馬房掃除について

馬房掃除の辛い季節になってきましたね(笑)

オガ粉(あるいは寝藁)とボロにまみれながら今日もどこかで馬房掃除していらっしゃる方、お疲れ様でございます。

話は変わりますが、私は馬房掃除について特別な思い入れがあります。

おこがましくも海外の牧場に研修(修行?)に行った時のお話です。

牧場には学生や子供もいましたが、私が一番下っ端なので最初は雑用を言いつけられます。それ自体は承知していたので無難にこなし、ステーブルマスターに「厩舎のボロ取りでもやりましょうか?」と、いつものノリで言いました。するとステーブルマスターは、

「君のような新入りに馬房掃除をさせるわけにはいかない」

と言ったんです。私は最初何のことかわからず、見くびられたものと思ってカチンと来てしまったんですが、後々彼に話を聞くと、

「馬房掃除というのは馬に愛情が無ければできない、君が馬に愛情を持っていないとは言わないが、もう少しここの馬たちを知って、その後にでもお願いしたい」

とのことでした。

それまでの私の「馬房掃除」に対する考えは、いわゆる「3K」で、雑用中の雑用みたいな概念でしたが、ステーブルマスターの馬に対する愛情とリスペクトに触れ、馬房掃除という作業はとても尊い作業だということを改めて思うのでした。一週間後に2つの馬房掃除を任されましたが、私があまりにも真剣なので、ステーブルマスターに、

「歌でも歌いながらやったらどう?」

と言われて、思わず吹き出してしまったのを覚えています。責任が重く、尊い作業だからこそ楽しめという彼の言葉のおかげで、楽しいファームステイを送ることが出来ました。

今でもたまに馬房掃除をすることがあるのですが、あの頃を思い出しながら鼻歌交じりに楽しくやるようにしています。たとえ暑くても、寒くても、ね。

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