そんな日があってもいいじゃない。


『心臓が痛い』。

2021年はそんな悩みを抱えるところから始まった。
年末年始の帰省から緊急事態宣言の発令を受け、1月は東京に戻るのをやめた。

お金もなかったし、実家で自粛しながらリモートでできる仕事をしたり、
地元のバイト先でヘルプ的に働いたりして、なんだかんだバタバタと過ごした。

実家で過ごしていると、いつもと違う情報や違う角度からの意見に触れる機会が多くなり、暇じゃないくせにどうしようもない考え事も増える。

相変わらず、夜中まで色々思考に耽った結果、24時間365日フル稼働の脳みそは悲鳴をあげて、酷い頭痛にエネルギーを奪われた挙句、ついには体にガタがきた。

テレビから流れ出る世間の声や、Twitterに溢れかえる情報。
様々なことに感情が揺さぶられて思考が止まらない。
気がつけば、何かを考えるたびに動悸が乱れ、胸のあたりがズキズキと痛む日々が続いていました。

「今東京に戻ったら、波の様に押し寄せる情報に押しつぶされてしまうんだろうな...」
そんな不安を抱えながらも、一瞬でも心安らげる場所に行こうと
パートナーのいる東京に戻ることを決めたのは2月の頭ごろ。

とはいえ、今の精神状態では多分、東京では暮らせない。
そんな気がしたので、東京に戻ってきた先週末。
「パーフェクト休日」とやらを試してみることにしました。


「パーフェクト休日」というのは、その名の通り「完全なる休日」
フリーランス仲間から教えてもらった「パーフェクト休日」の過ごし方は簡単で難しい。“仕事をしない”そんな1日。

”仕事”といえばタイミングを見れば減らすことは簡単なのだけれど、
もっと大きなくくりで言うと“意識的に”、“活動をしない”日を作ってみたのです。


-土曜日-
朝はそこそこの時間に起きて、東京行きの荷造りを始めた。
段ボール三つに、リュックが一つ、キャリーケース一台と、大きめの手提げが一つ。多分私は、当分ミニマリストにはなれない。

もちろん仕事はしないと決めていたから、Slackは通知だけ見て返信はしない。
気がついたら、外はほんのりピンク色に変わり始めていて、
もう見飽きた「今日のコロナウイルス陽性者数」を横目に家を出た。

久々の電車に揺られて1時間半。
浅草橋駅からいつもの道を歩いてLittte Japanに到着。
その日ゲストで来ていた人と、浅草橋で美味しいと話題のトンカツを食べに行って、なんでもない会話で盛り上がったあと、パートナーと久々の外泊。
会えなかった一ヶ月分の話をして、1日が終わっていきました。


-日曜日-
こんなに目覚めがいいのは何日ぶりだろう、と思うほど心地よく目が覚めた朝6時。
チェックアウトまで心ゆくまでグダグダして、定食屋さんでお昼ご飯を食べた。
物作りの街浅草橋のパーツ屋さんでアクセサリーパーツを買って、Little Japanでピアスを作った。

久々に顔を合わせるメンバーとくだらない話をしたり、Cafe&Barスペースのお花を生けたりして、この日の夜は両国にあるゲストハウス「Theater zzz」で宿泊。パートナーと共に映画を見て柔らかく眠りについた。


月曜の朝、Little Japanに戻る帰路の途中で、ふっと思ったことがある。
『あ、心臓が痛くない。』


振り返ればただやんわりと過ごしたパーフェクト休日中、何か思考に耽ることがほとんどなかった。
ただ大好きな人のそばで、ふっと思い立ったことだけをする。

そのおかげで生まれた心の余白が、私の中で処理しきれなくなった様々な情報や想いをストン、ストン、と片付けてくれたような気がした。


あぁ、どうしてこんなにも私はいつも自分に優しく生きてあげられないのだろう。そんな感傷に浸るのは時間がもったいないね。
今は“ちゃんと”休む時間を自分に与えてあげた自分を褒めてあげよう。

“仕事をしない”二日間。
そんな日があってもいいじゃない。二度目の東京生活の走りだしはまぁまぁ好調。

また少し、新しい日々を始めようか。



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