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宵待ち花火

H△G の夏の代表曲「 宵待ち花火 」には、男の子目線で描かれたオリジナルバージョンと、女の子目線で描かれたアナザーバージョンがあります。

夏祭りと花火大会を舞台に、二人の思いは交差しながらもすれ違ってゆく。聴き比べるとそれぞれの心情が同時進行で分かる創りになっています。


また、この「 宵待ち花火 」はミュージックビデオも二つ制作されていて、オリジナルバージョンはデジタルアーティストの watabaku さんによるイラスト、アナザーバージョンは H△G の地元である 愛知県岡崎市の花火大会 で撮影した実写映像になっています。

この物語の「イラストの女の子は実在する」ということにこだわって制作された二つのミュージックビデオ、ぜひ見比べてみてください。


「 宵待ち花火 」 


人波に押されて見上げた花火とか、
赤すぎるりんご飴のこととか。

高すぎて買わなかった綿菓子とか、
金魚掬いがなくなったこととか。

手のひらの温もり、淡い浴衣の色。
喧騒を背にした駅までの帰り道。

あの夏の夜は今でも僕の中にある。
宵待ち花火と幼き恋へのあこがれ。

あの夏のように儚く消えてしまいそうな、
青いサイダーの味。


花火が終わって見上げた夜空とか、
初めて手をつないだこととか。

火薬の匂いとか、寂しさとか。
確かに僕らはあの夜にいた。

言葉には出来ずに彷徨った思いは、
宵の闇の中でざわめきにとけてった。

夏が来る度に何度も思い出すだろう。
八月の夜のきらめき、胸の高鳴り。

思い出の中に僕らの夏の忘れもの。
青く揺れる思い。


君の住む町、駅で手を振った。
遠ざかる後ろ姿をただずっと見ていた。


あの夏の夜は今でも僕の中にある。
宵待ち花火と幼き恋へのあこがれ。

あの夏のように儚く消えてしまいそうな、
青いサイダーの味。青く揺れる思い。


「 宵待ち花火 」 Another Version


着慣れない浴衣で歩いた祭り路(みち)
打ち上げ花火と夜の匂いと。

この胸の鼓動が聞こえないように、
大きな声でしゃべり続けた。

でも夏が終わったら遠くへゆくこと、
言い出せないまま時間だけが過ぎてった。

あの夏の夜は今でも私の中にある。
宵待ち花火に隠した君へのさよなら。

あの夏のように儚く消えてしまいそうな、
青いサイダーの味。


さよならの代わりに贈った桔梗は、
あの夜の “青” にどこか似ていた。

君は花言葉に気付くだろうか?
例えもう枯れてしまったとしても。

君が何か言おうとした時にわざと、
花火を見上げて気付かないふりをした。

夏が来る度に何度も思い出すだろう。
八月の夜のきらめき、胸の高鳴り。

思い出の中にふたりの夏の忘れもの。
青く揺れる思い。


公園前の駅で手を振った。
振り返ることもしないでただ歩き続けた。


あの夏の夜は今でも私の中にある。
宵待ち花火が隠した君へのさよなら。

あの夏のように儚く消えてしまいそうな、
青いサイダーの味。青く揺れる思い。


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