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ハッピー・ケバブとクルドの人たち

ケバブが食べたい

かねてから気になっていた「ハッピー・ケバブ」というケバブ屋さん。埼玉県川口市、蕨市周辺に数店舗を構え営業をしています。昨日、草加方面での昼頃までの用事を済ませたあと、その近くにハッピー・ケバブの「センター・キッチン」というのがあるというので、そこまで行ってみようと思いナビをセットして行き着いたのは、なんと産業廃棄物の工場などがあるエリアで、道も細くさらに舗装もされていない民家もないような閑散とした場所。本当にこんなところにあるのか? と思いましたが、ありましたありました。しかしセンター・キッチンというより倉庫に近い。その建物のその前(つまり野外)にテーブルをおいての営業。横には椅子とテーブルがあり、現地の人(クルドの人)が数人食事をしていました。おそらく隣の産廃で働いているのでしょう。
ここの隣には、ハッピー・ケバブと書かれたキッチンカーが数台停まっていたので、ここであらかたの調理をし、車に乗せてあちこちに出かけていくのでしょうね。
メニューは牛のレバーをクミンなどスパイスで味付けをした具材をナンのような生地で挟み、くるっと巻いた状態のケバブラップ1種類だけだそうなので、それを注文。店員さんは「野菜は全部入れるか? 辛さは? 飲みものは?」と聞いてきたので「野菜は全部(レタス、トマト、玉ねぎ)、辛く。飲み物はアイラン(ヨーグルトに水と塩を混ぜた飲料)」をと言い、持ち帰りにして車中でいただきました。すごいボリュームでお腹いっぱい。しかし車の中で食べるようなものじゃないね、食べづらいったらありゃしない。しかもハンドルがソースでベタベタになるし。

ちなみに、蕨のハッピー・ケバブは、きちんと店舗を構えての営業ですので、行かれる場合には、そちらがおすすめです。以前は徒歩10分ほどでしたが、移転して駅の近くにあります。またメニューも多いので。

助けないわけにいかない

ハッピー・ケバブは、先の能登の震災の際、いち早くキッチンカーで現地にかけつけ、ケバブやスープを被災者に振る舞うボランティアを行ったことでも知られています。働いているの人たちは国籍はトルコですが、トルコ政府からの迫害を受け、海外に逃れてきたいわゆるクルド系の人たちなのです。
ハッピー・ケバブ代表のタシ・ティフィキさん(33)曰く、昨年2月に故郷・トルコ南部などで発生した地震で日本から寄せられた支援に感謝し、「誰かが困っていれば、助けるのは当たり前。恩返しをしたい」と…。

最近、クルドの人たちが多く住む川口や蕨あたりでは、治安の悪化をクルド人のせいと決めつけ、差別するレイシストも多くいますが、少なくとも私の知るクルドの人たちはなれない日本の生活習慣の中、慎ましく生活されています。根拠のない差別には心底腹が立ちます。

おすすめ書籍と映画

クルド問題については、この本「「クルド人を知るための55章」」がおすすめです。

「クルド人を知るための55章」(山口昭彦編著)


また、女子高生の川口、蕨周辺、いわゆる“ワラビスタン”に住まうクルドの女子高生サーリャの目をとおして、日本におけるクルドのたちの現状をテーマにした映画「マイスモールランド」もぜひご覧ください。

川口、蕨に住むクルド人の女性によるクルド料理のレシピを紹介した書籍「クルドの食卓」(中島直美著)というものがあります。基本的にはトルコ料理とほぼ同じと思ってよいでしょう。
著者の中島さんは私もよく知っている方で“ワラビスタン”の方々への支援活動などもされています。
実はこの本の写真は、すべて私が撮影いたしました。興味のあるかたはぜひ。






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