ひらいて

ひらいて観た。綿矢りさ原作、山田杏奈主演で高校を舞台にJKの恋模様を描く映画。と書くと胸キュンに聞こえるけどこの作品は結構ダーク。天真爛漫な主人公が自分の恋路のために周りを巻き込んでぐちゃぐちゃにする。けど手段を選ばないから上手くいく訳もなく自分が破滅に向かう。

心が揺れるところは何度かある手紙のシーン。登場人物の感情がわかるよーなシーンはチラホラある。でも好きな人の好きな人を奪うと決めたときの眼力はさすがに震えた。なんつー三角関係だよ。嫌われるとわかっての行動だろうし暴露後のセリフでは"嫌いでも嬉しい"とか"何でもないただの会話はもういや"みたいなシーンもあったし。意中の人の興味を引くために手段を選ばない感じがこの作品のおもしろいところ。

百合のシーンもダークで官能的だった。イケナイことしちゃったみたいなかわいいものじゃない。黒い黒い。しかも長い。出来心から生まれた自分でもコントロールできない悪魔を曝け出した瞬間。のめり込むポイント。

三角関係の両方から目がおかしいって言われてウッてなってるシーンがリアルだった。自分が本音じゃないのがバレバレで、自分が相手に伝えた言葉は本当は自分に言い聞かせてたのに気づく。自分でも無意識なところをズバッと言われたときのやり場のない気まずさは痛々しい。

主演の山田杏奈好きなんだよなー。小さな恋のうたで彼女を知った。笑顔はかわいいし気だるそうなツンとした表情もいい。今回の役は難しそうで山田杏奈自身も役と戦ってそう。主演の子が意中の男子の前で自ら服を脱ぐ演出って良くあるのかな。どんどんやってほしいわ。この子は下着までだったけど。それでも本当にありがとうございます♂

作品タイトルは、手紙を開くのと心を開くのを掛けてるのかな。セリフ少なめだったし小説を読むほうがいいかも。作品の理解を深めたい。以上。

10/25 追記
意中の男子に告白したときに、その男子が"上手く言えないけどなんか嘘っぽく聞こえる、全体的に"みたいなひどいこと言ってたけど、この時点でその男子は主演の子の目が死んでるところを見透かしていたのかなと。お互いなじり合うシーンも言葉が暗くて強くて冷たい。この作品のダークさを強く表現している瞬間に思った。