Cateen's Piano Live Vol.8 を深夜に聴きながら即興演奏について考える

 やっぱり書き始めてしまった。酔っぱらってるし、明日(正確には今日)も仕事なのに、バカだなぁと思うけど、テンション上がってスイッチが入ってしまった。かてぃんさんの即興演奏、ホント大好き。

 かてぃんさん、宣言通りはじけちゃってますね。「はじける」って漢字で「弾ける」⇒ピアノで弾(はじ)ける・・・まんまじゃん。会場は無理でも、その場のノリにせめて画面越しでリアタイしたいライブだった。

 自分、Vol.6が大好きで、20回以上通しで観てるんで、さぁ、同じ会場でのライブ、4ヶ月経ったかてぃんさんが今回はどんなステージをみせてくれるかすごく楽しみだった。そしてなんと今回はパプリカ覚えてきたぞ!リベンジを果たす男・かてぃん!ってポイントはそこじゃないよね。

 Vol.8のステージ、今回のかてぃんさんは登場からして今までと全然違うノリだった。左手にハイネケン、右手で煽りながら客席をぬってピアノに駆け寄ると、やたらデカい声で「みなさん、こんばんは!!」・・・ほんと今まで聞いたことないデカい声だして、おお、今日のかてぃんさん違うぞって思った。勢いよく登場してきたのでハイネケンが泡ふいて「ヤバイヤバイ」と言いながら慌てて吸い付くご愛敬からの演奏スタート。

 Spain、情熱大陸、ルパ~ンと、左足を鳴らしながらガンガン弾きまくるスタートダッシュのアグレッシブなノリは、上原ひろみを彷彿とさせる凄み。
 そうそう、今回はアマゾンでポチってすっかり相棒になったトイピアノ君帯同のライブだった。名前まだ決まってなかった? ジュニア? 設定は10歳の男の子ってことなんで、かてぃんさん14歳の時の子か、ふ~ん。

 この子がさすがのかてぃんJr.だけのことあって、良い仕事してくれてました。っていうか、かてぃんさん、トイピアノで遊びすぎ。しっとりと聴かせる曲の中にも「チン」と入ってきて、そこで入れるか~と思ったけど、まぁ、このノリなんで全部OKだけどね。マリオとかハリポタはほんとベストマッチだと思った。

 中盤にさしかかり、ゲーム音楽メドレーになっているところで、ゲーム音楽系ピアニストの瀬戸一王さんがチャットに登場してスパチャもしてくれてた。チャット内も「瀬戸さんだ!」と盛り上がってた。瀬戸さんとは最近ごはん食べたり交流があるようで、個人的に瀬戸さん注目してたんで、かてぃんさんと繋がって嬉しい。瀬戸さん、自分のチャンネルの中で角野さんに憧れてる、あの人は別格だって言ってたし、確か角野さんにツイッターフォローされた時にめちゃくちゃ喜んでたの覚えてる。瀬戸さん、繋がって良かったね。瀬戸さんのインスタに二人のイチャイチャしてる写真も載ってます。

 そうこうするうちに一本目のビールが空いてしまい、「ビールがなくなっちゃった!」とおかわりアピール。2分くらいビール待ちの繋ぎ演奏をするも、出してくれないのでまさかの催促。今日のかてぃんさん、いつもに増してほんと自由。おとさんが無事、二本目を届けてくれました。

 そして終盤に入りまさかのクラシックオンパレード! あんなにビール飲んでるのに大丈夫なんだ。(大丈夫と言えば、トイレ大丈夫かなとちょっと心配だった。余計なお世話)
 モーツァルト、バラ1、ラフ2、別れの曲、悲愴、等々・・・背筋がゾクッとする感動だった。やっぱりこの人はすごいピアニストなんだと実感する瞬間。そんな中で、子犬のワルツでやってくれました。トイピアノ使ってわざとオクターブ下げずにエアピアノ…鍵盤が見当たらないのにヒラヒラ踊る指先、みんな大爆笑で本人ニヤリとしてやったり顔。狙ったな!
 その後も、リベルタンゴをガチで弾いたり、Queenメドレーあり、最後は英雄ポロネーズで走り抜けて本編終了。

 アンコールでは、お子さんのリクエスト(千本桜や春よ来い)をしっかり取り込みながら、ボカロ曲やカノン、クイーンなどを演奏して、大盛り上がりの中、一時間半を超える即興演奏ライブは終了した。

 

 ノッてるかてぃんさんって今までいっぱい見てきたけど、ここまでノリノリなのは初めてで驚いている。Vol.6を基準にして今回のVol.8を観ると、ほんとに同一人物なのか疑ってしまうくらいのギャップにびっくりだった。4ヶ月で人はここまで変わるのか! というより、もともとのロック&ジャズ野郎の部分を今回思いっきり前面に出してきたというべきか。いやぁ、楽しかった。感動した。

 かてぃんさんの即興演奏、ホント大好き(二回目)。今回のノリは新たな発見だったけど、基本は、クラシックの演奏技術に裏打ちされた確かな音があるから好き。角野さん、ほんと音がいいよね。自分は割と勢いのある演奏が好きで、ffの方が好みなんだけど、ppが素晴らしいという人が多くて、そういう意識で聴いていると、そんな気がしている最中です。ポンコツ
 即興演奏ということに関しては、かてぃんさんが一番重視しているのはリクエストを全部拾うことではなく、曲同士の間を音楽的に美しく繋いで全体として音楽を成立させることのような気がする。ひとつの答えが全国ツアーのパンフレットの中に書いてある:

僕はしばしばYouTube上で、リクエストされた曲をその場で繋げてアレンジするというライブを行いますが、そこでやっているようなアレンジは、このような幻想曲(ショパン・幻想ポロネーズ)のスタイルに非常に近いです。以前のメロディが現れたと思ったらいつの間にか別のメロディに変わっていたり、繰り返し転調したり、そしてそこにはもちろんある種の即興性が含まれていたり…  

 また、もっと具体的な実例は、年末に投稿された岡山でのストピ動画を観たらよくわかる。カノンとリベルタンゴの繋げ方について頭の中を字幕で解説してくれている。
 そしてこうした作業を、この一見ノリノリで勢いに任せたようなライブの中で、90分間ずっとやっているのだ。すごい。

 最後に、去年Vol.6の後でかてぃんさんがつぶやいてたツイート:

即興演奏の良さはその場のインスピレーションによる活きた音楽そのものであって、即興“なのに”これだけ弾けてすごい的な褒め方をされすぎると自分が「即興」をクオリティが完璧でない言い訳に使ってしまいそうなのでぜひ厳しく接してくれよな

 今回はビール2本飲みながら即興演奏したわけですが、「完璧なクオリティ」の基準を全国ツアーやPassionの演奏に置くならば、全然完璧ではないですよね。指が空回ってたところもあったし(笑)。
 でも私たちは、即興性を徹底的に排除したツアーの演奏と今回のようなピアノライブを全く別のものと捉えて、活きた音楽を楽しんでる。みんなわかってると思う。でも、完璧ではないにしても、即興“なのに”すごい演奏というのは素直な感想かな。ちょっと東大“なのに”と使われ方が似たところがあるかもしれない。


ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。