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『大晦日の心理学~大掃除の心理学的意味合い』

普段小まめに掃除をする人でも
やはり年末になると大掃除をする人が
少なくないと思われます。

私のように自室の片付けを
年二回しかしない人間は
勿論の事ですが実は大掃除には
部屋を片付けると言う物理的意味合いより
それによって与えられる心理学的意味合いの方が強いと言うのが年末の大掃除の一番の理由である
事を知る人は案外少ない。

今年は断捨離ブームであちらこちらで断捨離と言うキーワードを耳にしたが日本には古来より断捨離の習慣がある。 それが年末の大掃除である。

脳科学的にも細胞学的にも神経学的にも勿論、心理学的にも断捨離よりも大掃除の方が脳や細胞に与える影響はとても大きい。

断捨離だとまだ先があるのでもしかしたら使うかもと躊躇したり捨てた後もやはり捨てなきゃよかったかなと思う経験を持つ人も少なくないと思われる。

それが年末の大掃除だとその様相が変わる。

兎に角一日か二日で家中のごみを片付け部屋を
きれいにしなくてはいけないので悩む暇がない。

実はこの悩む暇がないというのが断捨離に於いてとても重要である。 年の瀬も迫り今年も残り僅かとなり後がなくなると先で必要となるかもと言う意識は年の真ん中辺りよりもかなり減ります。 それよりも回りの気忙しさに影響され後押しを受けて思いきって捨てる事が出来ます。

又、一年の区切りであり新年を心機一転迎える為に心の中の大掃除をするという意味に於いても年末の大掃除にはとても大きな意味合いがあります。 綺麗になっていく部屋を五感で感じると同時にそれは心の中の塵も無意識に整理整頓しているのです。

耳や目や鼻或いは手で綺麗になっていく情報を得ていく。 綺麗になった部屋でcoffeeでも飲めば舌でも綺麗になっていく情報を得ていく。

これには綺麗に出来た満足感や達成感が中々仕事やプライベートで味わえない達成感を得るきっかけとなりそれが来年へ向けての弾みとなる。

更に部屋の整理は脳の整理でもある。
要らない物と必要な物を区別し、
残す物と捨てる物を分ける作業は脳内で
今の自分に必要な情報と不必要な情報とに
仕分けする作業にも繋がる。

大掃除途中に仕事での悩みや問題に対する解決策やapproachが浮かぶ時があるがそれは物理的整理が精神的整理に繋がっているからである。

そしてこれが私が断捨離を反対する一番の理由でもある。 大掃除は片付ける事がメインであるのに比べて断捨離は捨てる事がメインである。

つまり断捨離を繰り返す程に捨てる事に対する抵抗意識が薄れそれが人間関係にも暗い影を落とす結果に繋がるからである。 要らないから切る、そんなに簡単に人間関係は整理がつく物ではないし整理をつける物ではない。

それをする側ではなくされる側の立場に立てば解る筈である。 然れど断捨離症候群に陥る人の中には人を非人格化する方も居られる。

こうなると既に病理学的現象となる。

一年に一度物理的にも精神的にも整理をする大掃除。

私はこれからもこの日本の良き習慣を無くさないで欲しいと願う。 

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