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12/8

今年もこの日がきた。時が経つのは本当に早いもので、もう5年が経ってしまった。

紅葉した葉が落ち始め本格的に寒くなり、世間がクリスマスムードへと移行を始めている。1年の最後の月だ。もう2019年も終わる。

四季があるのはとてもいいな、とこういう時に感じる。思い出はこうして季節の流れとともに記憶に残る。楽しいことも辛いことも、大体どんな季節だったか覚えているものだ。季節や気候でふと、昔の思い出が蘇るのはとても趣深いことだと思うのだ。

毎年この日は、家族や友人、何気ない一瞬を大切にしようと思い返す。1年経つうちにその気持ちは緩くなっていくが、またこうして考える日が来る。

まるで毎年注意されているようで、小恥ずかしい気持ちになる。この文章を書いているのも日付が変わりそうな時間帯で、注意されそうだ。

12月8日は、友人の命日だ。

友人を亡くしたのははじめてだった。別れはこうして突然に来るということを思い知らされた。今でも、何処かに行けば会えるような気がしてならない。5年経ったって実感は持てない。

当時高校生だった彼女の時はそこから止まっている。自分はもうすぐ学生が終わり、社会人になるのに、こんなでいいのかと不安になる。

もしこの歳で会うことができたなら、夜中にメッセージ1本で地元で集まり一緒に酒を飲んでいただろう。外見がかなり変わった今の自分とあったら、彼女は気付かないだろうか。身長、170超えたよ。最近は髪を染めてみたりしたんだ。文章もこうして練習してるよ。

彼女とは、中学で仲良くなった。クラスは2回、一緒になった。明るく元気で、友達の多い子だった。なにがきっかけで仲良くなったのかはあまり覚えていないが、お菓子を作ってくれたり、恋愛相談に乗ったり、本を借りたりした。当時の自分には珍しい、仲のいい女子だった。

高校に入ってからはあまり会う機会がなかったが、たまにメッセージでやりとりはしていた。突然彼女はいなくなってしまった。葬儀には多くの人が訪れていた。

それから毎年、命日と誕生日が近くなると友人達と墓参りに行っている。半年もしくは1年ごとに自分の進捗を報告する。普段は休みが合わず会えない友人も、この日だけは集まっている。無理やり予定を合わせるので、大抵集合が早くみんなで朝マックを食べながら向かう。

今年も報告することがたくさんある。就活も終わってもう4月から働く。アメリカに行った。初めて髪を染めた。最近また本読み始めた。カメラも買った。あの子と飲みに行った。新しい友達が増えた。

心を締めなおすだけじゃなく、1年を振り返る日でもあるんだなと思った。毎年ありがとう。こうして振り返っていくと変わってきた自分に気が付く。5年で良くも悪くもかなり変わったものだなと自分でも感心する。

今回の墓参りは、みんなと行ける最後になるかもしれない。自分のタイミング的にも重要な意味合いがある。これまでの振り返りと、これからのことをしっかりと報告したい。

今回もみんなで朝マックを食べながら、いつもどおりのたわいのない会話をしながら、会いに行こうと思う。


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