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世界を救いたいよねって話

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12月4日、クマ活講座・ワークショップを行いました!
準備も本番も大変だった〜。
いたるところで、恩師である佐藤先生に甘えさせてもらった。もう学生じゃないのにね。少し反省。

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クマ活は北こぶしリゾートが行うCSR(地域貢献)活動で、知床のヒグマを守ることを掲げ、実行隊長こと私・村上がごりんごりんに進めています。2020年からスタートしてからヒグマの市街地出没を防ぐための草刈りや、誘引物除去のための見回り・ゴミ拾いをしてきました。


普段ごりんごりんに進めているわけですが、時々不安がもくもくと立ち込めます。

「私がいなくなったら、クマ活は終わってしまうんだろうか。」

大学生の頃ヒグマのことを研究していた上に、現在進行形でヒグマの会に関わっていて、部活動の大会運営をしたこともイベント開催に活かされていたり、お得意の大阪コミュニケーション能力と大きな声で、知床の中では割と(たぶんいい意味で)目立っている村上が、幸運にも北こぶしに入社できたことが功を奏しまくっているこの活動。
知識をくれる外部と実際活動をするホテル内部を繋げられる人が私の他に作れていないことは、活動を大事に育てれば育てるほどにどうしたらいいのかと不安を感じたり。その結果、判断力が爆下がりして女々しくも泣きそうになっていました。

私にもまだまだやりたいことがあって、いつかはこの活動を外から見て微笑んでいるような存在になりたいとも夢を見る。そしてなにより、現在の活動が私だけの思考だけで作られないためにも、「人づくり」の必要性を感じていました。

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職人気質な親父の背中を見て育ったからか、私は人を育てるのが苦手みたいで。私はかっこいい背中を見せられているのか〜とか、気になってしょうがない。特に年下に対してどう接していいかわからなくて、自分のこだわりの強さを押し付けていないか、強い言葉を使っていないか、ぐるぐるぐるぐる。

でも、いろんな人に相談しても糸口も見つからない。今、私がやっていることは、他のみんながやってないことなんだからしょうがない。自分でどうにかするしかない。
クマ活を、つまらない活動にするつもりはない。

今回のクマ活は、これまでやってきたクマ対策の実践というより、「北こぶしスタッフ」内の「人づくり」が目標でした。
クマ活をするためには、ヒグマの基本的な生態などの知識よりも、クマ対策を実践するパワーよりも、「それぞれの立場にはそれぞれの考えがあることを理解すること」が大事かなと思っています。たくさんの人と関わり、話を聞き、物事を知り、視点を増やし、自分の中で巡らせ、絞り込み、活動に昇華させてきた。

クマ活は、ただのクマ対策ではなくなってきます。既存のクマ対策なら一民間企業が力を入れてやる必要はあまりないと思っていて。結構前に間野さんに「パイオニアだ!頑張れ!」と言われたことを、毎回思い出します。あの時はあんまり理解してなかったけど。

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そう思うと、今回のクマ活講座は本当にやってよかったです。
いつも協力してもらっているスタッフには企画段階から参加してもらいました。外部への相談も同席してもらったり、ワークショップの内容を決めたり、練習も一緒にしてもらいました。(その代わりラーメンをおごった。)ワークショップでも各テーブルでサクラ的なことをしてもらいました(してないかも)。運営でもあり、参加者でもある、そんな立場に楽しさを覚えてもらえたら嬉しい。
スタッフ全体としても、参加したクマ活講座では、これでもかというぐらいの知識が手に入ったのではないだろうか。
大学の頃の担当教員 佐藤喜和先生に今回講師を依頼したわけですが、ヒグマの研究から最近のクマ問題・札幌の出没についてなど盛りだくさん。出没の原因が研究結果から考察できることや、四国の話も、アンブレラ種の話も。私の「あれも話してー!」というわがままを全部聞いてくれた内容でした。ほんと好き。
今回の内容は、私ですら新しい発見ばかりだったので、きっとみんなには情報過多かもしれないけど、教科書のように後から役に立つことに気が付くこともあると思ってます。
ワークショップはみんな楽しんでくれたみたいで本当に良かった。ここまで楽しんでもらえたら、きっと「クマ活、またやらないんですか!?」という声が出てくるだろう。というか、出てきて下さい。お願いします。

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外部から参加してもらったほぼほぼ関係者の皆さんもきっと楽しんでもらえたし、「村上応援しよう」だけだったのが「クマ活も応援しよう」に繋がったんじゃないかと思います(そうであればとても嬉しい)。ワークショップに参加した方なら感じてもらったかもしれないけど、この活動、私だけが突っ走ってるんじゃなくて、北こぶしのみんなから愛されていて必要とされています。これからも、まだまだたくさんの壁にぶつかる予定なので、皆さん、助けてほしいし、助けてあげてほしい。

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ここまで「私がいなくなったら」話をたくさんしているけど、いなくなる予定は特にありません。
活動の持続性と発展を求めるのなら、考えないといけないことだと思ったまでなので安心してください。

クマ活を通して、ヒグマを、知床の自然を守ることを通して、地域がつながっていく。地域の外も巻き込みながら。その中心に、今は私がいるのかもしれないけど、その渦がもっと大きくなればいいなぁと思います。

終わった後、寝不足の脳みそがネガティブに動いてしまって、なんだかちょっと落ち込んでました。でも、クマ活終わりに連れて行ってもらった焼肉で、社長から「これまでのクマ活で間違ってると思ったことないから。」と言われて心が救われました。あと12時間寝たらスッキリした。
寺山さんも毎度の如く、「明るく楽しそうにやってるのがいい!」ってお父さんみたいなことを言ってたそうなので、今回は100点ってことで!!佐藤先生もいつも通り遠回しに褒めてたっぽいので、もう100000点!!!!(自己評価高めにいくスタイル)
これからも期待に応えたり応えなかったりしながら、とりあえず明るく楽しく自分なりに活動を続けていきたいと思います🤘

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クマ活から離れるかもしれないけど、ちょこっと今考えていることを書きます。

これからは、企業が社会に与える影響を帳消しにするための活動、いわゆるCSR活動のようなマイナスからゼロにするものではなく、企業の経済活動があるからこそ社会に良い影響を与える、マイナス・ゼロからむしろプラスになるような活動(CSVの考え)が必要になるはず。少なからず、私はそうでありたいと思っています。
知床をよくできるのは何も自然保護管理団体やNPOだけではなくって。知床に多くのお客様をお迎えする北こぶしにしかできないことがあると信じています。
人口減少が進む中、様々な関わり方がある現代で「関係人口」をどうするかがトピックスに上がることが多い。知床を訪れる、知床に住む、知床で研究する、知床でビジネスをする、すでにある多くの人と知床との関係を「より良い関係」にしていく必要があるのではないだろうか。
それについては、むしろ人をおもてなしする接客業こそが本領発揮できることではないのかとも思う今日この頃。

これからの観光も変わってくるだろう。観光すれば現地の何かが消費され尽くし、地方が疲弊していくオーバーツーリズムのようなものは消え去り、エコツーリズムやその先にある「リジェネラティブトラベル(再生可能な旅。先ほどのCSVのツーリズムバージョンだと思っている。)」の確立によって、人が来れば来るほどにその地方は経済的にも潤い、活気があふれ、地域資源は守られ、光り輝くのではないだろうか。

それの一つのきっかけが、もしかしたらクマ活や知床ゴミ拾いプロジェクトなのではないだろうか。

欲張りかもしれないけど、夢を見ているわけではなくて。
今、知床に暮らして生きている私が、そうなれると信じている。
自分のやりたいことやって、その先で世界が救われるのであれば、これ以上かっこいいことはないよね。

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そういえば今回、初めてワークショップのファシリテーターをやったわけですが、実はいろんな動きの結果のチャレンジでした。
4月にやった知床ゴミ拾いプロジェクトのワークショップで簡単な司会進行で仕切ることの難しさに触れ、8月には会社のビジョン・ミッションを決めるワークショップで、東京の企業のサスティナブル担当の方によるプロの動きを見て真似したくなりました。極め付けは北海道大学の産学連携プログラムDEMOLA。ファシリテーターの進行にはバチバチに刺激をもらってしまいました。かっこいい人を見つけるとすぐに真似したくなるクセを、今回のクマ活ワークショップで見事に発揮したわけです。
この3つとの関わりがなかったら、こんな突拍子もないチャレンジはしなかっただろう。

というわけで、今の私の思考を先取ってくれた3冊で終わります。

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