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世界を革命する力をーーーーーー!!!

オリンピックの開会式では夏なら「夏はマシンガン」、冬なら「冬もマシンガン」を流したい男、どうもゴリスナー・オルタです。

先日少し話題に出したかと思いますが中国アニメが凄いという話をします。最初に断っておきますが、中国マンセー的なあれではないです。

アニメ・マンガ・ゲームなど、日本のサブカルチャーが「クールジャパン」という名目で海外に推し出されて久しいかと思います。そういう世間の風潮の中で育ったオタクの皆さんも、何となく日本のセルアニメってやっぱり世界一なんじゃないのという印象を持っている人が多いんじゃないでしょうか。
まあ見方によっては今でも世界一ではあるんですが、実は日本のアニメって今はもう「先端」ではあっても「先頭」ではないかもよ、というのが今回のお話です。

3年前に僕がTwitterで見かけてバチクソビビった中国のアニメ「武塾」のティザームービーです。作画・カメラワーク・背景美術と机の山のCGとの融和性・カットの繋ぎ方、全てにおいてかなり高いレベルだというのが素人目に見ても分かるんじゃないかと思います。このアニメは本編が今年やるみたいなんでワンチャンネトフリとかで配信されないかな~と期待しています。

一応最新版のPVも載せておきます。正直最新の方は海外アニメっぽい露骨な止めスライドとかが入っていたりして日本アニメに馴染んだ僕の目からすると少しカートゥーン感が強すぎかなとも思いますが、それでも主人公たち4人が寄棟屋根の端にそれぞれ立つカットとかかっこいいですね。

普段皆さんが見ているアニメの「線」というのは、実は日本のものではない事が大半です。アニメの基になっているものが原画だというのはオタクな皆さんなら知っているかと思いますが、この線が実際に画面に反映されることはありません。この原画の線を忠実になぞり、かつその1枚1枚の間に「中割り」という動きを足す為の画を作る動画という工程があり、それを描く動画マンの線が実際に皆さんが画面で見ているアニメの線になります。それでこの動画という工程は、現在日本にあるほとんどのスタジオが中国を始めとした海外の下請け会社にお願いしています。僕の働いていたアニメ会社でもほとんどフィリピンか中国の下請けに任せていました。

なぜ海外に出しているかというと、一番の理由が人海戦術が利くからなんですね。日本のアニメ業界がブラックなのも手伝って現在国内にいるアニメーターは5000人~6000人とかって言われてます。その中でマトモにアニメーションが描ける人材に絞るともっと少ないでしょう。そういう人たちは原画の段階で描いてたりするので、国内のアニメーターだけでは動画の段階まで手が回らないんですね。なんせ日本は狂っているので1週間に50本とかアニメがやってたりします。他の日本の産業と一緒で、マニュアルを日本人が作って生産は海外、その方が人手も多いし。

中でも中国は特に凄くて、アニメーターを育成するために国がお金を出して支援してたりもするので、実は中国の方でアニメーターを志す人は結構多く、気合のある人は日本に渡ってアニメの勉強をしに来てたりします。しかもわざわざ国から出なくても近所の島国から教材の原画が入ってくるわけだから、そりゃあこれだけのクオリティのものが作れても全然不思議じゃないですね。「クールジャパン」とかいって日本のマンガ・アニメをハリウッド化する為の映画会社を22億も税金使って作ったのに結局1本も映画作らないまま3000万で民間に払い下げた自分たちが情けなくなってきます。

まあそんなことはどうでも良いんですが、そういう背景もあって海外のアニメっていうのは日本のアニメ技術をどんどん吸収してハイクオリティになっていっているよという話です。いつまでも海外の2Dアニメがスポンジボブみたいなクオリティで止まっているわけではないということです。

つい最近ネトフリで配信された「不死身な僕の日常」というこれまた中国原作のアニメです。僕これ見たんですけど、かなり面白かったですね。なにが面白かったのかというと、クオリティが高いのは勿論なんですけど「ジャパニメーションパロディ」がめちゃくちゃ多いんですね。まず作品全体の雰囲気が完全になろうアニメで、1話だけ見ても最強すぎる主人公が実力を隠し切れずに「俺なんかやっちゃいました?」という展開がめちゃくちゃあります。他にも明らかにまどマギ3話のオマージュだろというシーンがあったり、作中の敵キャラクターが処刑用BGMにツッコんだり、こういうメタを楽しむためのアニメの存在って、やっぱり中国でアニメーションという文化が1段上のステージに来たのかなって感じがしますね。まあネトフリ配信のアニメって海外向けに作ってることが多いんで日本で僕みたいなオタクが一人ウケてても中国国内じゃ大スベリしてるかもしれませんが。

僕はもうアニメの業界を去ってしまった身なので説得力も何も無いのですが、日本のアニメ業界ってもう少しよくならね~かな~とは常々思ってます。よくTwitterで「国が日本の誇るべき文化として支援しろ!」とかテキトー抜かしてる無責任なオタクがいますが、国がお金を出すという事は必然的に表現の規制も厳しくなるだろうし、そもそも国が支援しても現場に何も還元されず結局税金の無駄遣いになった前例もあるので、そう簡単にはいかないから困ってるんだよね~という目で見ています。そうは言っても今じゃ中国のアニメを日本のアニメーターが下請けしたり、ネトフリみたいなアメリカの資本でアニメを作らせてもらってようやく食べていけてる人なんかもいるので、何かしらの変革が必要なのも事実なのですが。

という事で僕が明日から潔くカッコよく誰もが振り向く女になって日本のアニメ業界を革命してきます、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!

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おまけなんですけど僕の心臓には海外アニメの話になるとこれをオススメしなければならないジャッジメントチェーンが埋め込まれているので最後にリンクだけ貼っておきます。

2Dアニメの話題からは逸れますが、これもかなり前にTwitterでハチャメチャにバズったアメリカの3DCGアニメで「RWBY」という作品です。
これも原作者が日本のアニメに影響を受けて作られた作品なのですが、正直3DCGでしか出来ない表現や、斬新なアクションの繋ぎ方など、日本のアニメでそれまで見なかった技法が随所に見られて、「日本アニメに影響された作品」という枠組みを完全に超えてただの「RWBY」というアニメそのものになったという印象があります。面白いので見てください。ニコニコとかRoosterTeethという制作会社の公式配信アプリなんかで見れます。

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