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アクションカムCrosstour CT9500のプチレビュー

7,000円弱で買ったアクションカムCrosstour CT9500のサンプル動画を、感想を交えながら紹介します。購入を検討している方の参考になれば幸いです。

今回は、マイク性能、暗所性能や感度(ISO)性能、防水性能、静止画性能は検証してません。

1. 基本設定

基本的に、以下のような設定で撮影しています。

  • 解像度&フレームレート=4K(3840x2160)@30fps

  • 手ブレ補正(EIS)=OFF

  • コーデック=H.265

  • レンズ角度=中(Medium)

  • 露出補正=-0.5

  • ISO=Auto

  • ホワイトバランス(WB)=日光(Daylight)

  • シーンモード=人物(Person)

  • ファームウェアバージョン=V4.1.0.4-A

この設定を基準として、一部のパラメータを変化させながら違いを比較しました。

YouTubeに上げた動画は、Shotcutというソフトで編集し、WQHD(2560x1440)@30fps、H.265の20Mbpsで書き出したものです。YouTube側でも再エンコードされるので、オリジナル映像よりも画質は落ちます。

2. 解像度&フレームレート

高フレームレートは使えるか?

基本は30fpsですが、高フレームレートの設定も選べるようになっています。しかし4K@50fpsはフェイクでした。50フレーム中20フレームは前フレームのコピーになっています。oxooxoxooxといったリズムで、xの部分がコピーです。また、50fpsでも30fpsでも、ビットレートは32Mbps前後(H.265)でした。私の目には、なめらかさや画質の変化は感じられませんでした。

他の解像度の場合は、コピーこそしてないものの、高フレームレートにしてはビットレートが低いのが不思議です。これも、私の目には違いが分かりません。試し撮りしたときのビットレートは、こんな感じです(すべてH.265)。

4K(3840x2160)    @ 50fps  32097480bps
4K(3840x2160)    @ 30fps  31710637bps
2.7K(2704x1520)  @ 30fps  31758046bps
1440p(1920x1440) @ 60fps  29986015bps
1440p(1920x1440) @ 30fps  23269648bps
FHD(1920x1080)   @ 60fps  22129688bps
FHD(1920x1080)   @ 30fps  22890252bps
720p(1280x720)   @120fps  21864579bps
720p(1280x720)   @ 60fps  22048822bps

フェイクである4K@50fpsを除けば、高フレームレートのモードはスローモーション撮影にも使えます(後述)。

解像度による違い

というわけで、このあとは、すべて30fpsの映像について述べていきます(720pのみ、例外的に60fps)。

4Kは、文句なしにキレイです。WQHDやFHDのモニタで見ても、解像感の違いが分かります。ジンバルに載せて歩きながら撮ってみた映像が、こちらです(下手くそなので、ジンバルを使ってる割には揺れてます)。


2.7Kと1440pはクセが強いです。特に2.7Kは、カメラの方向よりも左寄りをズームして撮ったような甘い映像になります。それでいてビットレートは4K@30fpsと変わらない、という謎仕様です。使えません。

1440pは、アスペクト比が4:3です。16:9の両サイドを削ったのではなく、縦方向の画角が広がった感じに撮れます。16:9では映らないところまで撮れる、という点ではメリットがあるかもしれません。ただ、2.7Kほどではありませんが、カメラの方向より少しだけ左寄りを切り取った映像になります。

FHDの映像は素直です。単純に、4K映像の解像感が失われたって感じの絵になります。ファイルサイズは、4Kの4分の3くらいです(意外と大きいですね)。

720pは、FHDとビットレートが変わりません。つまり720pで撮ったからといって、ファイルサイズは(FHDより)小さくならないってことです。あんまり意味が無いですね。720pが生きるのは、スローモーション撮影のときくらいになりそうです。

各解像度の比較映像を作ってみました。三脚に固定して撮っています。

解像度による画角の違いは、↓こんな感じです。カメラは、赤い桟橋に向けています。

異彩を放つ2.7Kの画角

3. レンズ角度とEISによる画角の違い

レンズ角度は、大、中、小(Wide, Medium, Narrow)の3段階から選ぶことができます。ただし、手ブレ補正(EIS)がONの場合、「大(Wide)」は選択できません。また、一般にEISをONにすると画角が狭くなります。

というわけで、解像度を4Kに固定して、画角の変化を調べてみました。広角な順に、以下のような組み合わせです。

  • レンズ角度=大(Wide)、EIS=OFF

  • レンズ角度=中(Medium)、EIS=OFF

  • レンズ角度=小(Narrow)、EIS=OFF

  • レンズ角度=中(Medium)、EIS=ON

  • レンズ角度=小(Narrow)、EIS=ON

EISをONにした場合、レンズ角度を変えても、画角や画質に変化は見られませんでした。実質的に、画角は4種類と言えそうです。

4種類の画角(EISは、かなり寄る)

4. コーデック

コーデックは、H.264とH.265を選ぶことができます。4K@30fpsで撮ったときのビットレートの違いは、以下の通りでした。

H.264 52541074bps
H.265 31595270bps

H.265の方が圧縮率が高いので、画質も低下しそうなものですが、私の目には違いが分かりませんでした。それよりもファイルサイズ削減のメリットのほうが大きいと感じます。

5. シーン、EV補正、WB、スロー、タイムラプス

シーンモード、露出(EV)補正、ホワイトバランス(WB)、スローモーションの比較を1本の動画にまとめました。最後にタイムラプスのサンプルも付けています。

シーンモード

良く使うのは、Auto、風景(Scenery)、人物(Person)の3種でしょう。個人的には、「人物(Person)」の色味が自然で良いと感じました。ただ、少し明るめに仕上がるので、EV補正と組み合わせた方が良さそうです。

EV補正

EV補正は、0.5刻みです。補正なしだと、わりと白飛びしやすい印象です。

ホワイトバランス

良く使うのは、Auto、日光(Daylight)、曇り(Cloudy)でしょうか。今回の撮影に関して言えば、Autoだと秋らしさが失われてしまった感じがしました。「日光(Daylight)」の絵が、実際の色味に近いと思います。

スローモーション

60fpsや120fpsで撮影し、30fpsで記録することにより、2倍や4倍のスローモーション動画を作るモードです。

タイムラプス

タイムラプスの間隔は、1秒、2秒、5秒、10秒、30秒、60秒の中から選ぶことができます。出力される動画は30fpsです。

6. EIS

V4.1.0.4-A

最後は、手ブレ補正(EIS)の具合を見てみます。ファームウェアバージョンV4.1.0.4-Aは、こんにゃく現象が出るバージョンとして知られているようです。

ミニ三脚に装着して、手持ちで歩き回ってみました。動画の冒頭で、チルト軸、パン軸、ロール軸、Z方向(カメラを前に突き出したり引っ込めたり)にカメラを揺らしてみてますが、あんまり意味が無かったかもしれません。


V4.1.0.2-A

非公式ですが、少し古いバージョンのファームウェアがネットにアップされています。試してみました。EISに関しては、こちらの方が優秀に感じます。

7. 補足・まとめ

バッテリーの持ち

この日は、3時間ほどかけて、計30分くらいの動画を撮影しました。ちょうどバッテリー1本を使い切る感じでした。

バッテリー2個と充電器が付いているので、1つを使っている間に、モバイルバッテリーでもう1つを充電する、という運用が可能です。

内蔵マイク

内蔵マイクの感度は弱いです(評判通り)が、まったく音を拾わないってわけじゃないです。期待してないせいか、むしろ、意外に音が入ってるなぁと感じることもあります。

総評

買って良かったと思います。以下の点が気に入っています。

  • 7,000円弱で買える

  • バッテリー2個と充電器が付いている

  • 三脚、ショルダーベルト、自転車のハンドルなどに固定するためのアタッチメントが付いている

  • 4K@30fpsが、十分キレイ

EISについては、画角(広角)とのトレードオフになるので悩みますね。EIS OFFにしてジンバルに乗せるか、EIS ONで身軽に行くか、使い分けることになりそうです。

8. 追記

  • 長時間撮りっぱなしにすると、3GiBごとにファイルが分割される
    →4K@30fpsで約13分、FHD@30fpsで約18分

  • 冬には弱いかも
    →最低気温0.7℃の日、時おり粉雪が舞う登山道で使用
    →バッテリが異常に早く切れたり
    →ジャイロが誤作動して壊滅的な映像になったり(ファームはV4.1.0.2-A)