バラ色の日曜日

私はもう書かない。いや、もう書くことができない。ピアフの『バラ色の人生』をよく聴いていた、あの頃の記憶。
挽きたてのコーヒーの香りがして、僕の目は覚める。彼女はコーヒーを淹れる。その暖色の風景に僕はキスを一つする。
あれはピンクのバラなのか、それとも赤のバラか。
今は白のバラ。白いバラは手入れが大変らしいが、僕にとっては暖色のバラの方が手がかかった。
手が動くのはいつもここまでで、これ以上は筆が進まない。
そんなことを繰り返す日曜日。カレンダーにだけではなくて、僕の人生にもバラ色をつけていた日曜日。

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