邦楽名盤ランキング的な名作コント20選

音楽雑誌とかでよくある名盤ランキングってなんでお笑いではないんですかね?偏りなく投票できたら結構盛り上がると思うんですけど。ということで、もし「名作コントランキング」で投票を呼びかけたらこうなるだろうというランキングを妄想で作ってみました。芸人ウケとかお笑いファンの評判を反映させているつもりですが、好みもだいぶ入っちゃってます。M-1とか、バナナマンライブNetflix解禁とかで”かかって”こんなことやってますけど、考えだすと夜更かししちゃう超楽しいやつでした。


早速ですがいきます。テレビコントはシリーズ物が多いので除外してます。順位はなんとなくですがそれっぽくつけてます。名盤ランキングで上がりがちなアルバムを適当に充ててます。というかこじつけです。

20位 ゾフィー 『謝罪会見』 /暗黒大陸じゃがたら 『南蛮渡来』 

キングオブコント2019で披露されたコントで予選から評判が広まっていたコント。いわゆる「ネタが回る」という概念を広めた?コンビですが、本当にKOC前のこのネタの噂の広がり方は凄かった記憶があります。広がり方は『コーンフレーク』以上だった気もしますが、その噂に違わず凄いネタでした。いい意味で妙な胡散臭さが共通しているという点でじゃがたらと共にランクイン。


19位 アンガールズ 『新宿の家』 /中村一義 『金字塔』

アンガールズのコントにおける「悲哀」って他のコント師よりちょっと図抜けている気がして、純な感じがします。毎回コントを見るたびにやっぱアンガールズすげーって思わされるというか。ネタ番組に出たときもアンガールズの印象が一番強く残るんですよね。

18位 ダウ90000 『バーカウンター』 / 長谷川白紙 『エアにに』

今話題の8人組ですが、このコントは来年さらにダウ90000の存在を世に知らしめることになりそうな1本。YouTubeなどでも公開されていないので詳細なコメントは控えますが、2021年観たコントでもトップクラスでした。新しさという点で、長谷川白紙と共にランクイン。

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17位 千原兄弟 『ダンボ君』 / ゆらゆら帝国『空洞です』

三大怖いコントの一つらしいですが、ヒリヒリ感は圧倒的。冷徹。設楽統も小林賢太郎もどこか観客への配慮を感じますが、千原ジュニアは純度100%で自分の面白いものを見せている気がして好きです。無機質さという点でゆらゆら帝国と共にランクイン。

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16位 バカリズム『女子と女子』 / 椎名林檎『無罪モラトリアム』

バカリズムといえばその発想に目が行きがちだけど、魅せ方もとんでもないと思わせるコント。『架空OL日記』でああいう女子の描き方をしたと思えば、他方でこういう女子の描き方もしていて。でも『架空OL日記』でこのコントの女子が出てきたらまあまあかわいく見える気がします。福岡の天才という点で椎名林檎と共にランクイン。

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15位 さらば青春の光『ROCK』 / THE BLUE HEARTS『THE BLUE HEARTS』

キングオブコント2013準決勝で大爆発を起こしたと言われるネタ。当時、さらばに大逆風が吹く中でイチウケをもぎ取り、ウケすぎて(決勝に)上げざるを得なかったと言わしめるぐらいなんでやっぱりこの二人のバイタリティはエグいですね。さらばは色んなネタあるけど、芸人がこのネタに言及していることが多い気がするのでチョイスしました。

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14位 君の席『病院』 / Yellow Magic Orchestra『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』

ユニットも何か一つ入れたい。となるとやっぱり君の席になってしまいます。君の席というと『葬式』が言及されがちですが、自分はこっち派。間に挟まれたおぎやはぎが全部美味しいとこ持ってっちゃっているの最高ですよね。たぶんトップ20の中でこのコントの小木博明が瞬間最大風速だと思います。

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13位 かが屋『田舎の家族』 / 折坂悠太『平成』 

題材というか、こんな笑わせ方があるのか!という視点だと圧倒的に1位です。設定の鋭利さとかコントにおける尖りをかき消してしまう2人の人柄の良さが恐ろしい。。ノスタルジックという点で折坂悠太と共にランクイン。

12位 ラーメンズ『不思議の国のニポン』 / Cornelius『FANTASMA』

ラーメンズも色々あって迷いますが、シンプルに一番有名なものをチョイスしました。結局一番面白いし、一番ラーメンズの色が出ていますし。余談ですけど、男性ブランコ然り、蓮見翔然り、最近ラーメンズの影響を隠さなくなった人が増えている気がしませんか?改めてちゃんと評価されてるような気がして嬉しいですね。

11位 バイきんぐ『帰省』 / INU『メシ喰うな』

KOC2012で地響きのような笑いを起こした伝説のコント。最初は「なんて日だ!」でしたが、最近では「パナマどこよ!?」の方がフィーチャーされていくの、最高ですね。いまだに味がしているという証明ですし。小峠がパンク好きということで、INUと共にランクイン。

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10位 ジャルジャル『おばはん絡み』 / スピッツ『名前をつけてやる』

ワンテーマで押し切るネタの中でも、さらに色んなものを削ぎ落としたエッジの効いたネタ。こういう形容の仕方をするのは憚られますが、”早すぎた”コントだと思いますし、いまの方がさらに評価されると思います。福徳がファンみたいなので、スピッツと共にランクイン。

9位 シティボーイズ『灰色の男』 / cero『Obscure Ride』

実はダウンタウンより先に、不条理なシステムコントを作り上げていたと言われるシティボーイズの1993年の作品がランクイン。シチュエーションコントとして設定が素晴らしすぎるし、何よりキャラクターの鮮度が良い。バナナマンやラーメンズ、シソンヌなど多くの芸人に影響を与えている理由がこの1本を観ただけで分かる、そんなコントです。

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8位 おぎやはぎ『野球観戦』 / スーパーカー『スリーアウトチェンジ』

オンバトで披露された一ネタですが、お笑いファンの中ではかなり有名なネタ。このネタ1本で、おぎやはぎの漫才の良さ、コント師としての発想の奇抜さ両方を楽しむことができます。若干ネタバレになってしまいますが、お笑い版『フロム・ダスク・ティル・ドーン』です。

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7位 2700『キリンスマッシュ』 / キリンジ『3』

あの頃のKOCの代表作として語られがちですが、このネタは正直その中でも何段階も突き抜けている気がします。こういう発想重視のネタって、「何を見せられてるんだろう?」と感じながら笑ってることあるんですけど、このネタはその隙さえ感じさせないというか。子供のように純粋にファンタジーの世界に入り込ませてしまう魔力を感じます。K-PRO児島氏曰く、歴代の準決勝で一番ウケてたネタだそうです。

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6位 空気階段『火事』 / フィッシュマンズ『空中キャンプ』

今年のキングオブコントで歴代最高得点を記録した、言うまでもなく伝説のネタ。以前「日村がゆく」で賞レースのネタにはバトル型と単独型の二つあると言ってて今年もその2本だったわけですけど、今年はその境界線が曖昧だった気がします。特にこの『火事』は、バトル型の爆発力を持ちつつ、単独型のコントの味わい深さも兼ね備えてて本当にイカついネタでした。

5位 シソンヌ『俺の袋』 / 小沢健二『LIFE』

天才のコントです。シソンヌってコントにおける身体能力の高さが他の追随を許さないぐらい圧倒的だと思うんですけど、このコントのミニマルな設定だとそれがよくわかります。日常の中の日常を描いたコントでありながら、静かに狂って行き、観ている側をも狂わせていく構成がたまらないです。

4位 かもめんたる『言葉売り』 / andymori『ファンファーレと熱狂』

2010年代以降は、どうしてもキングオブコントからの選出が多くなってしまいますが、その中でもトップクラスのネタ。やっぱりかもめんたるの凄さはう大が紡ぎ出す言葉の強度だと思います。聞いたことのないような(実際に造語もありますが)ワードで観客を掴んでいく技術はちょっと圧倒的です。余談ですけど、今のM-1みたいに影響力含め大会としてデカかったわけじゃないのに、ああいう狂ったコントが決勝に上がっていたKOC、イかれてますね。

3位 東京03『小芝居』 / サニーデイ・サービス『東京』

東京03って毎年単独を開催して、新しい着眼点のめちゃくちゃ面白いコントを量産しているゆえに、代表作がないイメージだったんですけど(もちろん悪い意味でなく)、このコントはそれらを凌駕するクオリティで一気に東京03の代表作となった気がします。設定、展開、演技すべてが高水準でありながら、爆発力を兼ね備えているのが本当に素晴らしいです。


2位 バナナマン『Secretive person』 / 山下達郎『FOR YOU』

さすがにここまでくると納得の選出だとおもいます。バナナマンの代表作であり、よく芸人から名前が挙がるネタ。ゴッドタンのお笑いを語れるバーで飯塚悟志がその魅力を十分に語っていたため改めて語ることは無いですが、日村勇紀のツッコミとしての技量はもっと評価されていいと思います。Netflixで解禁されたら全員観てください。語り合いましょう。

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1位 松本人志 『古賀』 /   はっぴいえんど『風街ろまん』

栄えある第1位は、やはり松本人志。松本人志だけ唯一舞台コントではなく映像コントになっているのも興味深いです。何はともあれこのコントは設定の妙に尽きると思いますが、金のかかったセットがよりこの設定を映えさせている気がします。板尾創路の飄々とした狂気、いつ観ても好きですね。

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名盤ランキングだと『風街ろまん』がどの雑誌でも1位に選出されているんですけど、意外とコントだとそういう存在ってないというか、順位がコロコロ変わる気がします。今回はただの妄想で作ってしまったので、影響力の大きいどこかの誰か、やってくれ!!!!!!

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