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君へ

初めて会ったのは、高校の入学式だったね。列挟んだ隣の席で、第一印象を「クールな美女」って言ってくれたの、今でも覚えてるよ。
最初は別々にいたのに、何がきっかけだったのかな?一緒のグループで過ごすようになったね。
お昼に椅子を半分こして、背中合わせで食べるの、好きだったよ。お弁当食べ終わってから、君の持つiPodで一緒にRADWIMPSのMV見たりしたね。
君の黄緑色の携帯が忘れられないんだ。筆箱も、きりんだっけ?いつも独特なもの持ち歩いてたものね。
はるは、君のことが好きだったから、茶色の膝掛け勝手に真似して、ピンクの色違い買ったよね。紫の子も増えて3人で楽しかったね。
はるは幼くて友達を大切にすることも知らなくて、他の人にばかり目移りしたときもあったね、何も言わなかったけど傷付けてたよね、馬鹿でごめんね。
体育祭でハチマキに寄せ書きしてくれたこと、今でも忘れられないの。一緒にサボって写真撮ってたね。学年上がってクラスが変わっても、お願いしたら描いてくれて、わたしは君が好きだったんだ。
君に彼氏ができたときには、すごく嬉しかったんだ。でも、あいさつの仕方が気持ち悪いって相談されたときには、たくさん笑っちゃったね。
クリスマス前に、良い感じになってたのに、冬休み明けに激冷めしてたのには、お腹かかえて笑っちゃったな。クリスマスメールがキモすぎたんだよね?あんなにメロメロだったのに、すごい印象的だったな。
君は、はる以上に欲に忠実でサイコってて、だからはるは君が好きだっだ。似たもの同士だったね。
2人でひとつ上の先輩グループと仲良くなったりもしたね。君の恋がどうなったのか、もう覚えてないけれど、ごめんね、その頃からクラスも離れてはるは不登校になっちゃったね。
受験前になって、お昼を空き教室で一緒に食べようって提案してくれたの、すごく嬉しかった。君も教室に居場所をつくれなかったこと、知ってたのに助けてあげられなくてごめんね。
勉強合宿で、君が友達に置いてけぼりにされて寂しがってたこと、知ってたのに、はるは他人事扱いしちゃったね、最低だね。
クラスが離れてからは、はるは新しいクラスに友達たくさんできて、君からのお誘いを断ったこともあったね。そばにいられなくてごめんね。
君と一緒にいるときに、何も考えずに会話ができることが、とてつもなく嬉しかったんだ。たくさんメールしたね。メールのノリも合ってたんだ。
はるは、浮気性で、友達の価値がよく分からなくて、小学生の頃から好いてくれる娘を傷付けてきた。
もっと、君のことも、大切にすれば良かった。
君との帰り道に、駅前で鯛焼きを食べたこと、覚えてる。他にもたくさんの時間を一緒に過ごしたんだろうけど、不登校の間にほとんど忘れてしまったよ。
文化祭の委員も一緒にしたのに、はるが仕事を優先して、一緒にまわれなくしちゃったね。本当に悪いと思ってる、馬鹿でごめん。
受験期に放課後を一緒に過ごしてくれたり、一緒に帰ってくれたの、嬉しかったよ。

大学生になってから、たまに遊んだね。
君が浪人あけて都内に一人暮らしを始めたときに、たまたま連絡したんだっけ。遊びに行ったね、はるは一眼カメラを買ったばかりで、一緒にアップルパイ作ったりして、楽しかった。
3人でも会ったね、膝掛けメンバー嬉しかったよ。少し嫉妬しちゃったけど。性格悪くてごめんね。
はるがNPOで都内に出たとき、無理に泊まって申し訳なかったな。2人で青春18きっぷの旅したの、すごく覚えてるけど、はるはずっと仕事ばかりしてて、本当に今は申し訳ないと思ってる。もっと他人との時間を大切にできる人であれば良かったのに、この時期は誰に対しても不誠実で、そんなタイミングで旅行に付き合わせて、ごめんなさい。
就活の時期になって、1週間も泊めてもらった時があった。鍵も借りて、自由に過ごさせてくれたね、ありがとう。

君の中ではるがどんな存在かなんて、考えたこともなかったんだ。
最近ね、はるは、友達の大切さを知って、パートナーにとってのはるという存在の大きさとか、そういうのが分かるようになったの。人間に、他人との関係構築に、慣れたの。
本当にこれまでは、ただただ、何も考えずに一緒にいた。猿だった。ごめん。

君が東北のはるの家まで来てくれたのに、ミニマリスト時期でエアコンが壊れてて、何も2人で楽しいことできなくて、ごめんね。駅ビルで買い物してくれたり、ノリで一緒に美容院行ってくれたり、楽しんでくれてありがとう。もっと、はるが、融通の利く人であれば良かったのに、この時期は仕事人間になってて、ごめんね。
君が大学生を満喫して、童貞弄りの理系女子である中、就職活動でやっと社会に出て他者貢献できることを心待ちにしていたはるは、自己利益の追求が耐えられなかったんだ。今ならわかる、楽しむ余裕もある、でも、当時のはるには、無かったんだ。
一緒にラブホ行って大人のおもちゃを見てゲラゲラ笑いたいって言ってくれたのに、叶えられなくてごめん。そして惜しいが、はるはそういう人ではない笑笑

いつか、ちゃんと謝りたかった。失礼な態度を取ってしまったこと、友達なのに社会的価値を問うてしまったこと、本当に、最低なことをしたと思っている。

遅くなってごめん。好きだよ。君は、はるにとって特別な存在だった。気付けなくてごめん。出逢ってくれてありがとう。貴重な時間を共に過ごしてくれてありがとう。大好きだったよ。
君がいない世界に、どう生きたら良いのか、分からなくなってきているけれど、それでもはるは生きてみるね。

『いつだって別れは思いより先に来るの。それでもみんな微笑みながら言うの。さよなら、またいつか会いましょう。さよなら、またどこかでって。だから、あたしもこんなに遠くに来ちゃってるけど誠人に言うね。さよなら、またどこかで会いましょう』
 ーただ、君を愛してる

君が住んでいた駅の少し隣駅に、はるはいま
住んでいるんだ。偶然で、越してきてから気付いたんだけどね。これも何かの縁なのかなって、思わざるを得ないんだ。
こんなにも近くにいたのに。それでも、君には会えない。
悲しいけれど、はるは、生きるよ。また会えるのを、楽しみにしているから。また君に会いたいから。

はるより。

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