日記hibi__2019_2_18_2_24

日記hibi/ 2019/2/18〜2/24

2019年2月18日(月)
 朝起きるととてつもなく眠く、眠く、眠い。うとうとしたまま、相方が近くの病院に検診にいくということで送り出し、ぼくも同じ駅近くの整体に行きたいので、終わったらお茶かごはんでも食べましょうと約束して、それからは整体よりも相方の病院の方が断然時間がかかるだろう、と時間を合わせるために家で作業をしていると一時間もしないうちに、なんか思いの外すぐ終わった、という連絡をもらいそれで急いで家を出た。

 営業時間中に店で最終チェックをして、棚卸のデータがほぼ確定したので、その金額をfreeeに登録して、確定申告のデータを仮で出してみたところなんだか想定以上に収益が伸びていて、そんなことはない、なぜならぼくの預金が増えていないからで、切ないのだけれどそういうことで、無駄に納税するわけにもいかない、なぜならぼくの預金がぜんぜんないから、と原因を調べて調べて調べている。仕入れに対して売上が高すぎる気がすると思って検証するも個別の入力は正しいようで、では仕入れが少ないはずだと調べるとそれも正しいようで、では在庫かと思うと、それも正しいようだった。本当に正しいのだろうか。では利益であったはずの現金はどこに消えたのだろうか。それでうんうん頭をひねっていると、ふと、これ、去年の棚卸しデータが間違っているんじゃない? というような気がしてきて恐ろしい。去年、無駄にマイナスを計上してしまい、その分のしわ寄せが利益として今年にやってきているということだろうか。それでしかし、これ、え、どうしようか。つまり去年こんなにマイナスを計上する必要がなかったということであり、去年のぼくなんでこんなことしたんだっけ、忙しかったからなんか適当に、しっかり確認せずにやったんだよな、うーん。と、去年確定させたデータを前に、うんうん唸っているがどうしようもない。どうしようもないなりに、売掛金と買掛金にまだ少しづつ未計上のものもあるから、その辺でなんとかうまいことできないだろうか、と。うまいことしていきたい、いかねば、と。こんなに、ほんと、時給もなく経費と家賃がギリギリでほとんど利益もでていないようなしごとで、会計上の、計上時期の差、みたいな、ぼくの利益と関係ないような部分で税金を払っていられないというか、キャッシュフローは断然マイナスっぽい事業で税金何万円も払うとか、税金とか、死ぬ、まじで預金ないww となってそうするともう夜が更けていたのが昨日の夜で、だからずっと眠いし、気が重い。
 病院が予想外に早く終わりすぎてしまったため、昼というよりかはまだ朝で、ぼちぼち店が開き始めた、というところだったため、ひとまず喫茶店に入って、モーニングなど久しぶりに頼みつつ話をして、ふむふむうなずいたり学んだりしたのち、相方はしごとに、ぼくは整体、のちしごとに、ということで別れ、整体にいかないとこの寝不足の体は死んでしまう、と思ってむかったもののとても混んでおり、それで諦めて電車に乗って事務所に向かう。首がもげそうに痛い。

 リボーグさんは今日もいらっしゃり、いつものように大量のPCとスーツ姿の方が付き添っていた。たまたま、明らかに関係者ではない、という、ジャンパーを着たふつうのおじさんがスーツの方に話しかけていたためリボーグさんのことを知るチャンス、と近づくと、スーツの方の左腕には「ロボット実証実験中」という腕章がついていた。なるほど、実証実験。ということは、リボーグさんは一時的な勤務、ということなのであろうか。臨時雇用なのか。

 働いて働いて働いていると21時ごろになったので出る。

 リボーグさんはまたいなくなっており、実証実験といことならそうなのかもしれないのだが、それなりに大きな彼女、彼女でいいのだろうか、声の高い男性という可能性はないのだろうか、というかロボットに男性・女性という分類を当てはめること自体が、ロボット的には失礼と感じられるのではないだろうか、「その、わたしたちはユニセックスなので、そういう旧来の価値観でものを見るのやめていただけますか?」というような。それで、そう、そのいま「ユニセックス」とタイピングしたら「男女兼用」と変換されて、Google日本語入力すごいなというか、ユニセックスはユニセックスと変換してくれよと思いつつ、新発見。そのリボーグさんは、毎回地下鉄の駅まで上げたり下げたりするのは大変だろうなぁと思い、彼/彼女/あの方がいつもいる/しかしいまはいない空間に近づいてよく見ると張り紙がしてあり、それはその、ぼくがここ数日気にしていたリボーグさんの情報すべてが載っているもので、なんだかちょっと、全貌がわかってしまってつまらないな、ちょっとわからないくらいが面白いよな、と残念がった。

 遅い時間から晩ごはんをぱくぱくたべすぎておなかいたい。

2019年2月19日(火)
 昨日行きそこねた整体に行くため早めに家をでて、向かう。今日はまだそんなに混んでおらず、いったん待合室にて、そこに「中スポ」があるので、それの見出しを、鈴木博がふむふむ、と。

 と、「ふむふむ」とタイピングしていたら「フムフムヌクヌクアプアア」が候補に出てきて、調べてみたらハワイの魚の名前のようだった。新発見。

 と、見出しを見て中を読もうとしたらすぐ呼ばれ、それで鈴木博のキャンプでの調子はわからずじまいで首を見ていただき、しかしあまり改善せず。どうしたものか、もう見ていただくのに体が慣れてしまったんだろうか。

 事務所に行ってなんだか仕事をしたけれども、なにをしたか覚えていない。疲労。相方は疲れてくると肉を食べたがる習性があり、それで今日は、今日も、疲れており、ぼくも疲れており、焼肉を買ってきたので焼きましょう、というので楽しく焼く。肉は力強い。
 freeeや決算のことは、もう面倒になったのか、なった、なっている、ので他のことをしようと思い、webで通販サイトにえんえんと商品登録をしている。これはこれで終わらない。

2019年2月20日(水)
 起きて、今日はまずブックファーストで『天冥の標』の最終巻を買おうと思っていて、それはずっと楽しみなことだったのだけれど、行ってみて探してみたがどうやら今日が発売日ではなかったようで、無性に残念な気持ちになりながら帰る。完結してしまう。『天冥の標』が。これの最新刊を待たない生活がもうすぐはじまる。

 夜に新刊のイベントのアテンドが、HIBIYAコテージである。あった。終わった。いつも初対面の方に挨拶するのは緊張してしまうし、イベント中どうしていいかわからない。花田さんの包容力というかアテンド力に感心する。すごいことだ。
 思いの外イベントは早く終わり、すこし時間があったので、有楽町のヤマダ電機に、ぼくは暇があると家電量販店になんとなく行ってしまうのだけれど、そこれふらふら上から下まで見て回って、結局シャープペンシルだけを買って帰る。コクヨのやつでいつも納品書への一言コメント、お礼書きに使っているもので、先日それが壊れてしまって、これは大問題だった。家電量販店の文具の品揃えがぼくの行動範囲では一番いいという事実を受け入れざるを得ない。

「給料あがる?」
「頑張りますっていってたw」
というLINEの会話をぼくは電車の中でのぞき見てしまって、意味もなくざわついている。それはきっと給料が上がらないやつだと思う。

 駅前の中華料理屋さんに遅い時間に入って、それで久しぶりにビールを飲むと満ち足りた気持ちにもなり、簡単に、ビールで簡単に満ち足りて、家で再びwebショップの商品登録を行うが引き継き全く終わらない。
「けものフレンズ2」を見て寝る。つまらない。

2019年2月21日(木)
 朝から恵比寿に向かうというなんだかオシャレな感じのする行動を行う。大江戸線で六本木まで出て、日比谷線で恵比寿。道中はipadで「読書日記」。なんかだオシャレだ、見た目だけ。スマレジの導入について説明を伺うことになっていて、約束の時間まで少し間があったので、そのスマレジのオフィスのあるビルの1階がカフェになっていたのでオシャレにコーヒーをのみながらipadをいじっていた。もうスマレジでいいんじゃないか。

 下北沢に移動して、恵比寿で有隣堂に行きそびれてしまって、下北沢だとスーパーの上に入っている三省堂しかなかろうと向かい、『天冥の標』を探す。ない、新刊コーナーにない。そもそも早川の新刊平台がない。うむ、どこに、三省堂に早川はないのか、とぐるぐるする。ちょうど品出しを店員さんがしているようだったので、そこにないかどうか一歩引いたところからじっくりみる。ない。この狭い、といっても50坪くらいだけれど、その50坪のなかでぼくが早川文庫を探すことができないのはけっこうレベル高いのではとぐるぐるぐるぐるしていると店の隅の、メインの新潮社とか講談社の文庫とは通りを挟んだ反対側に早川文庫の棚を見つけた。が、『天冥の標』がない。平台にない。どうしたものか、同時発売の新刊は積まれているので昨日のように発売日を間違えているわけではなさそうだ。しかしない。そんなに配本数が少ないのだろうか、あり得るかもしれない、シリーズ10巻目なのだし、と絶望していると、いやもしかしたら配本が1冊だったのかも、早川ならあり得る、そして1冊配本の本は平台ではなく棚差しするスタイルの本屋なのかもここは、と思いその棚の「お」を見るとそこに無事『天冥の標』はいた。同じシリーズの一つ前の巻も棚にささっており、これがささっているということは毎回この三省堂で買っている固定読者はいないのであろう、と目星をつけて一冊しか配本がない新刊を買う自分の気持ちに整理をつける、というかそんなことがなくても買ったと思うのだけれど、まぁそうやって整理をつけるとぼくはレジに向かい、ほくほくとしながらその新刊を買った。

 『天冥の標』を読みながら移動し、適時しごとをして、『天冥の標』を読みながらふたたび移動する。店に戻って本をピックアップして、いつものように本の入ったトートを担ぎながら清澄白河のリトルトーキョーでタバブックスさんのしごとバーがあったので向かい、本を納品して陳列して、ビールをのんでタバブックスさんのトークを聞いていた。それから帰って取りも直さず『天冥の標』。

2019年2月22日(金)
 ここ数日、相方の調子が悪そうでしかしどうにもすることができない。午前中の打ち合わせは原宿で、時間が中途半端に空いてしまい10分しか無いけれど暇というところで、ドトールにはいってコーヒーを二口飲んだところでトイレに行きたくなってしまい、しかし先客がおり、待っていて、ずっと待っていて、それでやっと入って出てくるともうすでに約束の時間だった。すまないコーヒー。

 勤勉にはたらいてはたらいて、例によってまた告知はぎりぎりの時間になってしまい、出かける直前に『H.A.Bノ冊子』を作ります! という告知をして出。

 それで遊びに行くため表参道で台湾のトークイベントに赴いた。『本の未来を探す旅 台北』の刊行記念イベントで、たのしげ、という気持ちだけで、一応主宰に近い立場の人でもぼくはあるのでなにか手伝いましょうか、と言うだけ言ってみるものの特に必要はなく、ぼんやりと並べられた台湾の本を見て過ごした。ちゃんと面白そうな本でセレクトされているのでどれも装幀が凝っているものが多くて、たのしい、たのしい、とずっと見ていて、ふと、バーコードがあらぬ方向に曲がっているものがあることに気づいた。正寸ではなく上下に湾曲していてこんなことで大丈夫なのだろうか、とすかさずアプリを立ち上げて読み込んでみると通常通り認識する事ができた。読める!というのは感動で、流通上どうしようもないバーコードという素材をデザインに組み込んで全体を調和させているようだった。おーすごいこれはすごい、と興奮してしまって、それから本を全部ひっくり返してはバーコードを見てはもどし、見てはもどし、面白いデザインを収集していった。トーク中にもたくさん見本を会場にまわしてくださったので、それも裏返してバーコードを見てはもどし、見てはもどししていた。

2月23日(土)
 昨日の台湾のバーコードのツイートがちょっと伸びているようで通知がたくさん来る。一定以上を超えるとすぐに面倒くさくなってしまう。面倒くさい。もちろん、伸びてほしいのは冊子に関する方だった。
 
 オムライスラヂオの数日前の更新を聞きながら店に向かうと最新の回は西尾勝彦さんがゲストで、『H.A.Bノ冊子』の話をしてくださっていた。西尾さんがHABのことを知ってくださっていてそれで冊子読みたいねとおっしゃっていて、送らねば、送りたい! と速やかに送ることが可決された。そもそもこの冊子はいつも来てくださってありがとうという方への感謝というか、本は気軽にお渡しできないけれどこのくらいの冊子であったらお渡しできるな軽いお礼に、というような気持ちで作っていて、西尾さんは一度もお会いしたことがないけれど、一度本を仕入れて以来、フリーペーパーの「粥彦」を毎回送ってくださっている、のでつねづねお礼をしたいと思っていて、これは絶好の機会だった。そういうことはとてもうれしい。

 蔵前に着くとお昼ごはんに台感で魯肉飯を食べる。ついでにビールも飲む。完全に昨日のトークの影響。

 店を開けるとしばらく暇で、この隙にと、検品と品出しを終え、そうするとオープンしたwebショップあらためツウハンから、早速注文を頂いていたので発送することにして、納品書を印刷してめもめもとコメントを書いて、荷造りをする。これはなかなか、新しいお店にご反応頂いている、もしかしたら「冊子」を欲しがっていただいているのかもしれない、というのはなんだかとても嬉しいものがあって、喜び勇んでいる。ありがたいことで、ありがたい。1冊だけで送る、ということは取次の発送ではほとんど無いことで、いつも厚さ3センチとか、縦横の制限とかが厳しいなぁと思ってギリギリで詰め込んでいるクリックポストの、この余裕! ちょっとくらい梱包を大きめに作っても全く問題なく、なんの心配もなく規定サイズ内に収まってしまうという物量に、妙な新鮮さがあって、なにか、なにか入れ忘れたりしていないだろうか、と、旅行中に家の鍵をかけたかが気になる、というような、そんな不安にかられたが大丈夫だろうか……。

 そうこうしているうちにちょっとづつお客さんは来てくださり、冊子をお渡ししたりして楽しんだ。これはなかなか楽しいものがある。つくったり渡したりするときに、たのしみがないと作り続けられないのはあたりまえで、ぼくはわりとケチくさくできているので、やっぱり60円の冊子タダでわたすのちょっとなぁ、みたいな感情にならないかと心配していたのだけれども、渡してみて楽しいな、と素直に思うことができたので良かった。

 外国の方が入っていらっしゃり「このへんに英語の本屋ないか」、みたいな、おそらくそのような、もしかしたら店内に英語の本はないか、みたいなことだったのかもしれないのだけれども、そういうことを聞かれて、(あぁ、あんまりないんですよね。墨田の方まで歩けますか? そうしたら英語の本屋さんありますよ)ということを言おうとして「あんまりー(あ、あんまりって英語で、えっと、ない? ないはNOか? ないわけれはないからNOではないが、少ない? short? little? )」などと思って、何も語れまいままi
ると「Sorry,OK,Thank you」みたいになってしまって、申し訳ないな、申し訳ないコミュニケーションだなとなる。ことばが通じなくてもなにかで通じ合いたい。
 通じ合うことは、たとえばご案内板などがあればできるのであろうか。「ぼくは英語がぜんぜんできませんし、そもそも知らない人とフランクに話せるようになるまでには時間がかかりますが、根気よく話してくだされば、なにかの意思疎通が図れるかもしれませんし、それは個人的には望むべきことです」といったような。

 それからは、お客さんと話したり、冊子を延々と折り込んだりして過ごし、店を閉めると下北沢へ向かう。イベントを聞く傍ら、HABとは違った媒体で取材をする、という事になっている。それでブックショップトラベラーに向かい、向かう前に駅前、や、いまは下北沢駅は改装工事中なので“元”駅前といえる位置にあるマクドナルドでポテトを食べながら、取材の構成などを整え、最近ぼくは人生の準備不足が甚だしいなと思っているところがあり、準備、適切に時間を作って準備をするのだと、心を入れ替えたい気持ちで準備をしていてしかし疲れたな、今日は長いなと思っている。準備の結果か、取材は適切に終えられたので締め、みんなでごはんを食べて帰ってきた。毎日通っているけれども、下北沢から両国は遠くてそれだけでけっこううんざりしている。つい一年前までは毎週日曜日は、こうして店を閉めた後下北沢で店番をして終電で帰る、という生活をしていたとは思えないし、もうつらい。

2月24日(日)
 台感で展示をしているというAJさんが店に来てくださったので、お互い英語で、

「昨日台感でZINE買ったよ。タイポグラフィが素晴らしいね!」
「ありがとう。日本の友達に翻訳してもらったんだ。この店どのくらいやっているの?」
「この街で三年だね」
「いいね。蔵前は好きだよ。台中の住んでいるところと雰囲気が近いんだ」
「それは嬉しいな。ぼくもここは好きだよ。そうだぼくもZINEを作ったんだよ。日本語だけだけど」
「ありがとう。大丈夫。漢字が読めるから雰囲気はつかめるよ」

といった会話がなされたかどうかは、ぼくにもわからない。

#READING 『天冥の標Ⅹ PART3』(小川一水、早川書房)
#READING 『本の未来を探す旅 台北』(内沼晋太郎 、綾女欣伸、朝日出版社)
 


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