呟怖〜自称霊能者

#呟怖
#自称霊能者

或る自称霊能者が居た。

自分は霊が見える、霊と会話できると豪語し、
友達にも吹聴してたが実際は何も見えず聞こえず
と言う事を誰もが知っていて失笑されていた。

友人の一人がからかってやろうと自称霊能者を
或る有名な心霊スポットへ誘い出そうとした。

友達と心霊スポットへ行くのだがガイド役として
ついてきてほしいと頼まれ自称霊能者は快諾した

当日少し遅れて自称霊能者は到着したが既に其処には数名の人が立っていて恐らく彼らだろうと確認する事もなく行きましょうかと廃墟へ入って行った。

見えも聞こえもしない霊について頼まれとしないのにべらべらと一人喋りながら廃墟内を周りながら自慢話をしていたが余りにも周りが無反応すぎすっかり興が覚めてしまった自称霊能者は用事を思い出したとさっさとその場を後にしたという。

後日彼に廃墟ツアーを頼んだ友人から詫びの連絡がありてっきりあの無反応な態度を詫びに来たのだろうと思っていた自称霊能者は友人からの意外な言葉にその場に立ち尽くし真っ青になり震えが止まらなかったそうである。

友人の話によると当日予定していたメンバー全員が急に都合が付かなくなり行けなくなってしまい
直ぐに連絡を入れたが生憎廃墟周辺は電波圏外で連絡出来なかったという事であった。

では一体あの時一緒に回ったメンバー全員は
一体誰だったというのだろうか？

そういえば…全員無口で少し体が透けていた事に自称霊能者は気づいたという事であった。