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【CL決勝予想】いかなるスタメンでマンチェスター・シティは戦うのか?

いよいよ明日、2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ(以下CL)決勝が行われます。

試合開始は日本時間6月11日(日)の午前4時。

この試合で、今シーズンのヨーロッパチャンピオンが決定することになります。

決勝のカードはマンチェスター・シティとインテル・ミラノ。

2006-07シーズンのリバプール対ACミラン以来のイングランド勢とイタリア勢によるファイナルとなります。

マンチェスター・シティは初の、インテルは3度目の優勝を目指しています。

なお、マンチェスター・シティには3冠(CL、国内リーグ、国内カップ)という偉業にもリーチがかかっており、名実共にヨーロピアン・フットボールの歴史に名を刻むメガクラブとしてのフェーズに到達する、最大のチャンスを迎えています。


戦前の予想では、その圧倒的な戦力と組織力を有してライバルを粉砕してきたマンチェスター・シティが優位という声が多数。

対するインテルはくじ運に恵まれた感はありながらも、攻守の切り替えと縦方向への速さを生かしたサッカーで勝ち上がり、決勝でも同様のスタイルで戴冠を目指します。

下馬評ではマンチェスター・シティが優位ですが、インテルに逆境を跳ね返す力がないわけではありません。

この記事ではマンチェスター・シティのスタメン予想を行い、チームのキーマンと展開を予想していきます。

マンチェスター・シティはいかなるスタメンでCL決勝を戦うのか?

マンチェスター・シティの基本フォーメーションは4-3-3。

ただし、自陣でのポゼッションから相手を敵陣に押し込むタイミングでジョン・ストーンズが中盤にせり上がる-いわゆる偽センターバック-ことで、3-6-1に可変します。

レギュラーのほぼ全員が90分を通して攻守全体にコミット-唯一プレッシングに積極参加しないアーリング・ハーランドも、攻め残ることで相手の攻め上がりを抑制している-することで、あらゆるシチュエーションで質・量ともに重厚なフットボールが展開でき、「フットボール史上最強」との評価も獲得しつつあります。

それでは、そのマンチェスター・シティはどのようなスタメンでCL決勝を戦うのでしょうか?

〈GK〉
エデルソン・モラレス
〈DF〉
ルベン・ディアス
ジョン・ストーンズ
カイル・ウォーカー
ネイサン・アケ
〈MF〉
ロドリ
ケビン・デ・ブライネ
イルカイ・ギュンドアン
〈FW〉
ベルナルド・シウバ
ジャック・グリーリッシュ
アーリング・ハーランド

上記がマンチェスター・シティの予想スタメン。

ベンチにもマヌエル・アカンジやフィル・フォーデン、フリアン・アルバレスなど優秀なバックアッパーが控えており、隙はほとんどないと言えます。

戦術面に目を向けるとオフェンスの基礎戦術はカウンターによる速攻とポゼッションから遅攻の2つ。

今シーズンはハーランドが加入したことによって、とりわけ前者の破壊力がフォーカスされていますが、このチームの強みはどのような形でもゴールが奪える点にあります。

速攻におけるレパートリーは2つ。

(1)ロングカウンター

GKや最終ラインからのロングパスをハーランドに当て、そこにケビン・デ・ブライネが絡むことで少ない手数で攻撃を完結させる。

(2)ショートカウンター

敵陣でのボール喪失後の即時奪回をスイッチとし、相手守備陣が整わないうちに攻撃を完結させる。

遅効におけるレパートリーも2つ。

(1)アイソレーション

ボール保持時に、意図的にボールホルダーの反対サイドのアタッカーを孤立させ、ボールサイドに相手を吸い寄せたタイミングで孤立したアタッカーに展開し、1対1の状況を作り出す。

(2)ポケット(敵陣ゴールラインとペナルティラインの交点付近)またはハーフスペースへの侵入

タッチライン際で幅をとった味方やピボーテにボールを持たせて相手に食いつかせたタイミングで、フリーランニングでポケットやハーフスペースに侵入した味方を使う(レアル・マドリーとの2ndLegでのベルナルド・シルバの先制点がそれ)。

前述したように、2022-23シーズンのマンチェスター・シティはどのような形からでもゴールを奪えることが強みとなっています。

インテルが前からプレスをかけてこようが後方にブロックを築こうが崩しのレパートリーは複数用意されているのです。
さらに今シーズンはハーランドが加わったことによって、多少アバウトなラストパスやクロスでもゴールを奪えてしまう理不尽なスタイルを取り込みつつあります。

それでは、マンチェスター・シティのキーマンは誰なのでしょうか?

初の欧州王者へ!マンチェスター・シティのキーマンは?

マンチェスター・シティのキーマンは、ジョン・ストーンズと筆者は予想します。

その根拠となる理由は2つ。

(1)インテルの守備陣形

ひとつはインテルがリトリートして後方にブロックを作ってくると予想するからです。

後方にブロックを作ってくる相手に対して効果的なのは、前述した遅効によるアイソレーションやポケットへの侵入。

相手を敵陣に押し込んだ状態でストーンズ(またはロドリ)がピボーテの位置にせり上がりボールを保持することで、インテルの守備陣の誰かが食いついていくでしょう。

そのタイミングでタッチライン際やハーフスペースをとった味方に対してパスを差すことができれば、自ずとマンチェスター・シティのチャンスは何度か創出されるはず。

アイソレーションから突破を図るならグリーリッシュが、フリーランニングからポケットやハーフスペースを攻略するならベルナルド・シウバやギュンドアンが選択肢になります。

(2)カウンターへの対処

ポゼッションのクオリティで大きく下回り、自陣に押し込まれる展開が予想されるインテルが好機を見出すとしたら必然的にカウンターとなります。

そのカウンターに対抗するマンチェスター・シティの策は、守備時にストーンズを最終ラインに戻す4-3-3への修正。

右からウォーカー、ストーンズ、ルベン・ディアス、アケが並ぶ4バックは、いずれも守備力が高くセンターバックをこなせるという点で共通しています。

元来サイドバックに攻撃力を求める傾向が強かったペップ・グアルディオラは、今シーズンからこの”4CB”システムを採用し、カウンターへの抵抗力をあげることに成功しています。

被カウンター時に”4CB”に戻すことで守備陣が横方向に密度を保つことが可能になり、失点の確率を低減することに成功しています。

唯一と言っていい懸念事項は、インテルのセンターフォワード(ロメル・ルカク orエディン・ジェコ)の落としを、インサイドハーフ(ニッコロ・ヴァレッラと、ヘンリク・ムヒタリアンorハカン・チャルハノール)に拾われて二次攻撃に繋げられた状況か。

ストーンズが最終ラインに吸収されている状況下では、ロドリとの1対2という数的不利が生じます。

とはいえ、このような状況も想定しうる数少ないシチュエーションで、ギュンドアンのカバーリングも織り込めるし、なにより現在のロドリは恐らく守備的MFとして世界最高の力を持っています。

クラブ・フットボールシーンにおいて、戦術的にも戦力的にも現在のマンチェスター・シティほど盤石なチームはありません。

攻撃に目を向ければ速攻と遅攻の両方に高い火力を備え、守備についてもハイプレスにもリトリートにも対応可能。

選手や監督の経験値も高く、状況をガラリと変えるジョーカー(フィル・フォーデンやフリアン・アルバレス、リャド・マフレズ)や、堅実さを高めるカード(マヌエル・アカンジ)もベンチに控えています。

インテルの善戦を期待したいですが、マンチェスター・シティの大勝もあり得る。

これが筆者の予想です。


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