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みんなじぶんたちが かがやきだしたきがしました。|おひさまパン

【おひさまパン】をご存知だろうか?

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それは絵本。寒くて暗い冬が続く動物の世界に、おひさまが出ないのなら、おひさまをつくってしまえ!とパン屋さんが、黄金色に輝くおひさまのパンをつくってしまう。パンの焼けるいい匂いに捕まって動物達は次々と外へ駆け出し、ついにはおひさまもこんにちは。とうとう春が来た!なほっこりよい話。(エリサ クレヴェン 作・絵、江國香織 訳)

実はムスコが幼稚園からこの本を借りてくるのは2度目。1度目の時「おひさまパンつくりたーい!」とおねだりされたのだが、何せ嬢を妊娠中でパンの焼ける匂いなんぞ嗅いだもんなら、トイレへひとっ飛びの当時は笑顔でスルーした記憶がある。お腹の中の子は外へ飛び出し4ヶ月。すっかりおひさまパンなんてものも遠い記憶になりしこの週末に、またムスコに借りられて戻ってきたのだ。

早速読んでみるとふむふむ。何だか今の世にピッタリではないか!

ゆきまじりのかぜが びゅうびゅうふいて、ながれおちるあめは あちこちで はねてうずまき、せかいじゅうの いろといろを うばってしまってかのようです。

はじまりはこの一文。描かれている絵は寒くて暗い季節の風景と家の中にいる動物たちの表情までもが、怒っていたり、泣いていたり、病気をしていたり、けんかをしていたりする。本当に"色"がなくなってしまっている。

何だかコロナウイルスの騒ぎで混乱する、私たちの「今」を表しているようだ。マスクをしない人を白い目で見つめ、咳をする人を罵り、我先にと必要でもないトイレットペーパーの買い溜めに走る「色をなくした"今"」そっくりなのだ。

このパンやさんも おひさまが こいしくて たなからこなをとりだすと、 バター、 おさとう、 たまごにイースト「 おひさまあじの とくべつパンを やきましょう」 とはりきりました。「ほんとうのおひさまは かくれたままだから わたしが うちで、 ちいさなおひさまを つくるってわけ」

空におひさまが出なくとも、心の中のおひさままでもを失ってはいかんと考えさせられる。何があっても「自分はどう考え、どうしたいのか?」が大切で、今自分の身を置く環境にチャンネルを合わせる必要はないのだ。自分の行きたいところにカチカチとチャンネルを合わせて行こうじゃないか。

するとほらね

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自分の幸せは、結局まわりも幸せにするのよ。おひさまだって出てきちゃう♡宇宙はそういう仕組み。その仕組みを信頼しないから悪いことが悪いことを呼び、争いを生む。

こういうことを書くと、「自分の好きにしていては社会が成り立たない」とか何とかなコメントを一定数目にするけれど、「好きなこと」「幸せを感じること」と「好き勝手すること」をごちゃ混ぜにして解釈してしまっている。そんなことも思考出来なくなっているから、世界各地でトイレットペーパーを買う人の列ができるのだ。

そういえばムスコが最近こんな童歌をよくうたう。

ちゃつぼ ちゃつぼや ふたがない。そことって ふたにしよ。ちゃつぼ ちゃつぼや そこがない。ふたとって そこにしよ。

そうだな〜底を取って蓋にしたら、今度は底が無くなってしまうことが考えられない人間が増えてきたなと、ぼんやり考えていたら確信に迫る記事に出会った。大変有難い。

日々あまりに忙しすぎて、目の前のことにあくせくせざるを得ないという社会環境も大きいとのこと。植物的な時間の中で生きていたいものだ。(意図せずだけれど、わたしは植物的な考え方の中で子育てしている。うんうん。次はこの記事を用いて、植物的な子育てについて語るとしよう。)

なんだか少し話題が逸れた。

何をしたい?どんなわたしでいたい?

不安に巻き込まれることなく、自分はどうしたいのか?中長期的なスパンを見据えて考えて行動するーーーそんな大人の毅然とした背中を子どもに見せて育てたい。というか、いつでもどこでも子どもは大人の姿勢を見ているから、子どもが安心して育っていける環境を整えなあかんのだな。子どもに優しい社会というのは、結局のところ全人類に優しいと思う。

ということで、わたしはそんなことを思考しながらムスコとパンをこね、形成し、おひさまパンを焼き上げた。

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あなたの幸せはどこにあるだろうか?今を生きるというのは、今がよければそれでいいということでもない。何をしたいか?何を感じていたいか?直視した先には自分勝手な世界ではなく、誰一人不幸にならない世界が広がるのだ。カチカチと自分の幸せチャンネルの精度を上げ、誰もが共に幸せに生きる時代が始まっている。

何がしたいか?何を感じていたいか?分からないって人は、大好きな人と大好きな場所に行ってみるといい。思う存分その幸せを感じてみたらいいと思う。

もっと自分の感覚に集中しよう。自分の好きで忙しくなろう。そうしたらトイレットペーパーの列に並ぶ暇なんてなくなるのさ。

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