見出し画像

レムリアの象

涙が 止まらない
涙を 止める為ではないけど、
みなで、歌を歌おうか

層をわけることが、
解決方法なのか?

空と
ここと
地の中と

あと少しでお別れだ。

理解し合えないことって、
どちらにも対しても
いいことはない。

「また会おう!絶対に!」
列にならんだ、
君が言った。

もうやめてくれ。

そんなことは言わないでくれ。

スロープで、
下に用意された世界のゲートに、
消えるまで、
君は、ずっと俺を見ている。

もう見ないでいいよ、
しっかり前を見て、
仲間の列に続け。

僕なんて、見なくていいから。

僕には、もう
君が見えないのだから。

約束の責任か、
単純な悲しみか、
もう何だかわからない。

次から次へと、
閉まっていた
感情が、
目からあふれ出す。

大きな水晶が
いよいよセットされた。

僕は、涙を拭いた。

君はまだ僕を見ている。

毛の一本もない
大きなピンク色の、
腕と鼻が高く上がった。

それを左右に振りながら
「また会おう!絶対に!」

君はそう言って、
地下続くスロープから消えた。

ピーという
耳鳴りが止まらない。

息が苦しい。

目だってしみる。

もう体中が痛い。

また会おう。
絶対に、また会おう!

僕は見たくて、見たくて
見れなかったスロープに駆けだした

絶対にまた会おう!

そこにいるすべて者が、
声を揃えて歌っている。

この歌を、
僕は絶対に忘れない。

水晶はさっきよりも、光っていた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?