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コンパの想い出2

あれはいつの頃だったか。
もうかれこれ15〜6年も前の事だろうか。

僕とアホマイルドのくにちゃんと指圧野郎とバッファロー吾郎A先生の4人でコンパに行く事になったんだ。

僕は芸人生活のほぼ全てをなんの理由もなくただただ丸坊主にしております。
そしてアホマイルドのくにちゃんはハゲです。ハゲが高じてスキンヘッドにしています。
指圧野郎はスポーツ刈りに限りなく近い角刈り(もう坊主の方がよくないか?)です。
A先生はその当時は坊主頭にしており杉作J太郎さんそっくりでした。

そう我々は4人それぞれ微妙に髪の長さの違う坊主頭なのでした。
そしてそのコンパはA先生率いる"爆笑丸坊主軍団"の親睦会を兼ねていたのでした。

仕事の都合上、4人一気に集まることが出来ず、集合場所には僕とくにちゃんの2人で行ったんだ。

冬の寒い日でね、僕はキャップ被ってパーカーのフードを被ってて、くにちゃんはニット帽を被っていたっけ。

女の子たち4人と合流して飲み屋に入って、全員揃う前に乾杯しちゃおうかって頃には僕たちの頭はもう出ていた。
9ミリ坊主と0ミリ坊主。

なんかオレら、お寺から抜け出してきてる人たちみたいだよねー

…あはは

あら?あんまり反応よくないな、もっくん主演の「ファンシィダンス」でもこう言う場面あった気がするけどなんかもっとキャッキャッなってた気がしたんだけどなー
その時、個室の襖がスーっと開いた。

遅くなってすいません!

指圧野郎だった。
指圧野郎は東京ヴェルディのベンチコートの下にライブスタンドのTシャツ一枚羽織っていた。真冬なのに頭にはなにも被らない。寒さで耳は赤くなっていたが顔は脂でテッカテカだ。黒光りしている。

明らかに女子たちから緊張感が滲み出た。

なんだろうか?
檀家さんにだいぶキツくあたりそうなお坊さんと思われたのか?
それとも柔道の団体戦の潰し屋が登場したと思われたのか?
それにしても指圧、コンパなのに物凄い殺気をまとっている。

そうだ!こう言う時は食だ!美味しいもん注文しよう!そういえば指圧野郎はグルメ野郎でもあったんだ!

実はさ、この指圧野郎、凄いグルメでさ、指圧の美味いって言うもんは間違いないんだよ!
指圧、お前のセンスで美味しいもん注文しちゃってよ!

いや、俺ここ来る前に気合い入れて飯食ってきたんす。

そ、そうなの?何食ったの?

精つけようと思いまして、うなぎっす。
肝吸いも啜ってきました!

あ、そう…あはは。

シーン…

僕達は3人横にならんで座った。
怖かったろうな。
3ハゲで名前が「ハブ」「くに」「指圧野郎」だもんな。

しばらくするとA先生が到着した。
もちろんそこから挽回などと言うことはなく4人で大撃沈だった。

敗因を語ればキリがない。
最初っから4人揃っていたとしたら?4人一気にハゲてたらウケてたんじゃないか?うーん、厳しいか。

女子が全員帰ったあと4人で少し反省会をした。
そこでA先生が「コンパにはジャケット着て来なあかんねん」と言っていた事と、コンパの前にうなぎの肝啜ったら肌が黒光るという事を学んだ。

大人の階段を一段上がった気がした。

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