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EQでバランスのよいMIXを作る

EQとはEqualizerの略ですね。equal(イコール)、すなわち音を等しくするという意味なので、出過ぎている音域を減らしたり、足りていない音域を補ったりして、周波数の下から上までがバランス良く、全体を等しくする(equalize)目的で使います。今回はMIXの要、EQについて解説したいと思います。

EQで周波数の帯域バランスを取ることは非常に重要です。複数の楽器が同じ帯域に固まっていると互いにかき消してしまったり、音が濁ってしまったりします。良いMIXのためにもトラックを重ねていく段階で周波数を分担、整理して音が濁るのを未然に防ぐことをオススメします!

SUB(50Hz以下の超低音域)

MIXのバランスを崩してしまう大きな原因は低音域にあります。
特に50Hz以下の低音はスピーカーで正確に再現できないため、知らず知らずのうちに溜まってしまう場合があります。最近のソフト音源、特にダンス系のキックやシンセベースでは、この音域までしっかりと出ているものが多いです。迫力のある低音が作れるのですが、ここに音が溜まっているとマスターレベル(全体の音量)の大部分を占領してしまい、他の帯域のバランスを上げたくても前に出せなくなってしまいます。

high passやlow cut(どちらも同じ意味です)と呼ばれるフィルターを使います。他の楽器のためにスペースを空けられるように不要な低音域をフィルターでカットしましょう。EQのスペクトルなどを表示させて50Hz以下をカットするのが手っ取り早いです。他の楽器のためにスペースを空けられるように不要な低音域をフィルターでカットしましょう。EQのスペクトルなどを表示させて50Hz以下をカットするのが手っ取り早いです。

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LOW(100Hz付近の低音域)

低音を担当する代表的な楽器である、キックとベースのバランスを取るのは非常に大切です。まず、ベースの100Hz付近でEQのQを細めに設定してカットします。下の画像矢印のように、周波数を上下に動かすとキックが強調されるところ、反対にキックが弱く聞こえるところが出てくると思います。ベースとキックのバランスの良いところを探してみましょう。

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キックよりもベースを下に持っていきたい場合は、ベースが引き立つようにキックをカットする帯域を見つけましょう。ピアノやギターなどのコード楽器もLOWが鳴っていると思います。キックやベースの邪魔をしないように、100Hz以下は大胆にカットしても良いかもしれません。

LOW-MID(200-500Hzの中低音域)

この音域は最も音が溜まりやすい帯域なので、EQで楽器毎の棲み分けがすることがとても大切です。キックとベースの関係のように、コード楽器それぞれが聞こえやすくなるようにEQをしましょう。トラック全体で聴きながらバランスをとってください。ソロで聴くと薄っぺらく感じる場合もありますが全体のバランスが良ければOKです。

低音を上手に処理すると高音の抜けが良くなる!

ここまで低音域を中心にEQの仕方を見てきました。高音がこもっているからといっていくらEQで上げても、低音がレベルを占領していたのでは高音は抜けてきません。低音域を整えることで高音域のためのスペースが空き、抜けが良くなります。

Equalize(等しくする)

周波数の下から上までがバランス良く、全体をEqualize(等しくする)できるように、EQを使ってバランスよいMIXを目指しましょう。

最後に周波数チャートを紹介します。検索すると色々見つかりますが、こちらのチャートが見やすいのでオススメです。




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