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きまぐれ日記『土壇場のMC力(21/03/20)』

『アイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)』の2周年ライブに参加してきた。

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本来は2020年の5月に開催される予定だったものが、延期を重ねて1年越しに実現した形だ。2020年5月といえば、僕は本格的にシャニマスを始めてすらいなかった。そんな僕が現地でサイリウムを振るようにまでなっているのだから、どうなるかわからないものですね……。

今回のライブは、僕が今まで参加してきたアイマスのライブの中でも5本の指に入るくらい印象的な公演だった。セットリストや演者のクオリティの高さに関しては、シャニマスにあまり明るくない僕があえて語るべくもないと思うので、ここでは僕が感動したままのことを書く。


公演中に地震が発生し、幕張メッセの会場も結構揺れた。その時は曲と曲の合間のMCパートだったが、会場内に不穏な動揺が走った。

一番不安になるであろう舞台上にいる演者の方々は、あくまで「地震」という言葉を使わず、演者として冷静にトークを続けたまま、かつアクシデントにしっかりと対応した。公演は一時中断になったけど、そこまでを繋いでみせたのだ。

これは本当にすごいことだ。僕だったらそんなことができるだろうか。

僕なら、すぐに業務連絡的なことを言ってしまうと思う。「強い揺れだったので、一旦ご着席いただいて、会場からの案内を待ちましょう」みたいなことをとりあえず口にしてしまうはずだ。もちろんこれは悪いことではないと思うけど。

ただ、ライブ中という状況下において、歌唱であれMCであれ、演者はパフォーマンスとして披露しなければならない。アクシデントが起きたとしても、それに対するフォローの匙加減のようなものが重要になってくるのだろうけど、今回でいえばそれがものすごく上手かった。

アイマスのライブは、ゲーム中におけるプロデューサーとアイドルという関係性のロールプレイングを再現している。なんというか、現実世界の出来事でありながら、メタフィクション性を極力ブラインドしようというバランス感覚に細心の注意を払っているのだ。

そんなバランス感覚が、あの時のMCにおいては見事に現れていた。もちろん計算的な部分もあっただろうけど、どちらかというと「こっちが正しいはず!」という感覚の流れのままに進めて、それが見事結実したアドリブであったように思う。

演者の方々がステージから退場したあと、僕は涙が出そうになった。不安にさせまいというMCに救われたのもあるし、なによりそれ自体のプロ意識の高さに感動してしまった。素晴らしいMCの形を見せていただいた。


これはあくまでアクシデントへの対応であって、これだけを取り上げて「良いライブでした!」というのはズレているかもしれないけど、それでも今回の公演を語る上でこの話は外せないと思ったので書きました(他の人も散々言ってる内容だろうと思いますが……)。

もちろん、上記の話を抜きにしても本当に素晴らしいライブでした。どのユニットの方々もめちゃくちゃ仕上がっていて、アイドルと声優さんが頭の中でそこまで結びついていない僕でも没入して楽しめたし、何より久々の現地ライブということもあって楽しかった。もっともっと状況が良くなっていって、今まで通りのライブができる日に戻ってくれたらいいな。

ちゃんと予習できていない曲も多かったから、プレイリストを作ってじっくり聴き返したいねえ……。

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