リアリゼーション

「リアリゼーション」という言葉は、はじめて知ったわ。普段は何を使っているのかしら。音楽をそのまま楽譜通りに身体で表現する、ということかしら。

 「私のピアノによる即興演奏の動きでついてきてください。その際に、高音部を片方の手で、低音部をもう片方の手で表現してください。そして、今、3人組のグループを作り、ソプラノ、アルト、ベースのリアリゼーションを誰がするのか決めてください。」

 この本(リトミック事典)によると、ダルクローズのリアリゼーションは、「身体によりリアリゼーション」が含まれている。が、クーグラー、ギュルデンシュタイン、エイフリーデ・フォイデルなどは、違う形に捉えられたようだわ。

 読み込みが甘いけれど、きっとこういうことかしら。よくリトミックというと、リズムを手で叩く、という課題があるでしょう。実は、リトミックのレッスンの中ではこの課題は非常に少ない。ターターター、4分音符3つのカードを見せて、手を叩かせる、というようなもの。だいたい、この課題はおもしろくない。笑。ダルクローズは、これが、リアリゼーションと捉えられてしまったよ、悲しいな、俺は、というようなことを、こう書いてある。

「あなたの前に演じられたリズムを、すぐにすっかりやろうとはしないで下さい。何よりもまず、あなたが聞いている間、自分の身体を完全に緊張が緩和された状態に維持して下さい。」ジャック=ダルクローズ1911 

 追記・おっと、わかったかも!「生徒のノートを見ればわかる」とある。このリズムを書きなさい、は出来る。でも、それを表現しなさい、となると、まったく出来ない。先程書いたダルクローズのリアリゼーションの課題は、曲の構成を分析、バラバラにしてみなさいな、ということ。たとえば、おいしそうなケーキがある。それをそのまま絵に描くのではなく、中身を調べましょうよ、ということ。バターに小麦粉、卵に砂糖、そしてさらに、その素材まで吟味する。そうすると、もっとおいしくケーキが食べられますよ、ということ。まあ、そのままでもおいしいケーキはおいしいのですが。音楽もそう。耳は塞ぐことが出来ないから、流れてくる音楽は耳に入ってしまう。その音楽の中身を知ると、もっと楽しい一生がおくれますよ、さらに、あなたのまわりの人全てが幸せになれますよ、リトミックは、ということ。


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