呟怖〜リツート〜
#呟怖
#リツイート
なんでもかんでも中身を見ずにフォロワー増やし目的の為にリツイートをするととんでもない目に遭いますよという訓話である。
サラリーマンのA氏は中間管理職で
機械関係は壊滅的に駄目な人。
仕事自体はバリバリできるのだが
機械に関しては
からっきし駄目である。
覚えようと思っても中々覚えられない。
そこで部下がSNSでも始めたら
嫌でも色々覚えますよとアドバイスをくれた。
最初はSNSが何かすら知らなかったが
見様見真似で初めて見ると之が中々面白い。
普段の生活では出会う事のない様々な人達と
ネット内で会話する楽しみをA氏は覚えてた。
好きこそ物の何とやら程なくして
様子を見に来た部下は手足のように
ネットサーフィンを楽しむ上司の姿に迚驚いた。
其が余計に気持ちよかったのか
益々A氏はネットに嵌まっていった。
その頃になるとリツート機能も使えるようになり
兎に角Followerを増やしたい一心でリツートしまくっていた。
或る時、家で一人でネットサーフィンを楽しんでいると玄関のベルが鳴るのに気づいたA氏は妻を呼んだが生憎出かけているらしく折角ネットサーフィンを楽しんでいるのにと思いながら玄関先へ足を向けた。
どなた様?と尋ねても返事は無い。
聞こえないのかと玄関のドアを開けると其処には
黒装束で大釜を持った髑髏顔の男が立っていた。
正に死神その物と言った出で立ちだが何かの
イベント衣装位にしかA氏は捉えていなかった。
何か御用?と問い掛けるA氏に死神は告げた。
死出の旅へのご招待ツイートにA氏はリツート
してしまったらしく迎えに来たのだと言う。
A氏は蠅を追い払うかの様な素振りを見せて、
今忙しいから帰ってくれとそのまま扉を締めた。
やれやれと首を竦めながらA氏は自室へ戻ろうとした矢先突如後ろから大鎌で切りつけられた。
その瞬間A氏の前の景色は一変し見た事もない、何とも形容し難いおどろおどろしい景色へ変貌。
振り向けば先程の死神が立っているではないか、
貴様何をした!さっさと元に戻せとA氏は迫るが
死神は不敵な笑みを浮かべその場から姿を消した。
その頃、現実世界では買い物から帰った妻が玄関先で倒れている夫を見つけ救急車を呼び病院へ急行するも既に心肺停止状態で手の施しようも無く
処置の甲斐虚しく夫はあの世へ旅立っていった。
まさかあのたった一つのリツートがA氏の運命を大きく変えようとA氏自身思っていなかったろう
その後二度とA氏はこの世に戻る事は無かった。
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