わたしのお仕事の話


お昼にこのようなマシュマロをいただいていたので、お答えしようと思います。

ツイッターで答えるには少し長くなってしまいそうだったので、こちらで。



何をしてる人なのか

普段は「エンジニアです」と答えることが多いのですが、「エンジニアです」と言われても幅が広すぎる上に馴染みのない人にとってはあまりピンと来ないと思います。

職業としては「エンジニア」の中の、「Webエンジニア」の中の、さらに細分化すると「サーバーサイドエンジニア」になります。

「通販サイト鯖落ちしてる」「チケットぴあのサーバーつながらない」みたいなふうに割と日常で「サーバー」という言葉を聞くこともあるかと思いますが、アレをつくっている人、ということですね。
簡単に言うと「インターネットの裏側をつくっている人です」みたいなふうになります(表側として、Webサイトやスマホアプリを作る人が別にいるのです)。


もうすこしパーソナルな話をすると、普段は「こういう機能が作りたいんだよね」という話を聞いてその実現方法を考えてプログラムを書くという仕事をやっていますが、「こういう機能、って言いますけど、実際こういう機能の方が使いやすくないですか?」みたいな提案をしたり、逆に「こういう機能が作りたいんだけど、どういうデザインにするか迷ってるんだよね」という話を聞いてデザインの案を作ったり、日によっていろいろやってます。



いつ決めたのか

わたしがプログラミングにはじめて触れたのは中学1年生の頃だったのですが、中学生の頃から学校が終わったらすぐ家に帰ってパソコンを開いて、Webサイトを作ったり、ペンタブで絵を描いたり、DTMで音楽を作ったり、動画を作ったり、みたいなことをしてました。

なぜかというと、お金がない学生身分にとって「家にたまたまあったパソコンを使えば無料ソフトを使うだけでもこんなにたくさん遊べる」というのが魅力的だったからです。

というので、中学校を卒業するときにはなんとなく「あ、わたしこのままパソコンの専門の仕事をするだろうな」という感覚を持っていました。
高校を選ぶときにもずっと情報科のある学校を眺めていて、学年主任面談のときに「お前は勉強もできるからパソコンがやりたいなら高専に行きなさい」と言われ、オープンキャンパスに行ってみたらやべーオタクの人だらけでウケたのでそのまま高専に行きました(母校のオープンキャンパスは学祭と一緒に開催されますが、高専の学祭とはラブライブのコスプレをした男子学生などが平気でその辺を歩き回っているようなイベントです)。


高専に入ってからは友達に誘われてプログラミングやゲーム開発をする部活に入って、「ゲームをつくる人になりたいな」ぐらいに思っていました。
結局今はゲーム作ってないですけどね。ゲーム、遊ぶのが下手すぎて作れなくて、やめました。



何故決めたのか

先述の通り「パソコンの専門の仕事をするだろうな」と思っていた、というのがまずひとつありますが、実は高専を出てWebエンジニアになる人というのはあまり多くないです。
少なくともわたしの母校、わたしの卒業学科では、大抵の人が卒業後工場勤務をしているはずです。

わたしのようなWebエンジニアをやっている人は大抵、
「高専でプログラミングをやっていた人の中でも特別プログラミングが好きで、上手で、趣味の時間を全てプログラミングに費やして、自分で専門書を買って勉強したり、プログラミングの講座やカンファレンスに自分から参加し、就活も全部ひとりでやる、学校から案内のある合説には行かない」
みたいな端的に言うと「意識の高い狂人」みたいな学生時代を過ごしていると思います。


では何故わたしがそういう道を選んだかというと、プログラミングが好きで得意だったから、というのもありますが、いわゆる「Web系の会社」は押し並べて労働環境が自由、というところが大きいです。

わたしが元々オタク気質で「好きなコンテンツのイベントに仕事があるからって行けないとか絶対嫌だ」と思っていたというのも少なからずありますが、一番は自分がADHDかつ元パニック障害で対人恐怖症のきらいがある(以前は精神科に通っていました。今は行ってないです)という点で、「もしも自分が生きていける道があるとすればここしかない」という確信をしていました。

まあざっくり言うと「外回りや接客は苦手」、「やらなければいけないことが状況によって変わる仕事はパニックを起こすリスクが大きいので無理」、「ミスが許されない書類仕事や締切の厳しい仕事は苦手」みたいな感じです。
昔飲食店の接客のバイトをしてたときはバイト中にパニック発作を起こして仕事をやめたことがあります。


まあできないことが多い代わりにできることはすごくできる(勉強は得意だし、ものづくりに関してはとにかくマルチになんでもある程度できるし、それを自分から学ぶことも全く苦ではありません)のでそういうところ人間のスペックってなかなかバランス良く出来てるなと思うわけですけど、そういう理由があって「自分がやっていける環境はこういうところにしかないだろう」と思っていました。高3のときぐらいからかな。

所謂ホワイトなWeb系企業の就職活動は一般的なのより半年早くて、卒業2年前の秋にはもう面接とかが始まるのですが、自分には残された時間が1年しかなかったのでそこに気付いてからはとにかく寝る間も惜しんで就活のために勉強してた覚えがあります。


ちなみにもしかすると質問いただいた方やお読みいただいている方の中には「クリエイターではなくエンジニアを選んだ理由」を不思議に思っている方がいるかもしれないのですけど、これに関しては自分がイラストや漫画を描いたり音楽を作ったりといろいろしてきた中で「自分が真価を発揮できるのは『0から1を生み出す』過程ではなく『1を100にする』過程にあるんだな」というのに気付いていたから、というのが大きいです。

あとは度々ツイッターでも言っていますが、「自分のやりたいことや作りたいものは別に一般受けするものじゃない、自分は自分の表現が好きだけど」というやつですね。






あまり長くなってもなのでさらっと書きましたが、思ったよりは長くなってしまってすみません。読みづらかったかな。

総括すると「他にできる仕事がなかったからサーバーサイドエンジニアをやっています」という話になります。
たまたまわたしは運が良くて、考えるのが得意で、諦めが悪かったので、自分にもなんとかやっていける場所と自分の得意なことを一致させることができた、みたいなことですかね。


質問者さんが何を思ってこの質問をくださったのかわからないですが、好奇心であれば満たせる内容になっていたら良いなと思います。

道に迷っているようであれば、まあ……わたしに言えるのは「前向いて諦めず頑張れ」ぐらいです。

「ADHDでパニック障害で対人恐怖症」のくだりで多分ほとんどの人に「コイツマジでおしまいすぎるだろ」と思われたと思っていますが、まあそんなおしまいの人間でもやりよう次第ではこんな風に起死回生の一点を食らわせたり、できるものです。できたわたしがいるから。当然簡単じゃないけどね。


というので多分質問いただいたときに想像されたのより随分と自分語りめいたお返事になってしまって恐縮ですが、以上を質問の回答とさせてください。

ではでは~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?