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いつかこの餃子を食べてきっと泣いてしまう、新宿『大陸』

初めて食べたはずなのに、なぜか懐かしい感覚が沸き起こる。そういうことがあるとは知っていましたが、実際に経験したのはこのときが初めてでした。どこかで食べたのだろうか……いや間違いなくこれは人生で初めての味だ。でも、自分はこの味を知っている気がする、と。困惑しながら食べ進めるも、それでも懐かしさの正体はつかめませんでした。

本日の餃子情報です。

昭和28年に創業した新宿の老舗中華屋『大陸』は、僕にとって得体のしれない懐かしさを感じるお店です。人気店なのもあり、満席も珍しくない。「満席なのですみません」と言うので、諦めて帰ろうとすると「2時間だけならいいよ」と急いで席を作ってくれたりします。こういうのに弱い。

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食べたときに懐かしさを感じるのであれば、それは素直に考えると「実家の味」「お袋の味」なのかもしれません。実際、初めて食べたとき、実家のことを思い出した。でも、いま思うに、実家の餃子の味は覚えていないけど、この味ではなかったように思うのです。

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この餃子だけは、どうしても味をうまく説明することができません。懐かしさや、どこかの景色が浮かんでくるような、思考にそんなノイズが入り込み、味覚の言語化が下手くそになってしまう。要するに、「やさしい味」なんです。

初めて食べたときから、この郷愁を、懐かしさの姿をどこかに探してしまいます。記憶のどこにもいないのに、涙が出そうになるほど懐かしさの存在を感じる餃子。

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これが僕だけの感覚なのかは分かりませんが、この懐かしさの正体に気づけたとき、僕はきっと泣いてしまう気がします。

それまで、定期的に食べ続けると決めました。


大陸
東京都新宿区歌舞伎町1-6-3 石塚ビル 4F
一言メモ
餃子以外もおいしいです

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