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『バーンナウトシンドローム(燃え尽き症候群)の新たな潮流』

最近、バーンナウトシンドロームではないか?と思われる人を多く目にする。 丁度時期が時期だけに『五月病』に間違われやすく精神神経内科や精神科も五月病と誤診されるケースも少なくない。 されど精査してみるとこれが意外にもバーンナウトシンドロームであるケースがとても多い。 所がこのバーンナウトシンドローム、最近はその中身も少し変容を遂げているようである。 昔はそれこそ、『働き蜂』と海外から揶揄される程、日本人は勤勉で働く事こそが自分の存在証明であるとする人が圧倒的多数でありそれが高度経済成長期の頃の日本を支えたジャパニーズ ビジネスマンであった。 時流れて、当時のジャパニーズ ビジネスマンも加齢を進め、定年退職を迎える。 すると何十年も見慣れた通勤時の満員電車の車窓から流れる風景も、満員電車の混雑時の圧迫感も、人いきれで臭くて堪らなかった体臭も何度も踏まれた足の痛さも夏の暑さで額から流れ落ちる汗すら拭えない混雑の中で味わった汗の味も感じなくなる。 それらは苦痛からの解放感だけでなく一瞬の寂寥感も同時に連れてくる。 何十年も連れ添った相棒と別れるような何とも言えない侘しさを連れてくる。 すると脳は誤動作を起こし、それがバーンナウトシンドロームを引き起こす。 対策としては通勤時と同じ時間に目を覚まし同じ時間に通勤ルートを通り、同じ時間に帰宅する。 その間隔を少しずつずらしていき脳に退職した事実を認めさせるしかない。 いきなり生活が変わり生活のリズムが変わると人の脳はそれを異常な事だと認識して元に戻そうとする働きがある。 これがバーンナウトシンドロームの正体である。 更に最近ではこのバーンナウトシンドロームに新たな潮流が現れた。 例えば溺愛していた子供が巣立ち家を出て就職し、県外へ旅だった場合、例えば手塩に掛けて大事に育ててきた箱入り娘が嫁いで家からいなくなった場合。 こういう場合にもバーンナウトシンドロームに陥りやすくなる。 更にはバーンナウトシンドロームに至る経緯だけでなくその症状も無気力だけではなくなってきている。 例えば母親であった自分が、或いは父親であった自分にidentityを得ていた人達は彼ら彼女らの存在が目の前から消えてしまう事によって自らの存在意義すら消失させ自らの存在を自らか認められなくなり自分の存在を消してしまいたくなる。 最悪の場合自傷行為に走ったり、更に危険度を増すとそんな社会に恨みを覚え無差別に人を殺傷するに至るようになる。 こうなると既に社会的病理現象と言わざるを得ない。 これを回避させるにはやはり子供が居た時と同じ時間に目を覚ましなるべく同じ行動を取る、その際子供と接する時間を子供と同世代の子供達と接する時間に割り振ると脳の誤動作を生みにくくなる。 どんな精神が強い人でもこれは避けられない現実である。 その現実から目を背けず目を向けて克服する努力をする事が大事である。 我々はこういう方々のmentalcareに全力を注ぎ多くの方々を社会復帰させてきた。 これからも我々は多くの方々に尽力できる存在で有りたいと願う。 今日も元気に頑張りましょう。

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