備忘録

日本の芸能界に多く見られた体育会系やタテ社会の雰囲気は全く感じられず、ひたすら理性的かつ論理的だった

THE FIRSTを扱う記事からの引用です。

以前ツイートもしたのだけど、これは、サービス残業が当たり前で特にそれに疑問を感じることなく働いていた時代から、定時で仕事を終わらせることの本質的な意味を問う社会に変わっていったのと似てる気がする。

SKY-HIは、インタビューや対談、実家でのライブでも、一貫して言い続けてきたのは、長いアーティスト人生で辛い方のことが多かったということ。それが今の自分を形成したものであると思うし、このオーディションをやろうとしたのは、まさしくこの経験があったから、とも言っている。

音楽ファースト。この言葉の中に、希望も、未来も、それから今の業界に対しての皮肉も。沢山の意味を含んでいるのかなと思う。

古き慣習に従って、新しい世代に引き継いでいくこと。伝統工芸品や、日本ならではの文化を残すことは大切なことだ。が、どこにも引き継ぐ者がいないと、廃れていく文化もある。はたまた、新しい世代が新しい技術を取り入れて、その文化を活性させることもある。

ただ普通に暮らしている毎日の中には、先人から引き継いできた意思や、新しい時代に作り出されたルールなどが交錯している。
現代はまさに、今まで自分たちが信じてきたものや、ルールは本当に正しいのか。答えはひとつではない、いくつもの多様化した答えがでていいのではないか?と疑う人が沢山出てきている状況。
個人が思考力を養われている、そうとも言える。

子供たちが、Adoの"うっせぇわ"をよく口ずさんでいて、あぁ時代が変わったなぁ、としみじみ思う。

これっておかしい?と、疑問を持ち、それを変えなければ!と思う、最初の第一歩は誰もが怖いし、できればやりたくないと思う。

それがTHE FIRSTであったなぁ、とも思う。

芸能界というのは非常に特殊だし、私たち視聴者やファンに全てを理解させるのは困難だ。全てを理解させたくない、とも言えると思う。
エンターテイメントというもの自体がドキュメントであるかと言われたら、それは沢山の人が作り上げた虚像でもある、とも思う。

日本は長くして、その表側を見せ続けるということに執着していたかのように感じる。
どこかで同じ人間ではなく、画面の向こう側の手に届かない存在、というのは誰もが無意識に感じてきた。
しかし、現代はその人たちが個々に意思を持ち、発信し、裏側や考え方を提示することが当たり前のようになってきて、あちら側とこちら側の境目は透明なガラス一枚で隔てたような距離感になった。

見せたい、知ってほしいという思いと、見たい、知りたいという思いが合致したとき、そこにファンダムが広がるし、アーティストとファンの力が比例して大きなものになるんだと思う。

でも、いくら個人の思いを主張出来やすい時代になっても、多様化の時代を迎えたとしても、アーティスト、ファン、どちらにも忘れて欲しくないのは、日本人の国民的特徴とも言える"ルールを守ること"、"本音と建前"。このマインドは引き継いでいきたいなぁと思う。

どんな行列でも順番抜かしをしない日本人。この精神が培われたのは、ルールに則って生活することが幼少期から鍛えられたから。当たり前のことだが、ルールを守るというのは生きていく上で大切な指針だと思うから、これからも廃れないで欲しい。
(ルール自体に疑問を持つと言うのはまた別の話になるので割愛する)

そして"本音と建前"。これは独特の文化であるし、賛否両論あると思う。私が言いたいのは、無駄な争いは不毛ということと、本音を誰もが見える場所で発言することのリスクを改めて考えてなければならないということ。
自分の一言が誰かに影響を与えるかもしれない。愛のある建前は、無駄な論争を避けられると思う。

本音で語れないない方がおかしい、そんな意見もあると思う。でも時と場合、発言する場所。そんな生きていく上で他者を想うルールのようなものを大事にしていきたいし、受け取る側にも心はあって、受け取り方は10人いれば10人ともに違う。そんなことを思えば、尖った本音よりは、丸い建前で発信出来たらいいなぁと思う。

特にSNSでの関わりは生身の関わりよりも、注意深く慎重にならないといけないと思う。
自分を守ることにもなるし、相手を守ることにもなる。

好きなもの・こと、だからと言って全肯定するのではなく、疑問を持ち共有することは素晴らしい考えだと思うし、愛しているからこそ、というのがきっとファンやアーティスト、全ての人にある根源であるから、マイナスな言い方で共有されるより、フラットな意見やプラスな表現が広まって欲しいと思う。
(もちろん議論することは大事だと思う。それもお互いを想うことがベースにあることを大事にしてほしい)


素敵な人に教えてもらった言葉。

"良くも悪くも、ファンはアーティストを映す鏡"

この言葉に尽きるのだと思う。
お互いの写し鏡である関係。それほどに影響させ、される。そんなことを思いながら、これからも応援していきたいと思った。

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