Shadow Tactics ゲーム感想

一言感想

じっくりと時間をかけながらプレイできるステルスゲームで、難しいがその分キャラクターへの感情移入がすごい

簡単な作品紹介

江戸時代の日本、平和を望む将軍の意に反して、謀略と反乱が起きていた。
謎の多い黒幕を打倒すべく、将軍は5人の精鋭に任務を命ずる。
それぞれ違う特技を持つ彼らは協力し、連携し、その陰謀を止めるべく暗躍する。

5人のキャラクターを動かし、情報収集やターゲットの暗殺などを行う日本語フルボイス対応のストラテジーゲーム。
攻略は決して一本道ではなく、様々な方法でクリアが出来る。
それぞれのキャラクターの特徴を理解し、周りの環境を理解し、任務達成を目指す。

作品感想

数年前からアサシンクリードといったステルスゲームの実況動画などを見て興味はあったが、パソコンスペックの関係上なかなか手を出せないでいた。
しかし今回steamでセールのところを見かけて、スペックも大丈夫そうだったので購入してみた。

率直な感想としては、キャラクター及びストーリーとゲームプレイで意見が分かれる。
キャラクター及びストーリーは好ましいと思うが、いわゆる操作などのゲームプレイについては少し不満もある。

キャラクター

キャラクターに関しては、全員操作するからなのか非常に愛着が湧く。
5人のキャラクターは攻撃方法も出来ることも違ければ、行ける場所や物の運び方までも違う。
それぞれの違いはきちんとキャラクターの特徴にあっており、それぞれのキャラクターを動かすのは非常に面白い。
下記で軽く紹介する。

チームリーダーの忍者・隼人
・ゲームで操作する最初のキャラクター
・石で敵の注意をそらしたり、刀と手裏剣で音もなく敵を殺せる

孤児の見習い・雪
・任務途中の隼人に出会い、その技を見て学びたいと思い弟子入りをする
・地面に罠を設置し、動物の鳴き真似で敵を誘い込める

忠義に生きる侍・武源
・将軍に忠義を誓い、情に厚く力強い侍
・お酒で敵をおびき寄せて音もなく殺すことも、三人を一気に殺すことも出来る

変装の達人・愛琥
・武源の呼びかけに応じチームに加わり、敵を欺くことに特化した忍者
・敵の視界を一時的に奪ったり、変装を用いて敵に気づかれずに潜入できる

狙撃の達人・巧磨
・かなり年を取っているが、卓越した射撃術とものづくりでチームを支える
・遠方からの射撃はもちろん、手製の爆弾や友の狸で敵を引き付けられる

それぞれ独自の特徴があるため、戦略を考えるのも面白いし、お互いの関係性などという点でもゲームを間違いなく面白くする要素だ。

ストーリー

ゲーム自体は任務でマップが毎回切り替わるが、全ての任務はストーリーに乗っ取っている。
ストーリーは主に将軍の命令を主軸に構成されている。
もちろんその物語の展開も面白いが、特に好きになったのはキャラクター間のやり取りやストーリーを通しての変化などだ。
例えば武源の将軍に対する忠義の話は非常に面白く、他のキャラクターにも心境の変化を与えるものだ。
個人的には雪の成長する姿や、その雪に対する他キャラクターの接し方なども好きだ。
任務を重ねるごとにキャラクターの関係性やキャラクター自身が少しずつ変化するので、最後まで見届けたくなる。

ゲームプレイ:キャラクター操作

さてゲームプレイについてだが、今まで書いてきたような好意的なことばかりでは残念がらない。
不満点は主に二つ:キャラクターの操作とカメラの操作。

キャラクターの操作についてだが、先に言うとこれに関してはそこまで大きな不満があるわけではなく、ただ慣れるまで少し時間がかかると感じた。
それこそ、これは私がこういったジャンルに多く触れていないから出る感想なのかもしれない。
なお、私の場合はキーボードとマウスで操作したため、コントローラーを使用した場合の操作感は分かりかねる。
また操作に関してだが、私は普段から遊んでいるLeague of Legends (LoL)を基準にしていることは否めない。
そのため、もしかしたら私の基準の方が珍しいのかもしれない。

まずキャラクターの移動は基本キーボードではなくマウスクリックで行われる。
LoLも似た操作なので個人的には大きな障害ではなかったが、初めての人からしてみれば慣れるための最初の関門だと感じた。

また、移動と攻撃などの行動のボタンが分かれているというのも難点に感じた。
LoLだと移動も攻撃も同じ右クリックで行われ、画面のどこをクリックするかによって移動なのか攻撃なのかが変わる。
このゲームだとこれは違い、移動と攻撃のボタンが分けられている。
私の場合、移動は右クリックにと設定したため、敵に右クリックしても攻撃はせず、ただ目の前に移動するということが起きる。
度々このせいで本来は攻撃したいのに、ただ敵の目の前に移動して自分の姿をさらすという珍事が度々起きてしまった。
この攻撃のためにわざわざ違うボタンを押さないといけないということにも慣れが必要だと感じた。

ゲームプレイ:カメラ操作

とはいえ、キャラクター操作については慣れでなんとかカバーできると思った。
真に問題だと感じ、度々イラっとしてしまったのはカメラの操作だ。

ゲームのトレーラーなどを見てもらえれば分かるが、このゲームのカメラはキャラクターの視点ではなく、上空からマップ全体を見下ろす視点となっている。
この視点自体はLoLでも共通しており、多くのストラテジーゲームもこういった視点を取っていると想像する。
しかし、このゲームにおいてこのカメラ、具体的には角度が悪さをする。

先ほどカメラは上空からと言ったが、厳密には真上からではなく、少し角度がある。
そのため、手前に屋根や建物があると、遮蔽物となりその向こう側を見えなかったりクリックできなくなったりする。
そこでカメラを横に回転することで遮蔽の向こう側を見ることが出来るが、この回転操作こそが最大のイライラポイントだ。

普段ストラテジーゲームをやっていない人からしてみると、カメラ操作は流動的なものを想像する。
具体的には、マウスの動きなどよってどれぐらいカメラ視点を動かすかをかなり精度よく変えることが出来る。
このゲームでも、マップの表示位置などはこういったカメラ操作だ。
しかし、ことカメラの回転においてはそうではなく、3つの角度を主軸にしている。

カメラの回転はボタンの操作で行われるが、この回転はボタンの一回押すことでA側からの視点、B側、C側といったように変わるようになっている。
つまり、例えばAとBの間の角度で見たい、といったことが感覚的に出来ないのだ。
厳密には出来ないわけではないが、ボタンの同時押しという少し裏技的な方法でしかやるしかないため、これが非常にストレスだと感じた。
キャラクターが敵に見つかることのない安全な位置にいるならまだしも、敵に見つかりそうな場面でこのカメラ操作に引っかかると、かなりイラっとする。
このゲームの改善点を一つだけ選ぶとしたら、間違いなくこのカメラ操作をあげる。

終わり

最後はゲームに対する不満で記事を終えてしまったが、全体的な評価としては好意的である。
実際キャラクターにはものすごく感情移入したし、特にとある任務でかなりえぐいと思った演出があり、それには思わず叫んだほどである。
カメラ操作に問題を感じたが、少なくとも購入に後悔はない。
ただ全実績解除をしようとも思わないかな。
steamとps4で遊べるようなので、興味あれば是非。

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