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遅延で見る、ワイヤレスゲーミングヘッドセットの選び方

突然ですが、ゲーミングヘッドセットって使っていますか?

微かな音さえも勝敗を分ける、このe-Sportsの時代には最早ゲーマーの必需品ともなったゲーミングヘッドセット。
その選び方にも様々。
敵の位置をハッキリと判別するための定位がしっかりしているか。
長時間の使用にも耐えうる装着感も重要なところでしょう。
中には外音を遮り、ゲームの音のみに集中するためのノイズキャンセリング性能にもこだわる人も居るでしょう。

しかし、ワイヤレスヘッドセットとなると、これが大きく話が変わってきます。
ワイヤレスヘッドセットに求められる性能といえばズバリ!低遅延性能でしょう!
でも、今日日のヘッドセットの遅延なんて、どれも大差ないでしょ?なんて思ってるそこのアナタ。
この記事を見終わる頃には、自分の使っているヘッドセットの遅延が気になってしょうがなくなる…。

今日は、そんなワイヤレスゲーミングヘッドセットの遅延について、この記事で解説していこうと思います。


ワイヤレスヘッドセットの接続方法

ワイヤレスヘッドセットの接続方法は、大きく分けて3つに分けられます。

  • Bluetooth接続

  • 2.4Ghz独自レシーバー式接続

  • 赤外線など、その他特殊な接続方法(ゲーミングヘッドセットでは
    殆ど見られない)

このうち、多くのゲーミングヘッドセットがメイン接続方法として採用しているのは2.4Ghz独自レシーバー式接続。
理由は単純で、Bluetoothは遅延があるから。

Bluetoothと遅延の話

スマホで音ゲーとかをやったことがある人なら経験があるかもしれませんが、Bluetooth接続のイヤホンやヘッドホンには一定の遅延があります。
これにはBluetoothのコーデックという音声を送受信する際に用いられる音声データの圧縮や、データの変換の仕組みが関係しています。

Bluetoothでの音声の送受信では、音声データを小さくする必要がある、という特性があります。
そしてその音声を聞くためには再び音声データを大きくする必要もあり、そういった処理が挟まる関係上、どうしても遅延が発生してしまいます。

こうした遅延をコーデック側を改良することで解決しようとする試みも、
もちろんあります。
それが、apt-X LLです。
こちらを利用すると、40ms前後まで遅延を下げることが出来、これは人間が知覚できると言われている100ms未満まで下げることが出来るということにもなります。
これならゲームでも遅延を気にせず使えるね!ヨシ!

…ではなぜゲーミングヘッドセットではBluetoothが使われてないのでしょうか?
それは、デバイス側でapt-X LLに対応しているものが少ないからです。
非対応のデバイスにはレシーバーが必要で、後述する2.4Ghzの独自レシーバーと何ら変わりません。ダメじゃん!

次世代Bluetooth規格では、低遅延性能にも優れたコーデックが登場するとの話もありますが、どちらかと言えばスマホなどのデバイス向け
ゲーミング用途で使われるデスクトップPCでは、依然としてBluetooth接続の無線ヘッドセットは使われないんじゃないんですかね?知らんけど。
何故かと言うと、既にそういった遅延問題は解決しているからです。

そう、2.4Ghz独自レシーバーならね。

2.4Ghz独自レシーバーとは?

ワイヤレスゲーミングヘッドセットには、各社が独自に開発している2.4Ghz帯を利用した、USBメモリのような形をした独自のレシーバーが付属しています。
この接続方式では、基本的にBluetoothなどで行われる音声データの圧縮が必要ないと言われています。
そのため、Bluetoothよりも低遅延で音声をやり取り出来るわけです。

参考:https://www.corsair.com/jp/ja/explorer/gamer/headsets/24ghz-vs-bluetooth-which-is-better/

こうした接続方法にはデメリットもあり、Bluetoothと違い、レシーバーが接続できない機器には使用できません。
スマートフォンにも挿せるType-Cのレシーバーもありますが、そもそも音楽を楽しむ用途であれば、煩わしいレシーバーは付けたくないですよね。
そういった事情もあり、Bluetoothに向いている用途、2.4Ghz独自レシーバーに向いている用途がそれぞれ違い、それぞれの良さがあるというわけです。

じゃあ、2.4Ghzならなんでも低遅延なの?

実は、ここに大きな落とし穴があるんです。

2.4Ghz独自レシーバーのメーカー別での低遅延性能の違い

私も以前は勘違いしていました。
どうせ2.4Ghz独自レシーバーならどのメーカーでも遅延に違いなんてないんでしょ?
では、この2つの遅延の実測値測定の結果を見てましょう。

こちらの2つのデバイスの実測値計測方法は、どちらもEPOSのゲーマー向けアナログ接続型ヘッドセットである「GSP 600」をFireface UCXとアナログ接続した、つまり同じ条件で用意した有線接続のヘッドセットとの遅延の差を計測するという形の計測方法を取っています。
と、いうことは当然ワイヤレスであるヘッドセットとは遅延の差が生じる。
と思いきや、

なんとLogicool G PRO X 2の遅延が平均+62.7であったのに対し、
Corsair HS65の遅延は平均-49.8、つまり有線接続のヘッドセットよりも
低遅延
なんです!

こちらのレビュー内でも言及されていますが、まるでバグっているのではないかと思わされるほどの遅延性能。
同じ2.4Ghzヘッドセットとしての差はなんと100msを超えるほど。
Bluetoothのときに言及した、人間の知覚できる遅延の程度を思い出してください。
そう、100ms
流石に有線との差が60ms程度の遅延しかないことを考えると、露骨に遅延を感じるほど遅くはないものの、同じ2.4Ghzヘッドセットにもこれだけの差が出ることがわかります。
キーボードに置いては、ラピッドトリガーという数ミリ単位の差が勝敗を分ける技術まであるというのに、果たしてこの100msの差が勝敗を分けないことなどあるのでしょうか。

遅延も考慮した、ゲーミングヘッドセットの選び方

ここまで読んだ諸兄の中には、「特定のデバイスのネガキャンではないのか」とか「じゃあ遅延だけを考慮して選べばいいのか」などと思う方もいるかもしれません。
もちろんそんなつもりなどなく、冒頭でも話した通りゲーミングヘッドセットの選び方は様々
ワイヤレスヘッドセットは確かに煩わしいコードがなく楽、だけど本当に勝ちたい場面で使えるかどうかを一考する必要はあるかもしれません。

別にワイヤレスにこだわる必要はありません。
私のようにゲームではなくVR上でのコミュニケーションで自分の声をリアルタイムで聞きながら会話が出来るようにしたいといった特殊な状況ならともかく、ゲームで勝ちに拘りたいといった方のデバイス選びとしてワイヤレスを使うかどうかは慎重にならなければならない、ということを知ってほしいということが、この記事で伝えたかったことでした。

ゲーミングヘッドセットの選び方の一助として、優秀なレビュアーの意見を参考にしてみてもいいかもしれません。
そういった意味では前述した記事を書かれた4gamerの榎本 涼さんの記事非常に細かくレビューされており、遅延や周波数特性など、実測値を測定するかなり力の入ったレビューをされており、とても参考になると思います!

それ以外にも、参考になるレビューなどを探してみて、吟味してみるのも
デバイス探しの醍醐味かと思われます。

ちなみに私のオススメは、Corsair VIRTUOSO RGB WIRELESS!
遅延で困ることは一切なし!マイク音質も申し分なく、快適にゲームが楽しめると思います!

みなさんのヘッドセット選びの一助になれば幸いです!
それでは、よきゲーミングライフを!


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