プロジェクトヘイルメアリーという本を読んだ気がする

「プロジェクトヘイルメアリー」という本を読んだ。いや、正確にはAudibleの朗読で聴いた。いろんな著名人がラジオで絶賛してたのでなんとなくタイトルは覚えてたけど、Audibleのラインナップでその本を見つけてかなりテンションが上がりつつ毎晩30分タイマーをセットして聴きながら眠ろうと決めた。コロナで病める時も健やかなる時も毎晩聴こうと心に誓った。結論から言おう。とても苦手な作品だった。

私は365日何かしらの音声を聴きながら眠るのだが、唯一にして絶対の条件がある。それは
「穏やかな語り口であること」
性別は問わない。とにかくその人らしい声であることを求めた。

Audible歴が浅いのでたまたまなのかもしれないが、自分が聴いた作品はどれもナレーターが声色を変えて10時間以上1人で朗読し続ける物ばかりだった。この「ヘイルメアリー」も同じく1人のナレーターが上下巻合わせて25時間近く喋りっぱなしだったのだが、まさか蜘蛛がこんなに喋る作品だとは思わなかった。正直コイツが主人公かと見紛うくらい喋りまくるのだ。私が世の中で1番嫌いな虫はダントツでムカデなのだが、蜘蛛もベスト5に入るくらい嫌いだ。そんな蜘蛛が目玉おやじの「おい、鬼太郎!」みたいな声色で何度も「質問?」「質問?」「イエス!」「質問?」と繰り返すのだ。数えてないので正確な数字は分からないが、体感100回以上「質問?」と言ってる気がした。安眠することが最優先事項の自分にとって、この蜘蛛の声が生理的に無理だった。コイツが喋る度に毛むくじゃらの巨大タランチュラが脳内に映像化され、しかも喉を絞ったような声を聴きながら安眠なんてできるわけがなかった。主人公(人間)や地の文は落ち着いた声で良かっただけに、蜘蛛は別の人に朗読してもらいたかった。作品のレビューを見ると「ロッキー(蜘蛛)かわいい!」「みんなロッキーのことが好きになる!」ばかりで心は余計に離れていった。

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