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副業商法には注意

世の中、コロナ禍とあり、副業ブーム。ともすればすぐに「副業斡旋」の広告が上がってきますね。そんな中「カメラマン副業」「1ヶ月で習得、月5万を稼ごう」的なものがあったのですが(中身は見てない。なぜなら下手にクリックするとそのあとしつこく広告が表示されるので)。
普段写真を撮ることも生計の一部としている私としての意見を書いておこうかと思います。
これはカメラマンに限ったことではないことなのですが、結論から言えば「やろうと思えばできます」。
ただ、写真でお金をもらうためには、やはりそれなりの機材や、習得する時間と技術が必要になります。
では具体的に挙げてみましょうか。

【機材について】

1:ボディ(カメラ本体)
フルサイズのミラーレス、もしくは一眼レフ。APS-Cでもよいですが、上位機種であることが前提。
当然ながらディアル・スロットであること。
複数台必要(最低でも2台)
※幼稚園の運動会でママさんたちが持ってくるような入門機ではNGです。お客さんに対して不安を与えますし、失礼でもあります。

2:レンズ
標準ズームレンズ(24mm〜100mm程度)
望遠レンズ(〜200mm程度)
超広角レンズ(17mm程度)建築関連や風景を撮る場合には必須
複数台必要(最低でも2セット以上)
※キットに付属している安いレンズはやはりそれなり。やはりプロ用レンズが必要。

3:外部ストロボ
TTLに対応、ハイスピードに対応したタイプ
複数台必要(最低でも2セット以上)
※プロは絶対に本体に内蔵されたストロボは使いません。カメラも上位機種になるとストロボがついていないものが多数です。

4:その他諸々
その他にも、スタンド、三脚、アンブレラ、デフューザー、バック紙、カメラバッグ、メモリカード、バッテリなどが必要です。これらも当然複数セット必要です。

これだけの道具をざっと考えて、なにも持っていない状態から中古で揃え、安く見積もったとしても50万円は下らないかと思います。仮に50万として、それを副業で稼ぐにはどのくらいかかるのでしょうか。

くわえて車の所有の有無も大きいです。車がないと当然持っていける機材にも限りができてしまいますし、発注する側としても車を持っているかどうかは重要視しているケースも多々です。カメラ1つ持っていけばよいという現場などありませんから。

【技術について】

道具が揃ったからと言ってそうそう仕事になるわけではありません。プロの板前さんが使うようなピカピカの包丁を買ったからと言って料理ができるわけではないし、高級ギターを買ったから弾けるわけでもないし、スポーツカーを買ったからといって運転が上手になるとは言えないのと同様です。

上記の「機材について」では、あえてそれぞれの機材の説明はしませんでした。もしチンプンカンプンで何を言っているのかわからないというなら、まずはそこから学ばなくてはならないでしょうし、それを仕事にするとなると、そうとう先の話になってしまう可能性が高いと言わざるを得ません。

技術は単に教わったからすぐできるというものではありません。経験を積むことが最も大切なのです。正直独学で習得するのは、かなりの時間を要しますし、頭で理解しているようでも、その理屈がいとも簡単に覆される現実に直面するのが、実際の現場です。そのためには知識だけではなく、やはり経験がものを言います。そのための練習にいったいどのくらいの時間がかかるでしょう? 

そこで「ではどこかで習う」という手段が浮上するわけですが、時々ネットに上がってくる、例の「1か月でマスターして月5万円稼ごう」のような怪しい広告。はい、1ヶ月では、絶対に無理と断言します。また、書籍でも同様のものがありますね、以前図書館である本を見てみたことがありますが、具体的なノウハウはまるで掲載されておらず、著者の精神論や自慢話のオンパレード。でもって最後は「具体的にその方法が知りたいならセミナーに参加してください」というオチ。「なめとんのかおらー!!」となりました。
いやあ、あれにはマジで目眩がしましたね(笑)。

仮に、もしそしてそういったセミナーに参加した場合の費用です。機材費と合算してみて、仮に副業をスタートできたとして、どのくらいで元が取れるのでしょうか。
いや、かく言う私も、現場で「教えてくださいますか」と言われて簡単な内容を伝えることがありますが「これで稼げるようになれます」などとは絶対に言いません。知識と技術の基礎を伝えるにとどめ「あとは、たくさん練習してみてください」と。(自分は写真が下手と嘆く方は、圧倒的に撮る枚数が少ない傾向にあります)

「1か月でマスターして月5万円稼ごう」のような怪しい広告。これらはすべて“セミナー商法”、“副業商法”と言って差し支えないでしょうね。何事も一朝一夕ではないということ。皆様ご注意あれ。





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