世界で一番やさしい会議の教科書

著者:榊巻 亮さん

発行・発売:日経BP

発売日:2015年12月

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はじめに

みなさん、こんな経験ありませんか?
「会議、長いなー」
「長い会議だったのに、何も決まっていないな」
「会議の時間、どんなことして過ごそうかな」
世の中には、このように思われる会議が溢れてます。いわゆる、「ダメな会議」とでもいうべき会議です(本書ではグダグダ会議と言ってます)。
会議は、新入社員として入社してから定年を迎えるまでに約3万時間会議をしているというデータがあります。
これは、1日の仕事の活動時間を8時間として場合、約10年間会議をしているということになります。
無駄と思えるようなダメな会議に私たちは10年間も時間を拘束されてます。
時間は命です。時間を無駄な時間に拘束されているということは、自殺行為のようなものです。
本書は、この自殺行為にも相当するような「会議」にスポットをあて、会議を劇的に変える、あるいは、有意義な時間にするための方法は、わかりやすく記載されてます。

読んでいただきたい人

・会議にうんざりしている人
・時間を無駄にしたくない人
・会議を良い方向に変革した人

絶対にやってはいけないダメな会議の特選3選

ダメな会議、グダグダな会議とはどのような会議でしょう。
代表的な事例を3つ挙げます。

■そもそも集まるべきでない
人が集まり面と向かって行う会議は、
・複雑な議論を行う
・合意を得る
この2つの会議のみです。あとは、面と向かって集まって会議をせずとも別の方法で行うことができます。
複雑な議論の場合には、表情な声のトーンなども重要なため、集めって会議を行うことで深く議論を行うことができます。
次に合意を得る会議のためには、決定権者が同席のもの、その場で決定される会議のため、集まって会議を行うことで、決定スピードも上がるので、面と向かった会議が必要です。
しかし、上記以外の会議は人が集まり面と向かって行わなくてもできる物ばかりです。例えば、定例報告会のような資料を読み上げるだけのような会議であれば、メールで配信するだけで終了です。各自、メールで文面を読むという行為の方がスピードも速いです。
あるいは情報共有の会議。こちらも情報をメールで送信するだけで終了できます。
会議は、情報共有であれば、情報共有の中から議論した部分だけを抜き出し、その部分のみを会議で議論するということだけでも、会議の時間の短縮を図ることができます。
そもそも集めるべきでない会議を行っていることに気づくことが大切です。

■どういう状態になったら終わりかわからない
どういう状態になったら会議が終了するかの共有がされていない会議は、必ずダメな会議、グダグダ会議になります。
目標が設定されていない場合、だれかれ構わず、好き勝手に意見が出たりすることで、主題があちこちに散らばり収集できなくなり、最終的に何を行えば良かったかが曖昧になり、その状態で会議が終了します。

■決まったことを確認していない
会議で決まったことを確認していないと、コミュニケーションミスが起こる可能性が高くなります。
誰が何を行うかを最終的に確認していない場合、やる事がの指示も誰が行うかが曖昧となり、指示したつもりが、指示を受けていないという状態になり、会議後もグダグダとなります。

ダメな会議を無くすためには

結論から申し上げると、「ダメな会議は若手でないと変えることができない」ということです。
ダメな会議を行っているのは、往々にして「年配のリーダークラスの方々」です。この人たちは、わざとグダグダ会議を行うようにしているのではありません。ただ気づかぬうちにその会議が「気持ちいい」時間になっているのです。資料を作るのでもなく、言いたいことだけ言える時間、反対されることもなく独壇場になることもあり、それだけで「仕事をしている感」になっていると想定されます。
この人達に大きなメリットがあり、デメリットがないので、ダメな会議はわかわないのです。
ここにメスを入れるのが「若手」です。

ダメな会議を無くす方法

①ファーストステップ:会議の終盤に「決まったことを確認する」
決まったことを確認することで、「会議は何かを決定する場所あるいは、アクションを生み出す場所」であることが自然と浸透していきます。

②セカンドステップ:終了条件を確認する
ファーストステップが浸透したところで、次に会議の冒頭に「終了条件を確認する」という行動を行います。
どのような状態になれば会議がまとまるのか、会議の冒頭に全員で確認しあうことで、話し合いの目標のベクトルが揃います。

③ファイナルステップ:ホワイトボードで議事録を取る
会議は、あとから入った人が、あるは会議に集中していない人もいる可能性あります。そのような人でもホワイトボードで話し合いの内容を確認できれば、再度説明する手間が省けます。
そしてホワイトボードの終了条件が記載されておけば、話が迷走した場合、軌道修正を行いやすくなります。

隠れファシリテーター

ファシリテーターは会議をスムーズに進行される役目を担っております。
若手がいきなりホワイトボードを使い「ファシリテーターを行います」と言っても、聞き入れてもらえない可能性もありますので、ダメな会議を無くす方法で記載した順序で行うことで「隠れファシリテーター」になることができます。そして、ダメなグダグダ会議を終わらせることができます。

まとめ

隠れファシリテーターを実施し、ぜひ命と同等に大切な「時間」を有意義な時間に変えていきましょう。
グダグダ会議を終わらせない限り、10年以上苦痛な時間を過ごすこといなる可能性があります。
そうなりませんよう、ぜひ会議を変える行動を行っていきましょう。