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the end of your stories

知らない景色が見たくて世界を旅して。
いつもと違う帰り道を歩いても。

目に映る景色は、いつまでも晴れを望めないような、どんよりとした曇り空の色をしている。どこにいて何をしても、すべてに同じ色のフィルターがかかってる。

あの頃はどうしてもこの色を塗らなきゃいけなくて、そうじゃないと外の光が強すぎて目が開けられなかったから。

だけどもう、長年大切に使ってきたこのどんより色のフィルターは、海沿いのあのアトリエにそっと置いていこうと思ってる。大丈夫。この悲しみが消えることはないし、外の光の眩しさは、今の瞳で見ていける。

ちゃんとわかっているのだ。本当は喜びを喜びとして見たいと思っていて、それが鮮やかなマゼンタだということ。寂しさは深いインディゴブルーで、深い青が包み込むように安心させてくれること。もう知っている。悲しみは、ずっと続きはしないんだということを。

ぼんやりとした輪郭をくっきり縁取ってみる。一つ一つの物語を、ていねいに完結させていこうと思うのだ。

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