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あって良かった装備・2

あって良かった装備第二弾は、純正タンクプロテクション(タンク用ニーパッド)です。

これの効果を文章で説明するのはすごく難しいのですが、簡単に言うと「疲労蓄積を鈍化する(疲れにくい)」効果がありました。
これまで私はレトロ系バイクに乗ったことがなく、デザイン性重視の観点からタンクパッドを付けたことがありませんでした。
今回、初めて効果がかなり大きいことに気が付きました。


1.ニーグリップという単語の謎

いわゆる「ニーグリップ」というバイク操作の用語ですが、
ただ単に膝でタンクを締め付けただけでバイクの操作が上手くなるわけではないのでは?
と、
私は約30年のバイク生活でそのように感じていました。
しかし、バイクがうまい人はニーグリップを連呼する。
私はその謎を頭の片隅に置いたままバイクに乗り続けていました。


2.なぞ解明のキッカケ

あるとき、東京の武術道場に不思議な技法を習いに行きました。
いわゆる「力が弱い、身体が小さい人でも可能な護身術」といった系統のものです。
そこの先生が教えてくれたことの中に、「アソビを取った後でないと技が効かない」というものがありました。
動画で説明しますと

私の左手を上に動かしたかったら、シワが寄り切った後でないと左手を上に動かすことができません。
シワを作っている状態がアソビがある状態、シワが寄り切ったあとがアソビが取れた状態です。


3.ニーグリップへの応用


例えば「ブレーキをかけて前輪に荷重をかけながら曲がる(バイクを倒す)」という説明があります。
当初は何を言っているかわからなかったのですが、前述の「アソビを取る」を知ってからやっとそれができるようになりました。
ブレーキをかける

膝でタンクを締める(ムスコの上辺りの腹筋も締めておく)

革パンや大腿の皮膚が歪んで限界に達する

私の体重がタンクを通じて車体と一体化する

一体化した状態を逃さないようにブレーキを丁寧に緩めながらバイクを倒す

この手順を踏めば、安定してバイクの向きを大きく変えることができるらしいことが体験できました(多くの達人ライダーは「上半身のチカラを抜け」と言っていることから、自分の体重と車体とのつながりを維持できれば、ムスコの上の腹筋の力みは最小限度のもので良い可能性があります)。


この操作をするにあたり、タンクと革パン(ジーパン)が滑ってしまえばバイクと私の一体化ができませんのでタンクが滑りやすいときはタンクを強く締めて摩擦力を強くしないといけません。
ところがタンクプロテクション(ゴム製)があるおかげで、膝との摩擦係数が大幅に増幅されるため、膝を締める力はホドホドでよく、バイクと体重の一体化が簡単にできるのです。


4.タンクプロテクションの効果的な場面


上に書いたようなブレーキ~コーナリングの場面だけでなく、膝とタンクとの摩擦力増幅は、
  気が抜けていて急加速してしまったときのニーグリップ
でも早期体勢リカバリーに寄与してくれましたし、
  超低速走行時(一本橋チャレンジぐらいの速度)
の時にも効果を感じました。


要はニーグリップのために膝を締める筋力を軽減する効果があり、筋力を節約できたことで疲労軽減した、そんな装備でした。
白バイのタンクにウレタンゴムのパッドが貼られていたのは、白バイ隊員間で引き継がれた疲労軽減策であったのかもしれないと、自分のタンクプロテクション経験から思うなどしました。

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