女中たち感想メモ

開演ギリギリ慌てて席に行ってうわ~~~~~~!!!となりながらはじまったら下手の廊下から登場した福士誠治さんの役がビックリするぐらい美しくてビックリした!!!!!!(語彙

光が一番綺麗に映える少し上向きの顎の角度、スラッとしたスタイルが際立つ縦縞の着物、強めに縁取った印象的な唇、アイホールを彩る美しい陰影、百戦錬磨・篠井英介さんの女中さんと並ぶ足の運び。

一人打ち掛けみたいな大きな着物を羽織って、目が離せなくて、本当にほんとに綺麗だった。ぴゃ~~~~~~!!!!!

篠井さんの役が、福士さんの役の身の回りの世話をしているのをみて、もうごっこ遊びは始まっているんだなと。

慎ましやかな女中にかしずかれて、そっとカップを受け取り、くるりと茶器をまわして紅茶に口をつけ、少し眉をあげた時、たまらなく美しい奥さまがそこにいた……!!!!????

鳥頭なので毎回新鮮に「福士さんって綺麗な人なんですね!?」って驚いています。

すごーーーーく緊張感のある台本で、ずーーーーっと掻き乱されっぱなしだった!主導権がくるくる変わる。作家さんの衝動によって生まれて、精緻に組み立てられた本って感じだ。これ好きじゃなきゃこの罵詈雑言、書けないよね???※故人の脚本家さんに言いたい放題

最初、誰がクレールで、誰がソランジュ???と混乱したけど、だんだんみえてきて、篠井さんソランジュ、福士さんクレール!!おぼえた!!!

着物なのにカタカナの名前がスッと入って来てすごい。

以前みた篠井さんのお姫さまはそれはそれは可憐で美しかったんだけど、ソランジュの生まれはこの身分!って慎ましく在る所作もすごかった。百戦錬磨の足、袖さばきだった。足音?の目盛りのレベルとか、0から100くらいありそうだった。

奥さまにビロウドの深紅のドレス着せたさ過ぎて、なになに奥様強火担???って思ったけど、後で赤いドレスは犯罪者が着るドレスと言っていたから、ソランジュさん目線では、奥さまは罪人なのかなぁ。白のドレスは女王さまの喪服。

赤い着物を奥さまクレールに着せているシーン、ポーンとした柔らかい音色とカーンッとした高い音色が混ざり合ってドキドキした。

福士さんの奥さまクレール、めちゃくちゃ被害妄想がつよくて(そう見えた)、暴君で、うつくしかった~!!!

着物を着こなすだけでも大変なのに、女性的…って今、定義して良いのか分かんないけど、たおやかな身のこなしなのがすごい。篠井さん分かるけど、福士さんが並んで何にも違和感ないのどういうこと????

左手だけで台本を抱えながら、長椅子に身を預け、右手でそっと手すりをなでている様にドキドキした。

けたたましい目覚ましの音で時間ぎれ

福士さんの奥さまクレールの輪郭が、上手の椅子に座ったとたん、ほどけてただの若い妹になった!!!すごーい!!切り替え!!!

「蒸す日ね」的な言葉のとおり、打ち掛け(?)を脱いだ後、汗の雫が額から伝う様が、思い切り演じた後の俳優さんみたいできれいでした。

奥さまヘイトを溜めつつ、ソランジュさん自身も下男たちを下にみている。

二人とも、そんなにイマジナリー奥さまを介して自分たちのことを蔑まなくても・・・と思ったけど、嫌なにおいの屋根裏部屋と花に埋もれた奥さまの部屋を行き来する中で、自己肯定感をすり減らしていったのかもしれない。

自分から先に自虐(自分を攻撃)する人って「他人から言われなくても、自分はちゃんと分かってますよ」って表明する事で自分の心を守ってるのかなぁって感じる瞬間、ある。

自分の言葉に呪われるから、自分を大事にして欲しいと思いつつ、ひっくり返せない、身分制度のある時代は、より切実さが増すのかな。

鬼の首をとったように、クレールさんの夜の一人歩きを突き付けちゃうソランジュ姉さん。

最初、奥さまごっこの時にソランジュとして発言したの、言い間違えかと思ったけど、妹をいじる姿をみると、妹に対する本音が出ちゃったのかもしれない。

美しいものに囲まれてお金があれば、私だって奥さまみたいな仕草が身につくでしょう~と。あぁ、じゃあ妹が慕う?奥さまへの敵愾心もあったのかな。

はたから見てると微笑ましい姉妹げんか。

もっと小さく、優しく話してよ!と弱々しくお願いしても無視されて、一転「とっておきの話がある」と反撃に出るクレールさん。妹、つよい。

旦那さまの嘘密告の手紙を書くために、筆跡を変えた書き損じが部屋にいっぱい~ってその努力、絶対ほかのことにつかった方がいいよ!!!!笑

そんな努力もおかまいなしに、妄想の中でいろいろと有頂天なソランジュ姉さん。とうとう妹クレールも「あんた」呼び。

ピアノと絡み合うような妹クレールの語り、背中がゾッとするような陶酔感があって、首をジリジリと締められていくような緊張が本当に良かった…!!

クレールさんの聞いた事のないような恍惚とした笑い声にビックリしちゃった。頭の裏から出す音が、ちょっと篠井さんの声の成分に似てて、!?ってなった。

ソランジュ ロックオン 奥様 feat クレール。身近な人に殺意向けられるのやだー!!!相手を自分の思いどおりにしたいって欲じゃん!

お芝居を観ている時、この役者さんって兄弟か姉妹がホントにいるんだろうなって、とても透けるから、兄弟・姉妹の近さって、その人たちだけの独特の空気があるのかなぁと思います。

殺人+放火までしかねないソランジュ姉さんの正体があまりに怖くて、「神さまを思い出して」とすがる妹クレール。神さまがカジュアルに出てくるの海外戯曲っぽい。力関係がまた変わった。こわい。やめて。

不穏 of 不穏な空気を打ち破る電話のベルの高い音色。

ごっこ遊びが激しすぎて、この電話すら妹クレールの演技なんじゃないかって疑っちゃった・・・。

全てがバレる前に奥さまを殺そう!!!となる二人に、なんで??????より状況が悪化しない?????

姉妹ゲンカから奥さま殺しを計画する鏡合わせの姉妹。最年少・妹クレール「私は強い女!」

狼狽えながら「およこし!」が合図に、奥さまに覚醒する福士さんのクレールが圧倒的だった~!!叩き付けるようなピアノに浮かされて、男の人なのに、なんだか妖艶な女王さまみたいだった。

一人の人間が、たった身ひとつ声だけで、そこにいる全員を巻き込んで、場を制する瞬間がたまらなく、たまらなく好き。

内臓を鷲掴みにされるような、身体も心も、存在まるごと奪われて、自分の意思で動けなくなるような感覚。動物的な本能が喜ぶ。

緊張が最高潮に達したところでピンっと張り詰めた筋肉がほどけて、ひそやかな姉妹の時間。

なんだかいけないものをのぞき見てる様な気分で、ひゃあ!ってなっちゃった・・・俳優さんってすごいね・・・!

からの「ダメよ~!!!」→ 爆笑。

弾むピアノで陽気な睡眠薬準備。ヤケクソ感があって、ゆかいなクレールさん。

高いベルの音で「奥さまが返ってきた!!!!」って別の緊張が走る。

二手に別れた所に、奥さまが帰って来rドレスなんですね!!!!!?????すごーいあべこべだ。住む世界が違うんだ。

紫のスカートからチラリとみえるつま先は足袋。大ぶりのキラキラしたイヤリングに、胸を飾るネックレス。

女中二人があまりに不自然に菩提樹?ボダージュ科?花?のお茶を勧めるし、鍵も電話も頬紅も目覚ましも何もかも脇が甘すぎて、さすがの奥さまも不審がらない!!!????って笑っちゃった・・・!あさはかでかわいいね。

奥さまはお見通しだったのか~~~~~!!!!!

頬紅いいわね~~!!!ってウキウキな奥さまのセリフに反して、バックで流れるピアノがあまりに不穏。今思うと、クレールの不安と焦りに寄り添っていたのかな。

篠井さんソランジュのタクシーのくだりがめちゃくちゃ面白かった~!!責任棚上げで、妹を再びごっこ遊びに引きずりこむソランジュさん。

クレール奥さまより、リアル奥さまは豪快で嵐のような堂々たる生粋権力者だったので、
クレールさんが演じる奥さまって、妹クレールからみた奥さまなんだなぁと思いました。

だからこそ妹クレールからみた奥さまは、こんなに美しくて、暴力的で、圧倒的な存在(概念)なんだろうな、と。以降の奥さま像にとてもドキドキしました。

話が少しずれちゃうんですけど、生粋のアイドルの子よりも、アイドルに憧れる普通の女の子がステージに立って理想を体現した時のほうが、圧倒的な輝きを放つなって感じることがあって。それって、その子からは、その存在が堪らなく美しくみえているからだろうなって思う(持論)

姉妹の区別がつかないのは、奥さまじゃなくて、女中二人のほうじゃないかなぁと感じて痛々しい。奥さまのセリフで姉妹を混同している描写はなかった気がする。家計簿のくだりくらい?

八分音符?で刻むピアノからの緊張感!!!!音楽にのって、セリフも熱を帯びて来て、そんなに罵りの語彙が出て来るのすごいね????って思ってたら、さすがに弾切れで、今度は主導権がソランジュ姉さんに切り替わって、うわ~~~~~~どこに着地するの~~~~~~~!!!

妹が「姉さん」と話しているのに、「奥さま」と呼びかける篠井さんのソランジュ、こわか!!!!!!!!った!!!!!!!!!!!!!人の話をきいて!!!!

福士さんが以前出ていたミュージカル「スリルミー」は拍子を刻む時のピアノは恐ろしくBPMが一定で張り詰めた糸のような緊張があったんだけど、今日のピアノは容赦なくテンポを速めるから、とても扇状的だった。

後ろの松の木の壁に大きな二人の影がうつって、台本がビリビリに破られて破片が舞い、その様を見つめて、長椅子に横たわって目を閉じるクレールさんの死に顔があまりに美しくて!!!!!

死を美しく鮮烈に描けるのはフィクションの特権だと思う。着物の裾からみえる弛緩して丸まった手にドキッとする。

身をかがめる女中から、奥さまと対等になった!!!と快哉をあげる長いながいお姉ちゃん劇場。篠井さんさすがだった。圧巻だった。だいすき。

姉妹の間でなければ、非人でなければ分からないわと、痛烈な拒絶。ソランジュさんは女中(役割)ではなくて、時に先頭に立つような、ソランジュ・◎◎ってイチ個人になりたかったんだな・・・・って。鳥頭だからカタカナのフルネーム覚えられなくてごめん・・・・・私もそういう意味では奥さまと変わらないね・・・・。追記 るめるしゅ??

奥さまの「おさがり!」「さわるな!(ドンッ)※ふれるな?」「おだまり!」みたいな度々出て来る強めの命令形にドキっとしたんですけど、目覚めたクレール奥さまが静かに「窓を閉めておくれ」って、う、うわ~~~~~~~~!!!
追記:触るなは触らないで、でした

ソランジュ姉さんがあんなに「つづきを!!」って煽っていたのに、今度はクレールさんが「つづきを」をって促して、「決めるのは私の役」って宣言。この場合、決めるのは奥さま・・・ってコト!?それとも、私=クレールってこと!?どっち!?

もうどっからがホントでどっからが嘘なのか分からない。置き去りにされたまま、すごい速度で滑車はすすむ。

「いかないで」って福士さんクレールの何とも言えない響きが最高で最高で最高だった・・・・!!最後にこれ出てくるのズルいじゃん・・・!!!(好き

「小さな声で」って妹クレールのお願いを無視したソランジュ姉さんが、今度は同じ願いごとをして、小さな声で語るクレール奥さまがなんだか”愛”だった。

個人的に、何かして貰えることよりも、やらないで/やってって小さくお願いした事を尊重して貰えることに愛を感じます。それこそ、リアル奥さまが気前よく狐のコートを恵んでくれる事より。全部はできないから難しいんだけどね。

幕開けで「なんて綺麗なんだ・・・!」って見惚れた時のように、奥さまが艶やかにカップに口をつけ、味を確かめる間もなく暗転。

うわーーーーーーーーーーー!ー!ーー!、あー!ーーーーーー!!!!!!

スリル・ミーを観た時ばりの緊張感だった……。。。。。。

そして自分が過度な緊張からの弛緩が大好きなことに気付いてしまってめちゃくちゃ恥ずかしい!!!!!!!なんかやだ!!!!!!!!もっとおだやかハートフルなものだけを好きでいたい!!!!!※ハートフルも好きだよ!!

足元マイクもあったけど、めちゃくちゃ生声を浴びた贅沢~!!!珍しい縦に細長いスピーカー!景観を邪魔しないようにかな。

木組みの屋根や、松の木の壁?から声が跳ね返って、すごく豊かな響きが空間に拡がって感動した!!マイクがない時代の仕組みっていいね。リーディングとめっちゃ相性よくてビックリ!!!

足音も効果的で、板を踏み締める音と舞台下の空間の響きもありそうで良かった。

福士さんたち後もう一公演しかないの???????ほんとに??????


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?