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『吃音に対する常態行動心理学的要因とその対策について』

私は元吃音患者である。 私には苦手とする言葉があった。 しかもその言葉は名前の中にある。 更にその言葉の数が名前には多い。 故に昔から自己紹介が苦手だった。 教科書の本読みも嫌いであった。 やはり苦手とする言葉が多かった。 何度もどもりその度に笑われた。 喋る事が怖くなった。 私を笑う人間が憎かった。 吃音は私から笑顔を奪った。 それから数年の歳月が過ぎた。 人前で話す機会が少しずつ増えた。 最初は校内弁論大会であった。 小学校高学年から小説を書いていた。 故に文章力には自信があった。 だが人前で原稿を読むのは苦手。 やはり緊張して何度もどもった。 されど高校の友達は優しかった。 誰一人笑う者は居なかった。 それが精神的負担減となった。 ある時校内弁論大会で二位となった。 それまでずっと優勝し続けていた。 一番悔しがったのは母だった。 母は『青年の主張』に原稿を送った。 書類審査を通過し壇上に上がった。 やはり緊張しどもりにどもった。 結果規定時間を大幅に越えていた。 審査員から激励の言葉を頂戴した。 規定時間に入っていれば中国大会。 そう言われた母は更に悔しがった。 それからも人前で話す機会が増えた。 私なりに吃音原因を考察してみた。 ある事実が判明した。 どもる言葉の前の息継ぎが変わった。 それまで順調に息継ぎが出来ていた。 苦手の言葉の前に来ると息継ぎが上手く出来なくなっていた。 焦ると呼吸は乱れそれが吃音を生む。 私は其処に気がついた。 必ず吃音前になると息苦しくなる。 そうなった時、言葉を変えてみた。 すると息苦しさは消え吃音も消えた。 それ以降吃音時の言葉を瞬時に別の言葉に変える訓練に切り替えた。 原稿通りに読まなくてはいけない仕事の人も一部の言い回しは変えている。 それは表情で汲み取る事が出来る。 されど誰もクレームはつけない。 それから言葉を変える精度を上げた。 段々と吃音から遠ざかっていた。 すると苦手の言葉も言えていた。 更に最初から吃音である事を周囲に告げてから話すように心がけた。 大抵周囲は酷い吃音だと想像する。 しかし実際はほんの少しの吃音だけ。 誰も吃音を気にする人は居なかった。 更に苦手な言葉の前に来る時に速度を落として弾みをつけて話す訓練も始めた。 速度を落とす事で呼吸を整えた。 すると吃音しなくなっていた。 確かに吃音には過去のトラウマも大きく関係している。 私も経験者の一人である。 されど呼吸法を変えると吃音も治る。 速度を落としたり言葉を変えたり。 ほんの少しの工夫で吃音は治る。 今の私を吃音だと気づく人はいない。 これからも私は吃音で悩む多くの方々に実体験を通した改善法をアドバイス差し上げたいと願っている。


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