サムライ8の魅力

世界中で大人気の漫画「NARUTO」。その原作者である岸本斉史とそのアシスタントであった大久保彰の二人が描く世界待望の新連載「サムライ8八丸伝」が週刊少年ジャンプで連載されました。読者の評判はというと最初のほうは「読みにくい」「これから面白くなりそう」「説明が…説明が多い」「世界観はいい」「夢野カケラ先生みたい」「これでジャンプに足りないものが揃った!」など賛否両論でしたが、現在は「キーキーうるさいですね」「勇を失ったな…」「うるせえワクワクしろ」「説明が…説明が多い」「その状況を説明する前に今の銀河について説明しなければならん」など愛好家が増えてきた感じがします。今回はその話題作「サムライ8」の魅力について説明していきたいと思います。少し長くなるぞ。

サム八連載前インタビュー漫画https://shonenjumpplus.com/article/entry/heppoko_30

サム八PV



①人気の火種となった敵キャラ「アタ」

連載当初のサムライ8、通称サム八は説明過多なストーリーと作画のキャラや背景の線の太さに違いがないなどのことから、ただの期待外れな漫画として評価されていました。原作者の岸本曰く「SFは用語を説明しなくてはいけないから最初のほうは読者も我慢してね」とのことなので、そんな状態でもファンは面白くなることを願い、読み続けていました。そして7話にて物語を大きく動かくキャラが出てきます。マスクをつけた長髪褐色肌の大男、それが「アタ」です。アタの目的は色々ありますが、簡単に言えば八丸を捕らえることです。アタは八丸を捕らえるため、八丸の住む星へとやってきます。他の漫画と違うところは、八丸を探すシーンで3週終えるところです。アタで終わるシーンも含めれば5週使っています。いつ面白くなるんだと思いながら読んでいた読者が、約1か月もの間「八丸はどこだ」「お前が八丸か」という話を見せられたのです。この通常の新人ではなしえない連載方法から「今週もどこ八で終わった」「まだ見つ八しないのか」「どうなってんだ岸八」という意見が出始めたため、現在の「読八」「ガチ八」「考八」「編集八」「アタ八」といった「○○八」という言い回しが生まれました。その後、日常で使える語録も増え、現在の八丸ワールドが出来上がっていったというわけです。これらが生まれた功績はまとめサイトであるあにまんchの功績が大きいと思います。http://animanch.com/tag/%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%82%A48?p=2



②説明が…説明が多い

サムライ8はほぼすべての話に世界観や単語の説明が入ります。1話の巻頭でのセリフは

「我々侍の役目はこの銀河を守り続けること…それが侍の「義」奴を止め続けることが私の役目、それが私の義です。その間に…「パンドラの箱」を探しなさい。かつて武神不動明王様が星々を救う方法を記し封印した箱です。そしてその箱を開けられる「七つの鍵」も探すのです。それが君の義。」

「しかし師よ!こんな体に閉じ込められては…これではまるで…それに光まで…」

「偶然そんな姿になったのも何か意味があるのでしょう…この広い宇宙のどこにも完璧なものなどない…ですが枯れ落ちた葉より地中の奥の活力ある根を見る心眼をもつのです。」

…このあとに「わかりにくい説法ですか」と言ったセリフが続き、さらに同じようなセリフを二、三回言ってカラーページが終わります。そして本誌へ。

サム八

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画像サイズがあっていませんが、こんな感じで会話が進みます。1話冒頭から文章量がデスノートくらいありますね。さらにすごいのは読者を掴むべき最初の見開きカラーでは主人公の八丸やヒロインのアンなど主要人物の姿は一切描かれておらず、唯一写っているのは知らんおばさんとセリフがほとんどです。背景と同化している達磨師匠らしき人の後姿も若干写っていますが、印象には残りにくいです。こんな感じのテンションで新連載としては異例の72ページがずっと続きます。そして説明口調は1話で終わらず、17話現在まで多少増減の波がありますが続いていきます。正直めちゃくちゃ読みにくく、説明していることもたいしたことなかったり、岸影特有のわかりにくい日本語の言い回しだったり、鍵という一つの単語に比喩としての意味や直接的な意味、岸影流の造語としての意味を交えて説明してくるので、読八や考八たちは毎週頭を抱えながら読んでいます。

NARUTOで例えるとイザナミの説明が毎週入ってくるイメージだと思っていただけたらわかりやすいかと。

このような岸本節の効いたところも魅力の一つですね。



③サムライ8プロジェクト

大御所の新連載とはいえ、始まる前からたくさんの宣伝をしたり、同時進行している様々なサムライ8の企画など、週刊少年ジャンプではサムライ8を次世代看板漫画にしようとしています。そのため、他の新連載に比べ長く連載できることになっていると思います。単行本も10月4日に1巻2巻同時発売です。これが何を意味しているのかというと、どれだけ内容が酷くてもしばらくは打ち切られないということです。極端な話、かつての打ち切り漫画である「LIGHT WING」や「斬」のような漫画が十数巻くらい出る可能性があるような状態です。こんなのワクワクするしかありませんね。


最後に

ここには書ききれないほどサムライ8にはさまざな魅力が詰まっています。気になる方はぜひジャンプで、10月4日発売の単行本で読んでみてください。

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