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引っ越し 〜初めてのひとり暮らし〜

ひとり暮らしを始めたのは、社会人になってしばらくしてからだった。

引っ越しの経緯

職場は親と一緒に暮らしていた家から通えるので、すぐにひとり暮らしを始める必要はなかった。

新しく始まった社会人生活に慣れるのに一生懸命だった、かは覚えていないのだけど、ひとりで暮らすことについて、特に考えたことはなかった。

それが、親がそのうち故郷に帰りたいと思っている話を聞いて変わった。

父と母は同郷ではないのだけど、母の実家にかえるという。

両親(私の祖父母)が高齢で、介護もあったり、母の実家はかなり田舎なのだけど、私の父はそんな田舎で老後を過ごすことも考え、元気なうちに田舎での暮らしで教わりたいこともあるといって、自らの定年をまたず、子供達が独り立ちしたら、と思っていたらしい。

親のライフプランなんて聞いたことなかったので、ちょっと驚いたけど、特別違和感もなく、そうなんだ、と思った。

そして私は、ひとり暮らしを始めなければいけないんだと思ったら、親が引っ越すタイミングを待つのではなく、なんだか早く始めた方がいい気がしてきた。

なにか困ったことや相談したいことがあるときに、近くに頼れる人がいるといないとでは、安心感が違うし、何より私はせっかちだった。

部屋探し

住みたい場所は、色々考えたものの、今住んでいるのと同じ地域にした。

仕事にいくにも不便はないし、歩いて行ける距離に親がいるのは安心だ。

初めてなので、とりあえず最寄り駅にある、仲介業者にドキドキしながら訪れる。

地元密着がいい!とか大手がいい!とか特にこだわりがあったわけでないので、何件かまわったのだと思うけど、ある大手の仲介業者の店舗に行った時のこと。

部屋探しをしている旨伝え、担当の人がくるのを待っていると、しばらくしてやってきた担当者をみて私は驚いた。

相手は、最初はいつものように、名刺を取り出して挨拶しようとしていたのだが、顔をみて気がついたようだ。

そこにいたのは、同じ高校の隣のクラスにいた人だった。
別に特に親しかったわけではない、友達と呼ぶほどではないけれど、お互いが顔と名前を知っている存在。

あ!

みたいな。

悪い人、という印象はなかったので、なんとかんく高校が同じだっただけなんだけど、懐かしい気持ちになり、初めての部屋探しの緊張が少しほぐれた。

いくつか部屋を紹介してもらって、色々みたのだけど、結局「ここが一番おすすめ」という部屋に決めた。

家具選び

初めてのひとり暮らしだったので、色々ものを揃える必要があった。

社会人になったばかりということで、お金もそんなにもってないし、インテリアにそれほどこだわりがあったわけでもないので、方針としては

「とにかくあるもので」
「必要最低限の安いもの」

そんな感じだった。小さい冷蔵庫と電磁調理器がついていたので、家電は洗濯機と掃除機、炊飯器に電子レンジぐらい?

家具は両親と住んでいた家から、自分が使っていた衣装ケースとパソコンラックを持っていき、ベッドとこたつとスチールラックを買ったかな。

一人暮らしを始めるというと、職場の人たちがお祝いにってポットをくれたり、キッチン雑貨をくれたり。

壊れるまで捨てられない、そんな性格なので、その頃そろえたものが、結婚した今でもあったりして、もっと安いからなんていう理由じゃなく、吟味すればよかったなーなんて思ったりする。

その後の生活

引っ越ししても、ちょっと遠い一人部屋が与えられたような感覚だった。もちろんご飯を作ったり、洗濯したり、みたいな家事は増えるわけだけど、そのあたりはあまり印象として残っていない。

週末になるとご飯を食べに帰ったり、そのうち兄が同じ様に家をでたと思ったら、我が家から徒歩圏に住むことになったので、ちょっと寄ってみたり、一緒に夜ご飯食べたりしていた。

そういえば、兄の家ではインターネットができて、時々パソコンを借りてたら、お兄ちゃんの友達からメッセンジャーでメッセージがきて、兄の代わりに返信したり(兄の了承を得て)、そのうち自分のアカウントでもやりとりするようになった、なんていうことがあったのを思い出した。

私が、「顔も知らない相手」(兄の友達という素性はしっているけれど)とやりとりするハードルを下げた要因の1つだったかも、なんて思う。

まとめ

初めてのひとり暮らしだったこともあり、子供の頃に比べたら、流石に思い出は多かった。
あの時買った炊飯器、あの時家から持ってきた衣装ケース。未だに使ってるけど何年ものだろうなんて思い出してみたり。

あとは、引っ越しにまつわる大変だったな、とか、寂しかったことって特に思い出せないな、って思っていたけど、この記事を書いているうちにもしかして、と気づいた。

家族みたいに、家に帰ったらとりあえず誰かいる、おはようとかおやすみとかの他愛もない会話だけど話す相手がいる、という状況がなくなったことで、近所にいる兄のところに行ってみたり、顔の見えない相手と会話するようになったり、どこかで繋がりを求めていたのかもしれない。

次回は、初めて県外に引っ越した話について書きたいと思います。

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