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『口伝の呪い』

『口伝の呪い』

昭和初期或る事件が
大きく取り上げられた。

或る高名な女性占い師が
会社社長を殺害しようとしたが
未遂に終わりビルから身を投げて自害。

犯行理由は亡くなった母親から
実父を殺せと幼少期から吹き込まれ
洗脳されていたからだという。

実父は自分達親子を捨てた憎い男と
ずっと言い続けら娘は其を信じた。

だが実際は全く異なっていた。

母と称した女は男の元愛人であり
女占い師とは全くの血縁にない。

其どころか女はこの男の家庭から
娘を誘拐しその娘を我が娘として
育て占い師に仕立てて自分を捨てた
男の復讐の道具に使っていたのだ。

これが『口伝の呪い』の恐ろしさである。

だがこれはまだ序の口。

江戸時代、或る藩の藩主が狂い死にした。
後継ぎがいなかった為に藩はお取り潰し、
藩民は隣接する藩の藩民となるに至った。

実は之、元藩民による呪殺であった。
幕府に納める年貢米以外に私腹を肥やし
幕府に取り入る為に余分に米を強制搾取
その為に藩民は飢えに苦しみ多くが餓死、
然し藩民の訴えに藩主は耳を傾けず。

一揆を画策するも失敗に終わり多くの民が
死罪となり更に生活は困窮を極めた。

遂に藩民は呪いによる藩主殺害に行き着き
自らの命と引き換えに藩民の長が呪いを掛けた
この事は藩民の口伝により代々受け継がれ、
遂に藩主は狂死するに行ったと言う。

これも口伝による呪いが歳を重ねる事に
凝縮された結果であると言われる。

真偽の程は別にしても人の恨みの念は
決して馬鹿にしては行けないというお話。

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