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覚悟して乗る人


1.理解者としての店長

MVアグスタF3を買うにあたり、その店の店長(担当店員さんが休みだったため注文日が店長対応となった)が

あなたは今までウチで外車乗ってきて、色々覚悟できてるじゃないですか。
MVは今までより覚悟は必要ですよ。
部品精度の安定性とか供給の安定性とか。
その覚悟と覚悟に基づく余裕があるなら大丈夫ですよ。

と言われました。
確かに、離婚後約15年、若かったその店長さんにずっと面倒を見てもらっていて最近若手に私の担当を譲られたわけですが、私の性格も把握したうえで大丈夫と言ってくれるなら信頼して買うことにしました。


2.次は私の番


私がバイクを買っている店は全国の修理情報を集めたり、旧車を大事にするために事故車等から「使える部品」を本部倉庫にストックしたり、大規模展開している会社ならではのメリットを活かしてできるだけユーザーの要望に応えてくれようと企業努力をしているようです(とはいっても特攻の拓とか違法改造車は許容しない)。
そんな店であってもMVアグスタは今までの国内流通台数や取扱数の少なさから本部に部品のストックも少なく、整備情報もあまりクラウドされていないようでした。
さすがに、ETC取付けは全国で数件の実績があり私の機体にもその情報をもとに取り付けてくれましたが、例えばYouTubeでよくある原因不明のエンジンチェックランプ点灯(からのエンジン回転制限)や起動不能についてはまだまだ情報が少ないようです。

しかし私はふと思いました。
いままで私がその店で外車を即納、即修理で楽しめていたのは先輩方がトラブルに見舞われてその店に修理履歴ログを残してくれていたお陰であろうということを。
そして次は私が先輩の立場になる番なのではないかと。


3.輸入代理店・正規代理店・非正規店


2023年8月、MVアグスタはKTMの参加に入り国内正規ディーラーが全国で7店舗になりました。
これはKTMの意向に沿ってある程度の新車販売台数を稼ぐ約束を交わした店だけが正規ディーラーとして認められたのであろうと予想されます。
今後どのような形で正規ディーラーが増えていくのかは未知数ですが、販売網が縮小されてしまった現状では非正規ディーラーがある程度「昔の頑固おやじバイク店」的なガッツをもって中古車の買い取り、販売、修理をしてくことになると思われます。
最近Twitterで見かけたのですが水戸市にはMVアグスタの中古販売・修理・カスタムに応じてくれる小規模店(小規模店故に予約が必要とのこと)もあるようです。
残念ながら私はその店と遠いために全国チェーンの非正規店を選びましたが誰かが情報集めに協力しなければならないなかで、私がその一端を担えれば良いかなというボランティア的な精神も含めてF3を楽しもうと思います。

美しく官能的なデザインのバイクが、高級車少量生産のメーカーが、資本主義経済社会という大海原でどうなっていくのか。
かつてのキャブ車たちのように「カスタムビルダー」の部品で生き残っていけるのか。
お金のかかる実験についに参加しました。
MVアグスタが2000年代のラベルダのように消えていくのか、残るのか。
せっかくのこの美しいデザインは現役であってほしいと思います。

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