痴漢撃退

#痴漢撃退
満員電車内を車椅子で移動する男A
吊革に摑まっていた男Bの足を踏む。
男Bは悲鳴を上げ罵声を浴びせる。
車椅子の男Aは微動だにせず応える。
『わりぃ痴漢の邪魔しちまったな』と。
途端に青ざめ何を証拠にといきり立つ男B。
車椅子の男Aは微動だにせず其に応じる。
『君の左手についた彼女の衣服の繊維片、
その泳いだ目、そして君に怯え私に助けを乞う彼女自身の目、他にも色々あるが何を出そうかな？』
途端、男Bは車外へ逃げ出そうとするも、
車椅子の男Aに腕をねじ伏せられ、
動きを封じられる。
次の駅で男の身柄を鉄警に預け車椅子の男A
はその場を後にする。
痴漢犯罪者に一言、鉄警が呟く。
『 あの先生に見つかったのが運の尽きと思って諦める事だな、彼に凡百嘘は通じない。
常態行動心理学者瀬木良介、あの人の名前は覚えておいた方が良い、そして二度と過ちは犯さぬ事だな、あの先生を本気で怒らせたらお前の命は即座に消える、それを忘れぬ事だ』と。