見出し画像

陸に上がった人魚姫…に、ならないために買ってます

自分は自他共に認める三日坊主だし、めんどくさがりやで飽きっぽい人間なので、続けたほうがいい習慣や物事がほぼ続かない。運動や食事、栄養剤、就寝時間など。
しかし、その自分が常に切らさないように買い続け、お風呂上がりに塗るというめんどくさい儀式を続けているかかと用のクリームがある。
それが「メンソレータムやわらか素肌クリームU」だ。


ちょっと前まで美肌グランプリ最下位の常連だったからっ風の強い群馬出身で、母も祖母もごちごちの鏡餅状態がデフォルト、もう先祖代々の体質だろうと半ば諦めていたかったいひび割れかかと。
冬場は乾燥した鏡餅状態。歩くと針に刺された様に痛み、ひび割れた踵からは溶岩の割れ目からのぞくマグマの如く赤い血が滲む。
きっと陸に上がった人魚姫の足は、こんな感じに痛んだんじゃなかろうか…などと、毎年飽きずに考えてた。多分違うけど…。(ディズニー版の「リトル・マーメイド」しか知らない人にはピンとこないだろうが、アンデルセン童話の「人魚姫」では、魔法使いの薬で尾びれから変えて貰った人魚姫の足は、一歩歩くごとに針か剣で突き刺したように痛むドM仕様🧜)
とはいえ何も手をこまねいていたわけではない。軟膏、ニベヤ、ユースキン、馬油、クチコミでいいというものは色々試してみた。しかし、どれもコチコチ踵の上部をツヤツヤコーティングしてくれるだけで、効果がイマイチ。

そんな私に10数年前、突如現れた救世主が「メンソレータムやわらか素肌クリーム」!(当時はまだ“U”がついていなかった)
最初のキャッチコピーが「ゴチゴチのかかとなどの治療薬」。コピーが商品名より目立ってたもんだから、しばらく「ゴチゴチのかかとなどの治療薬」が商品名だと思ってた。

これに出会った時の感動は忘れない。今まで何を塗ろうと、プラスチックに油をぬったごとく上滑りしてた固いかかとに、ぐんぐん染み込む染み込んでいく!
「え? なんかやばいもの入ってる?」ってなくらい、固い岩のようだった私の踵が、まあまあの腐葉土に変わった。
最初の年から数年は、夏場も塗ってた。深く刻まれた踵の渓谷は、夏場でも油断ならなかったからだ。数年後、溝が浅くなってからは乾燥する冬場だけですむようになった。
しかし、そこからまた悪い癖が出て「もう体質改善されたんじゃね?」「塗らなくても大丈夫なんじゃ」と、しばし塗るのをおこたったことがあった。
それからひと筋の切れ目がかかとをはしるのに、そう時間はかからなかった…。

以来、常に切らさないように買い続けているし、セールの時には買いだめるようにしてる。
買い続けてる間に「メンソレータムやわらか素肌クリーム」が「メンソレータムやわらか素肌クリームU」に変わったり、「ゴチゴチのかかとなどの治療薬」のコピーがパッケージから消え、デザインもなんだかシンプルになっていった。その度に「ゴチゴチかかとクリーム(勝手な呼び名)」が見つからず慌てることに…。

とりあえず自分の肌質に会った商品に出会うことと、めんどくさい習慣をつけることによって、毎年冬に感じてたささいなストレスから解放されたのだった。

#買ったわけ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?