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そんなにウルトラマンが好きだったのか、庵野秀明 ※ネタバレなし

おっす面倒臭いオタク共。
今日は深夜2時のバチバチにキマったテンションの中でシン・ウルトラマンを見るという荒行をやったので感想を書いて行くよ。
支離滅裂な事を書くから読まなくていいよ。

【あらすじ】

1960年5月22日、山口県宇部市に生を受けた庵野は幼少期から巨大建築やコンビナート等の構造郡に一際強い興味を示す。
時が経ち大阪芸術大学映像計画学科に進学した庵野秀明はSF研究会に所属。
そこで自主制作映画グループ『DAICON FILM』を結成。
1983年に開催された『DAICON4』に向け自主制作映画「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」をプロモーションとして作成した。


【感想】

『シン・ゴジラ』を見に来るな


キャッチコピーは「空想と浪漫。そして、友情。」。
これは客層を広く取ろうとスポンサーが頑張った結果と言える。勿論映画であれば客層を絞るような真似をしないのは当然であるが本作においては完全な"罠"でしかない。
舞台挨拶やプロモの雰囲気から「シン・ゴジラみたいな映画だ!!」と考えている人はここで撤退し、『巨神兵東京に現る』を見た方が良いだろう。

本作のテーマは圧倒的に「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」に集約される。
このキャッチは言わば「これでピンと来ない奴はこちらに来ては行けない。」という警句、地獄門に刻まれた碑文もしくは犬鳴村の看板である。

シン・ゴジラがゴジラ映画ではなく怪獣映画だったのに対して、シン・ウルトラマンはウルトラマン映画である。
虚構VS現実ではなく、
虚構VS空想なのだ。
そもそも庵野秀明はウルトラマン狂人おじさんである。エヴァのモチーフは光の巨人だし、自主制作映画で帰ってきたウルトラ庵になったりするし。
そんな発狂オタクおじさんに天下の円谷が「なあウルトラマン作らん?」なんて言ったらそりゃあ好き放題するに決まっている。ていうかしてた。
言うなれば今作は「(庵野秀明の)空想と浪漫。そして、(庵野秀明とウルトラマンの)友情」の映画と言えるだろう。
劇場にシン・ゴジラを見に来たお前、ここにはおめェの欲しいモンはねえぜ。


『シン・ウルトラマン』を見ろ

Q.じゃあなんすか、シン・ウルトラマンは面白くないンすか?
A.そないな事はあらへんよ。

Twitterを見れば「シン・ウルトラマンを見るのにウルトラマンは見なくていい」と言う意見が散見されるが、これは半分くらい本当である。
シン・ウルトラマンは設定等は原作ウルトラマンに概ね準拠するが、それらは作品の中で完結するように出来ている。
「原作を知っていればもっと楽しいよ!!」というDisney体制でのMARVEL映画と似たような感じのアレだ。

そもそもこの映画、ストーリーライン的なものはほぼ無いと言っていい。
いつもの庵野秀明らしく難解な単語が飛び交い、めんどくさい人間の社会性が描写されるがシンゴジ鑑賞者であれば聞き流して頭の隅に放っぽっておくことは容易だ。

シン・ウルトラマンで最も重要な要素は"画"だ。
この映画とにかく画がめちゃくちゃに良い。
破壊されていく日常。
ビル群に浮かぶ巨影。
空に浮かぶ異常物体。
そういう「これエヴァの好きなやつ!!」的要素がふんだんに詰め込まれたオタクのお子様ランチみたいな映画なのだ。

あの頃アニメの作画とか演出について教室の隅で集まって語っていたオタクのコンタクトレンズを黒縁メガネにぶち戻すようなpower。
そびえ立ったtower。
この映画にはそれがある。

オタクじゃない奴については正直知った事では無い。そもそも非オタはnoteなんていう長文キショ感想は読んだりしないのよ、バカ。好き。


今は、全てに恐れるな

結論シン・ウルトラマンを見るべきか否かで言えば絶対に見るべきだと、俺は強く言いたい。
例え1から100まで理解出来なかったり、全く惹かれなかったりしても良い。
劇場を出て「つまんなかったなー」なんて思っても一向に構わない。
この映像はこの映画でしか見れないから。他に無いし、誰にも真似出来ないという事はそれだけで見るに値すると思う。

巨大で荒唐無稽、非現実的な映像がポンポン飛び出てくる。こんなんアトラクションですやん。

加えて言うならこの映画には『ウルトラマン』とか『特撮』とか、そういう要素を貫通して脳を直接殴り付けてくる熱量がある。
庵野秀明がやりたい放題やった妥協なきシーンは画に説得力を生み、理屈でなく感覚で俺たちを殴って分からせてくる。理解させてくる彼くんである。
アニメや特撮なんていう下らない空想に真剣に向き合っちゃった事があるオタクならこのパンチはボディーブロー並によく効くだろう。

シン・ウルトラマンの鑑賞を検討しているオタクは安心して、そして是非IMAXのデカい画面と3D音響システムで堪能してきて欲しい。
君が望むならそれは強く応えてくれるのだ。

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