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「重病み」ってなあに?

ホクショウマサルが連勝継続のまま「ばんえい記念」に挑戦し、3着に善戦してから数か月。

しばらく勝てないレースが続いていましたが、先日半年ぶりの勝利をおさめ、ばんえいファンのみならず、一般のネットニュースにも取り上げられるようになりました。

一流のばんえい競走馬が半年も勝てなかったので、スランプかと言われましたが、ばんえいファンの間では盛んに「重病み(おもやみ)」という言葉が使われていました。

ではこの「重病み」って、どういう「病気(?)」なのでしょう?

ネット界隈では、1トンという重量を背負って競走する「ばんえい記念」で、その「後遺症(?)」でソリが曳けなくなってしまうという意味合いで使われているようです。

ですが、他の資料を見ると、「重い荷物を曳いてしまった結果、高重量戦に勝てなくなる」という風なことが書いてあったりします。

以前私が聞いた話では、イエヤスという馬が若くしてばんえい記念に勝ち、その後全く勝てなくなってしまったのを「重病み」と呼んだり、あるいはかつての名馬ホワイトキャップや、大種雄馬としても名を馳せたウンカイのように、700kg級のレースは勝てるのに800kgを超えるような高重量戦ではさっぱりというケースも「あれは重病みだから」と言われたこともあります。

この場合、前者イエヤスの場合は他スポーツで例えるなら「イップス」や「バーンアウト」と呼ばれたかもしれませんし、後者2頭の場合は、サラブレッド競馬でいう「カンカン泣き」と呼ばれたかもしれません。

ばんえい記念後、長いトンネルが続いた馬として有名なのがトモエパワーという馬ですが、彼の場合は特殊で、ばんえい記念以外のレースは全然勝てないのに、ばんえい記念になると勝つという特殊な馬でしたね。

で、結局「重病み」って何なのよ?

ホクショウマサルのおかげで、一般にもばんえい競馬が知れ渡る現在、ここは専門用語としてしっかり定義づけたほうが良いと思いますが、広義として上に挙げた事柄全てが「重病み」でも良いのではという気がしてきました。

最後に、以前私が元ばんえい騎手に聞いた興味深いエピソードを書きたいと思います。

「馬によっちゃあ、いったん重い荷物を曳いて苦労すると、次に、それと同じかそれより重い荷物を曳こうとして、グッと力を入れて、肩に乗っかるものが『これは無理』と感じる馬がたまにいるんだ。そういう馬はもう重いのは曳けないな。頭いいんだよ、そういう馬は。だからさあ、フクイチとか、ショウリキとか、ペガサスなんてのは、あれはバカだな(笑)」

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