も何かと分析、評価される若者世代。今なら「Z世代」と呼ばれる属性のど真ん中に当たるのが、今回紹介する加藤陸人さんである。
加藤さんは教育学部で特別支援学校の教員を目指している大学3年生。以前自然教室に引率として参加した時に、全体のスピード感についていけない子どもたちを見て、何らかの理由で置いていかれる子どもたちを支えたいと強い動機を持ち、特別支援を志したという。この先もマスターに進み、心理士取得も目指している。

そんな彼の目標は、病院内で長く入院生活を送る子どもたちの居場所を作ること。指定難病になったことで自身が病院で過ごした経験から、社会から離されて病院にいる子どもたちの居場所はどこにあるのだろうと疑問に感じたという。そこで子どもたちが病院にいる間も、彼らが安心できる居場所を作りたいと考え、病院内で社会と繋がれるコミュニテイの実現を目指している。

加藤さんは大学生活においてもバイトの他にコミュニティスペースの運用に関わり、昨年BUFFのインターンを経験し、今は13期の受講生として学ぶというアクティブなマルチキャンパスライフを送っている。学校見学を通して空間の作り方に関心を持ったり、BUFFでの学びを通して、行動設計に基づいた道具の整理を促す空間を応用して、あいさつをしたくなる空間を考えてみたいなど、同期の仲間とともに学びを深めることにも積極的だ。

このような問題に取り組んでいる人達はいるだろう。しかしさまざまな現実的な課題や障壁に阻まれて広く実現されていない面もあるだろう。Z世代のよいところは、体験や共感を大切にする彼らが、共感できないことにはきちんとNOと言えることかもしれない。仕方ないと思われていたことにNoと言えること、変えようと行動できることなのではないか。

彼らを問題という上の世代は、これまで大人になることで「それが常識・それが社会」と諦めて同調し、認めてきたさまざまな不条理にNOと言えなかった過去のしきたりを未だ肯定して、それを否定するZ世代の問題にしているだけのようでもある。つまり上の世代が感じるZ世代の問題点は、上の世代の問題点の裏返しではないのか。そう思えてならない。

昨今のCSV(Creating Shared Value)を最大化しようとする考え方やバックキャスト指向などは、これまでのフォアキャストで行き詰まった今の時代をブレイク・スルーする、まさにムーンショットとなりえる可能性を持っている。
だからこそ、そんな加藤さんが目指す優しさと希望で満たされた子どもたちの居場所となるコミュニティをぜひ実現してほしいと切に願う。
それは決して特別なことではなく、もともと広い世代においてもが共感できる文脈だ。そうすればまた否定されていた世の中の常識がひとつ変わっているはずだ。

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