続、モテる奴を見る

金曜日、朝早めに学校に行くと、同じクラスの友達に遭遇した。彼女とは去年もクラスが一緒で、なんでも話せる仲だ。なので、昨日の出来事を話した。あの2人、なんだか見ていると変な気持ちになるんだよね。と。

彼女は笑っていた。気持ちはわかると言いながらも、特にそれを気にしていないようだった。

金曜の4、5限は教職の授業がある。その友達も同じ授業を取っており、4限が終わった後に彼女と一緒に教室を出て、飲み物を買いに行った。

その建物の1階には、ロビーがあり、いくつかの椅子と机が置いてある。

聞いたことのある声がした。彼らが「いた」のである。楽しそうに喋っていた。

うわあ、と思った。見てしまったと思った。怖いと思った。そして、普通の関係ではないと思ってしまった。

手が震えた。自分は何もしていないのに、罪悪感が襲ってきた。

彼らに背中を向けて、飲み物を選ぶ。こちらを見ていたかはわからないが、なんだか視線を感じた。それもそのはず、今日は真っ赤なGEZANのTシャツを着ていた。しかも、背中には大きくNO WARの文字がプリントされている。ああ、やってしまった。

教室に戻るには、また同じ道を通らないといけない。ちらり、と彼らのほうを見ると、2人で会話を楽しんでいるようだった。体がうまくいうことを聞かず、糸のついた操り人形になったようだった。居心地が悪い。

教室に戻ってきて、友達にすぐに言った。ねえ、やっぱあの2人嫌かも。友達は納得いかなさそうな顔をしていたが、誰にでも合わない人っているからねえ、と言った。

そういうことじゃないと思うんだけどね。でもこの関係自体に嫌悪があることだけは確かだ。

恋人を作るためにはやはり強かでないといけないのだろうか。

強くあることと強かであることは根本的に異なる。

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