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初インプレ(デメリット編)

購入時は1880kmという、試乗車みたいな機体を手に入れたわけですが、購入1か月で約800kmを走りました。
慣れで何とかなった部分、慣れでは解決できなかった部分があり、そろそろインプレしても良い頃だと思い、感想を書いていきます。


1.情報量の少なさ


MVアグスタは日本での販売量が多くなく、情報量も少なくなりがちです。
2019年モデルまでは、バイクブロスの諸元表でシート高805mmになっているのですが、2020年からはシート高が830mmになっていました。
友人のパニガーレV2と比べても私のF3のシートは明らかに低いので、私が買ったのはシート高805mmなのだと思います。
では2019と2020の間でどこがどうかわったのか。
シート高(ディメンジョン)変更はかなり大きな変更なのに、どこが変わってそうなったのかに辿り着くことができない。
また、ジムカーナ練習会に参加したこともあり、リアブレーキがどのくらい減っているか確認したいのですが、ネット上には確認方法を見つけることができませんでした。
今日も最後に8の字練習をしようとしたのですが、リアブレーキから鳴き音が聞こえるため、それが問題のない音なのか、減っているから鳴っているのか確認できず、怖くて練習をやめました。
マイナーメーカー故のデメリットがここにありました。


2.ポジション


ポジションは当初「窮屈」と感じていましたが、シートの中央より少し前に尻が収まるポイント(直進時)があり、そこを使うように色々調整したところ窮屈というよりは前傾だけが問題になる感じです。
ただ、上目遣いには限界があり首の角度をどのように調整しようにも首が疲れてきます。
また、1時間ぐらい継続走行すると腰背部に鈍い痛み(疲労)が出始めます。
V7iiiの場合は2時間半ぐらいは連続走行できましたが、F3の場合は1時間走ったら10分休憩というようなサイクルでないと、今までのような往復300~500kmのツーリングは難しいと感じました。
ただ、それには解決策もあります。


3.ポジションの解決策


腰背部が疲れやすいポジションには解決策がありました。
その解決策とはハングオフをすることです。
ハングオフといっても、今のMotoGPでやっているような肘を擦るような極端なものではなくて、ライダーズクラブ(RIDE-HI)等で根本健氏が提唱している拳一個分だけ尻をずらすタイプのハングオフです。
前傾姿勢のバイクに乗っていて何が疲れるかというと、枯葉マークおじいさんの、制限速度ギリギリみたいな速度に追随することです。
市街地であればエンジンの熱さという問題はありますが、信号停止ごとに上体を起こして腰背部を休ませればよいのですが、田舎道で遅い車に追随するのは腰背部の負担が大きいです。
F3に限らず、前傾姿勢のバイクは定速走行よりも加減速をきちんと繰り返した方が気持ちよく走れるようなセッティングになっているため(理由は後述)、
  カーブ直前できちんと減速
  カーブではしっかり向き変え
  スロットルをちょっとだけ開けながらカーブを走行
  出口が見えたらスロットルを開ける

という手順を守ったほうが脳汁ドバドバで走れます。
その際、リーンウィズのまま内側の肩を下げると確かに舵角がついて強烈に曲がってくれるのですがそれでは腰背部の負担が大きいです。
そこで、根本流ハングオフの登場となります。
根本流ハングオフをカーブで実践した場合、外側の足と鼠径部(の直上の腹筋)がバイクと自分を繋ぐ要となるため、右カーブのときは右腰背部(内側)は休むことができ、左カーブの時も左腰背部を休めることができます。
リーンウィズの場合は「どちらかを休ませる」ことは難しく、内側の筋肉にも2~3割の緊張が残ってしまいやすく休まないから疲れるという状態を引き起こしてしまいます。
腰背部が受け持っている重さは、ハングオフした場合は外側のふくらはぎや大腿部の筋肉(大きい・たまにしか使わない)に付け替えることができるのです。
もちろん、根本流ハングオフにも弱点はあって、連続S字カーブのようなところでは忙しすぎて尻ずらしが間に合わなくなります。
白バイやジムカーナ選手が「公道ハングオフは無意味だ」というのも、彼らが上体を起こしていることだけでなく、連続S字のようなところではリーンウィズ~リーンアウトが有利だからです。
今のところ、1回の走行距離が150kmを超えるツーリングはしていませんが、知っている道で根本流ハングオフを使って日帰り300kmぐらいのツーリングをしてみたいと思います。


4.積載


MVアグスタはオーバーヒートの虞(F4は夏場はアッパーカウル以外は外した方がよいらしい)や、ヴェイーパーロックの虞を覚悟したリアブレーキタンクの位置を採用してでも、運動性能に寄せたいという設計思想だと予想しています(根本氏が提灯記事書いた可能性はありますが)。
そんなバイクが積載性を考えた設計をするでしょうか?
私の場合は日常使いの為にETC車載器を付けてしまったため。車検証&自賠責を折りたたんでナイロン袋に入れて収納、みたいな積載量しかなくなりました。
その結果、車検証・自賠責・エンジンオイル量り売り表のセットはホルスターバッグで携帯しなければならなくなりました。
そのほかに何かを積もうとしても、タンデムシートが小さいため小さめのシートバッグしか使えません。

もしもこれよりも大きいバッグを使う場合は、タンデムシートカウルに傷がつかないように保護シートを貼る必要があります。
お土産を買おうにも、720mlの酒は無理でペットボトルで言うと500ml3本が限界です。


5.速さ


これだけ利便性を犠牲にしたのだから、きっと速いだろう。
そう思ってはいましたが、先日ブラインドコーナーが連続するところでアフリカツインにジリジリと離されていきました。
言い訳にはなりますが、先が見えない(この先を知らない)場合は車体低くて先が見えず、怖くてスロットルをワイドオープンできません。
かつて白バイに乗っていた知人が言っていましたが、
  日本の峠道はレプリカが必死になっていてもその横を
  ビッグオフが余裕でクリアしていく

というのを地でやられた感じです。
もちろん、ブラインドのないサーキットではビッグオフのほうが不利でしょうけど、F3の楽しみ方はブラインド峠でビッグオフに勝った負けたではなくて、コーナーでガバ開けしたときの、
  スキースノボのようなエッジを効かせて曲がる快感
なのではないかと思います。


6.次回はべた褒め提灯記事

8割がデメリット、2割が快感についての説明になりましたが、私はF3を手放す気はありません。
故障しても、直るのなら直して乗りたいと思うほどの名機だと思います。
次回は、長距離ツーリングできないのに1か月で800kmも乗った理由(このバイクの快楽)について書いていこうと思います。

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